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日本冶金工業(株)【5480】の掲示板 2021/11/12〜2022/03/09

日本冶金工業は「都市鉱山」のリサイクル原料を使う
ニッケル生産量を月400トンへと
現状比倍増する方針だ。
リサイクル原料はステンレス鋼向けに自社製錬する
ニッケルの4割強を占め、将来100%を目指す。
大江山製造所(京都府宮津市)で2022年度までに
保管施設や自動破砕機を整備。
不純物除去技術も確立する。
現状で原料の6割弱を担う輸入鉱石の調達リスクを
回避する。循環型社会にも貢献する。

日本冶金工業はステンレス鋼の生産に
不可欠なニッケルを大江山製造所で製錬する。
都市鉱山からのリサイクル原料は
高品位のニッケル成分を含み、01年に活用を開始。
製錬されたニッケル中、リサイクル原料由来が
4割強を占める。

リサイクル原料は約200種類。分別や保管、解析、処理に時間がかかり、設備投資で作業を効率化する。
新たな保管施設は年内と22年に計2カ所整備する。
いずれもテントタイプ。フレコンバッグで到着する
粉末状や汚泥状などの原料を開封し、即作業可能にする。
成分分析にあたり新たな自動破砕機を
22年に導入する予定だ。

製錬されるニッケルの材料の6割弱は
ニューカレドニアから輸入した鉱石。
取り出すニッケル成分はリサイクル原料より品位が高くない。リサイクル原料を増やせばロータリーキルン(回転式窯)での使用エネルギー、二酸化炭素(CO2)を抑えられるという。

製錬されたニッケルは、鉄と混ざったフェロニッケルの
状態でステンレス鋼をつくる川崎製造所で使われる。
ただ、併用される鉄スクラップなどとの間で量が調整される。
スクラップの価格高騰が続けば、自社製造の原料の活用率を高めることになる。
いわゆる都市鉱山ではゴミとして廃棄される
家電や携帯端末のコンデンサー、バッテリーなどに
ニッケル成分が含まれる。「原料の選択肢を広げながら脱炭素・循環型社会に役立ちたい」(久保田尚志社長)という。

日刊工業新聞2021年10月26日