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郵政株売却、9月は困難に かんぽ問題で株価急落

経済 2019/7/30 23:00日本経済新聞 電子版
政府による日本郵政株の第3次売却は今冬以降となる公算が大きくなってきた。4月に売却方針を発表してから市場では最短で9月に売り出すとの見方が有力だったが、子会社のかんぽ生命保険による不祥事で株価は急落。このままでは政府が復興財源と見込む1.2兆円の売却額を手にできない公算が大きい。グループ経営の立て直しを待たざるを得ないようだ。
政府は2011年に起きた東日本大震災の復興財源として、郵政株売却で4兆円を確保する計画だ。法律では22年度が期限で、すでに2度の売却で約2.8兆円を調達した。今回の3次売却が最後となり、1.2兆円の売却額を見込んでいる。

45億株の発行済み株式のうち、現在の政府保有は約25億5900万株。第3次で約10億5900万株を売却し、発行済み株式の3分の1強へと保有比率を下げる。

「売却の時期などは株式市場の動向や経営状況を注視しながら検討していく」。麻生太郎財務相は7月の記者会見でこう語った。だが、郵政株は30日に前日比15円安の1063円となり、上場来安値を更新。1カ月の下落率は約13%に達した。

財務省は第3次売却で「復興財源1.2兆円は絶対に達成しないといけないゴール」としてきた。第3次売却は単純計算で1株1132円を上回らないとこの額を賄えない。ただ、売り出し価格は市場価格を下回る水準に設定しないと買い手は集まらない。

第2次売却は市場価格からの割引率を2%とした。今回も同じ率とすれば、最低で1155円を上回る必要がある。売却までに需給緩和を織り込んで下落しやすいことも考えると、1200円近い市場価格が求められる。