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(株)SUMCO【3436】の掲示板 2018/08/21〜2018/08/28

>>809

さむ子の秘密 
自社株買いはありうるか①

業績見通しの最後は振出しに戻って、さむ子の資本政策と「自社株買いはありうるか?」です。結論は今期末とは断言できませんが、自社株買いする可能性は高いと思います。
株主の利益はもちろんですが、経営・資本戦略上も次のような理由があります。①日鉄やマテリアルからの完全自立の達成と安定個人株主の育成②2012年の増資など経営再建過程の清算③中期経営目標の自己資本比率50%、グロスD/Eレシオ0.5にほぼ到達④期間利益だけでなく、ポリシリコンの在庫圧縮によってキャッシュは増加し財務内容は今後も劇的に改善し財務上の不安はない。

①②は相互に関連しますが、機関の空売りや相場の循環という要因があるとはいえ、この間、さむ子の株の需給を悪化させた最大の要因は、元親会社であった新日鉄とマテリアルの持ち株解消でした。その結果、単純計算で5400万株ほどが市場に放出されました。また、現在の発行済み株数は2億9300万株ほどですが、さむ子の経営再建過程で発行済み株数は3500万株ほどが増加しています。さむ子の日鉄やマテリアルなどからの完全な自立は歓迎すべきことですし、過去最高業績の更新が可能となるまでに体力を回復させてきたさむ子はこれまでの負の遺産を一掃するだろうと思います。

③今期末には中期経営目標の自己資本比率50%、グロスD/Eレシオ0.5をほぼ到達する見込みです。2018年第2四半期決算では自己資本比率は48.1%、グロスD/Eレシオは0.6まで改善してきました。この間の有利子負債や自己資本比率の推移は次の通りです。
決算期 有利子負債 自己資本比率 D/Eレシオ(グロス)
2015年 1803億円       43.2% 0.9
2016年 1770億円(▲33億円)42.2% 0.8
2017年 1693育円(▲77億円)45.4% 0.7
2018年
第2四半期 1573億円(▲120億円)48.1% 0.6
通期試算  1453億円(▲120億円)52% 0.51
同コンセンサスによる試算      50% 0.52

さむ子の2017年度有価証券報告書の「連結借入金等明細」では、前年期末の1年以内返済予定の長期借入金は397億円。半期までに120億円返済しているので、通期で397億円を返済すると下半期の返済額は277億円(397-120=277)となりますが、実際は借り換えもあるので控えめに見積もって、下半期には上半期と同額の120億円を返済すると仮定して試算しました。一方自己資本は今期末に第2四半期比で、少数株主分と中間配当原資(88億円)を差し引いて私の試算では221億円、コンセンサスでも175億円程増加します。どちらで試算しても自己資本比率は50%を超え、グロスD/Eレシオも0.5程度になります。借金の返済額を増やせば、自己資本比率は上がり、グロスD/Eレシオは低下するので、中期経営目標の達成はさむ子の決断次第ということになります。また、さむ子は第1四半期決算説明会の骨子で「有利子負債の返済も実施する」とわざわざ強調したもの中期経営目標の早期達成を念頭に置いたものだと思います。

参考(第1四半期決算説明会骨子)
「将来的に増加が見込まれるキャッシュの使い道について」
・シリコン事業はまだまだ、成長の余地があるため多角化は考えていない
・従って、本業への研究開発に重点投資し、差別化を図る
・顧客の需要動向を見て過剰供給にならないように設備増強も実施する。
・有利子負債の返済も実施する

  • >>1031

    さむ子の秘密 
    自社株買いはありうるか② 続き

    ④これまでも指摘してきたことですが、なぜ、アナリストがさむ子のBS、特にポリシリコンの在庫について注目しないのか不思議なほどです。繰り返しになりますが、さむ子は10年前のリーマンショック前後に結んだ長期契約の結果、第2四半期末でシリコンウエハーの原料であるポリシリコンの在庫を現物と前払い済みの契約分を含めて1991億円分抱えています。これはさむ子の総資産の37%、有形固定資産(ウエハー生産用工場)の1.3倍、300㎜ウエハー11万枚の増設投資440億円の4.5倍というとてつもない在庫です。
    これがさむ子の財務上の大きな不安材料でしたが、(長期契約の満了によって)2016年度末をピークに減少に転じ、中長期的には適正水準に回復していきます。このことをSUMCOは有報や株主通信で何度も何度も強調しています。

    事実、2017年末から2018年第2四半期末までに、僅かですが在庫は20億円程減少しています。つまり在庫のポリシリコンを使って、ウエハーを生産すれば、するほど在庫は減少し、ポリシリコンがキャッシュ(現金)に順次置き換わり、この現金を有利子負債の返済などに充てれば、当期利益と相まって、さむ子の財務内容は劇的に改善することになります。しかも価格高騰になどによる原料不安もありません。

    第2四半期末でさむ子の現預金は670億円ほどあるので11万枚の増産投資も自己資金で行い、21年に予定しているグリーンフィールドでの増産投資も十分自己資金で賄うはずです。
    さむ子はポリシリコンの適正在庫量や今後の在庫の推移を開示していませんが、さむ子の製造原価明細などを見ると400~500億円もあれば十分だと想定されるので、在庫削減の結果1500億円程のキャッシュが生まれます。第2四半期までの在庫の減少量は20億円程度にとどまっていますが、どこかで急激に減少を始めると想定しています。

    年間600億円から700億円の当期利益と1500億円のキャッシュ。自社株買いや増配を行ってもさむ子の財務内容には何の不安もありません。