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アステリア(株)【3853】の掲示板 〜2015/04/15

 そう見ますか。

 確かに日足は底入れのサインを出した。折り返しの初動期なのかもしれない。
ただ、週足はまだ厳しい面も残る。

 加えて、第3四半期は以前に示した通り、少し甘く見積もっても売上10億は届かないと見る。となると、通期での前年度売上14.87億を超えるには第4四半期で少なくとも5億の売上が欲しくなる。5億でトントンだ。厳しくないか?
第4四半期、5億の売上を出せるか? 可能性は厳しいかと考える。前年度、消費増税前の駆け込み需要で売上を伸ばしてしまった。ライセンス商品は5年は買い替えがないと考える。
 「新規をどれだけ取れるか」が課題になってくるだろうが、目下関西の売上減少が響いている。人員不足が原因だ。asteria warpを販売するには高度なIT技術への理解が求められる。そういう人材は中々集まりにくい。

 さらにクラウド版の発売により、ライセンス販売は鈍化すると考える。
 顧客側としては、ひとまずクラウド版でやってみて、それで「長く使いそうだ」という段階を踏んでから、「それならライセンス版を」という流れが今後出てきそうではないだろうか? となると、ひとまずライセンス契約は落ち着いてしまうのではないだろうか?

 確かにクラウド版の安さは入り口として敷居が下がり、需要が膨らむと思う。ただ、ライセンス版が480万円でクラウド版が月額24万ということは、ライセンス一件につきクラウド版を20件、つまり20倍の契約件数を取らないと同じにならない。時間で考えると、クラウド版を20ヶ月使うと、それはライセンス版を使ったのと同じになる。ということは、企業はだいたい1年くらいを目処にライセンス版に切り替えるかどうかの判断をすることになる。インフォテリアにとってはクラウド版による収益と引き換えに、ライセンス版への契約は1年前後、先送りされることになる。

 余談になるが、インフォテリアにとってクラウド版を出す、本筋とは別の戦略的なもう一つの意図とは、「顧客の早期囲い込み」だろうと考える。他社商品と契約される前に、廉価なクラウド版で始めてもらう。そうすればライセンス版への契約に繋げやすくなる。そういうストーリーなのだろうと思う。あくまで最終的な目的はライセンス版の売上と定期的なライセンス更新契約。それには、「始めてもらえば、評価してもらえる」という自信が前提になるだろうが。

 財務面では法人税がかなり高い。純利益が残っていなくても、前年度の業績が良いせいか、容赦なく搾取してくる。所得税と同じなのか、前年度稼ぐと今期収入が少ない人、企業には前年度の業績が税金という形で重くのしかかる。
 第2四半期は結局、7,100万円の法人税支払いが響いて赤字に転落した。これが第3四半期、第4四半期も続く。加えて、ライツを発表した際の株式発行の手続きに要した会計事務所への支払い、1億4,000万円を分割で支払っているようだ。
 M&Aについては、買収先の財務状況にもよるが、16億あるキャッシュポジションから11億を捻出する。当然、インフォテリア自体に限った場合のキャッシュポジションは厳しくなる。残り5億だ。企業にとっての5億は残高として大きいほうか、それとも少ないほうか。ここらへんは、ライツに対応しなかった株主によるしっぺ返しだ。

 つまるところ、ここの売上が伸びるか伸びないかは、asteria warpのライセンスが景気連動型の商品で、それの伸び縮みによる。なぜなら、あとは月額料金で漸増の売上が出る商品で、例年の業績からある程度の精度で計算可能だからだ。売上が読める商品になっている。

 第2四半期の中間決算が今期の業績を占う意味では、ある種の天王山であり、総決算に近いと考えていたが、残念ながら厳しい数字が並んでしまった。四半期ごとでは期待できる数字も少しではあるものの、あるにはあるが、やはり総体的には今期は厳しいのでは? と考えているのが持論。