ガンホー・オンライン・エンターテイメント(株)【3765】の掲示板 2018/04/07〜2018/04/24
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>>958
願宝堂奇談
アホルダー百物語
「売文戦線、異常ナシ」前編
第六十九の男は語る
私はある出版社で編集者をしています
あいにく怪談奇談の持ち合わせがありません
代わりに職場でよくあるヒトコマをお話ししてごめんこうむります
「あの、先日、原稿をお預けした者ですが」
「あ〜、2ヶ月前に勝手に置いてっちゃった人ですね?」
「お読みいただけたでしょうか」
「そこのロッカーの上で埃かぶってますから、どうぞお持ち帰りいただいて」
「私事ながら持ち株が塩漬けで、そろそろ趣味の小説でも売れないと困るんです。いや、難しいのはわかってるんです、何しろどこへ持って行っても独創的すぎて相手にされないんですから」
「何? 独創的? ちょっと見てみましょうか。パラパラパラ…引退して悠々自適の主人公が年金窓口でいつも顔を合わせる若い美人の女性職員と親しくなって…『私、若い男性には魅力を感じないんです。中身がなくてコドモで。50歳ぐらい年上の人にキュンとするんです。ファザコンかなあ?』…老人と娘のラブロマンスね。定年退職して趣味で創作を始めた男性の半分はこのパターンを書いてくるんですよね〜。もう結構です」
「そうですか…やはり斬新すぎましたか」
「え? あ、まあ、そうですね」
「実は今日、別のを持って来たんです。設定からして違いますから、ぜひ!」
「しょうがないな〜。パラパラ…主人公は介護老人ホームの入居者で…若いケアスタッフの女性と恋に落ちる…彼女の頬が恥じらいの色に染まって…『これからはずっと、私だけにあなたのオムツを換えさせてください! キャッ、ついにいっちゃった!』…ですか。お返しします」
「ダメか。これも独創的すぎたんだな〜! ハア…」
「そう…かもしれません」
「そうだ、まだあるんです。新機軸で、ナースのコスプレやSMの登場する官能的な作品に仕上げました」
「時間ないんですけど、ちょっとだけ拝見…ベッドにうつ伏せになった彼の背後で彼女は大きな器具をかまえて…『この浣腸ならたいていの便秘は治るから辛抱してね』…あ、これ、病院の看護師と長期入院患者の老人の恋物語に発展するんですね。持って帰ってください」
「やっぱり独創的で斬新すぎますか…あ〜あ!」
「そう…いうことにしときましょうか」
「早く時代が私に追いついてくれないかな〜。あ、もう一つあった」
「ヒ〜ッ!」
後編に続く
ほな
三年与太郎 2018年4月23日 21:54
>>939
おおきに
では今日のお題は「小説家を目指す」ということで
ほな