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(株)大阪チタニウムテクノロジーズ【5726】の掲示板 2024/04/11〜2024/04/19

大阪チタニウム、東邦チタニウムがスポンジチタンの増産検討。米国で航空機向け需要増・工場建設コスト見極め

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4/16(火) 6:03配信



 スポンジチタンメーカーの大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウムの2社の生産能力増強を後押しする材料が整ってきた。脱ロシア依存を狙う欧米の航空機産業向けの需要が顕著に伸びており、米国の需要家が輸入を増やす動きを強めているためだ。ただ安定供給には新工場の建設が欠かせない。工事費や資機材費が高騰する中、両社とも膨大な設備投資に伴うリスクやコスト増を見極めている。  スポンジチタンは、航空機の機体やエンジン部品に用いるチタン展伸材の原材料。日本では2社が手がけており、世界で4社しか造れないとされるエンジン回転体向けの最高級グレード材も供給している。  日本からの輸出は主に米国向けで、航空機用途が大半を占める。米展伸材メーカー大手のATIやタイメットなどが得意先だ。  日本製スポンジチタンの引き合いが強まっている背景にはウクライナ危機がある。米航空機大手ボーイングがロシアのVSMPOアビスマとのチタン展伸材の取引を中止したのが象徴的だ。代替調達先となった複数の米展伸材メーカーは能力増強計画を相次ぎ表明。原材料のスポンジチタンを供給する日本のスポンジチタン2社も追加発注を受けているという構図だ。  ATIとタイメット、ペリーマンの米国3社はすでに能力増強に動き始めている。いずれの計画もスポンジチタンの溶解工程が対象で、増強設備は24年後半から順次立ち上がる見通しだ。一連の増強は26年前後に完了するとみられる。  増強後は米国3社の合計溶解能力が、現状比で年間2万トン以上増える見通し。必要とされるスポンジチタンも同程度とみられ、日本の生産実績の約3割に相当する新規需要が生まれる形になる。  日本のスポンジチタンメーカーも追加発注に応えるため、抜本的な能力増強を視野に入れている。東チタは国内の既存拠点で新工場建設を検討中。年間1万トン程度を増産し、海外拠点を含む同社の能力は約1・3倍に拡大する見込みだ。兵庫県尼崎市に生産拠点を持つ大チタも抜本的な増強に意欲を見せている。  課題はコストだ。工場を新設する場合、設備投資には多額の資金を要する。両社とも「再生産可能な水準のマージン確保が前提」としており、現在の輸出価格では投資回収できる見込みが立たないとみられる。  工場新設の費用は数百億円規模とみられる。過去の事例を見ると、東チタが10年度に稼働させた年産能力1万5600トンの若松工場(北九州市)の場合、総投資額は約500億円だった。同社がこの投資を決めた06年度の年間売上高に相当する金額だ。当時と比べ工事費や資機材費が上がっている現在は、さらに費用が膨らむ可能性が高い。