ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

小野薬品工業(株)【4528】の掲示板 2016/04/15

楽天証券 今中氏レポート(5)

●費用対効果の議論と投与法の研究に期待したい

2018年度の薬価改定から、高額医薬品について費用対効果の考え方が薬価に織り込まれると言われています。費用対効果が高い薬は薬価を引き下げず、低い薬は引き下げるという考え方です。オプジーボの臨床例は現在急速に積みあがっており、この議論の中でオプジーボが効能の大きい新薬であることが立証されれば、2018年4月以降は薬価の引下げがなくなるか、低率の引下げ率で済むと思われます。そうなれば、持続的な利益成長が実現出来るでしょう。

また同時に、投与法や併用療法についての研究が盛んになることを期待したいと思います。これについては、医師の間で問題意識が強くでているようです。オプジーボの臨床試験時の投与法が継続的に投与するものであったため、現時点では、がんが縮小ないし消失した患者に対しても、副作用が出ない限りは投与し続けています。一方で、副作用で投与を中止した患者でも効果が持続しているという話もあります。投与を継続する用法が、金額が膨らむ大きな要因になっているため、この点の改良が今後期待できるかもしれません。

また、他の免疫チェックポイント阻害剤や従来の抗がん剤との併用療法も活発に研究されているようです。従来の抗がん剤との併用は、臨床で出来るものもあるはずなので、この方面の進歩にも期待できるかもしれません。

オプジーボはまだまだ発展途上の薬であり、この先にはがんが治る世界が広がっているように思われます。医療業界や国での様々な議論に注意しなければなりませんし、薬価引き下げの議論が出てきたことで株価が変動することもあると思われますが、中長期的な投資妙味は依然として大きいと思われます。