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小野薬品工業(株)【4528】の掲示板 2016/05/31〜2016/06/05

消費増税の再延期に伴い、厚生労働省は2017年度に計画していた診療報酬の改定を見送る方針だ。診療報酬のなかでも薬価はこれまでの改定で市場の実勢価格を反映する形で下げてきた。改定見送りで数百億円規模の医療費を抑える機会を失う。社会保障費の伸びを年5000億円に抑える財政再建目標は達成が一層難しくなる。

 「17年度に社会保障費の伸びを年5000億円に抑えるのは困難だ」。薬価改定の見送りが確実になったことを受け、厚労省幹部は頭を抱える。薬価改定は高齢化に伴う社会保障費の伸びを抑えるための「削りしろ」となってきたためだ。

 16年度は薬価などで1500億円減らして、社会保障費の伸びを5000億円程度まで何とか削り込んだ。

 17年度も仮に予定通り消費増税と薬価改定を実施していた場合、消費増税分の上乗せよりも実勢価格の下落の方が大きくなり、マイナス改定になる公算が大きかった。過去に消費税を引き上げた1997、14年度ともマイナス改定だった。

 12年の薬剤費は8.5兆円。国民医療費全体の2割を占める規模だ。近年、1人あたり年3500万円の費用がかかるがん免疫薬「オプジーボ」など超高額薬が相次ぎ登場し、医療界でも懸念が強まっている。

 17年度の薬価改定の見送りを理由にこうした高額薬への対応が遅れれば、社会保障費全体の膨張につながる。

 診療報酬の改定は原則として偶数年度に実施するが、17年度は消費増税分を反映する目的で例外的に実施を計画していた。これまでも97年度の増税時に実施した前例がある。増税の再延期を受け、中医協は月内にも薬価改定に向けた市場調査の中止を決める。