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日本郵政(株)【6178】の掲示板 2019/05/02〜2019/07/10

日本郵政、独り立ちへ正念場 合理化進まぬ郵便局網

郵政民営化が新たな段階に入る。政府は57%を保有する日本郵政株を秋にも追加売却し、持ち分を民営化法が定める下限の「3分の1超」にする。その分、市場の目は厳しくなるが、先に民営化したNTTや日本たばこ産業(JT)のような成長の道筋はみえていない。稼ぎ頭のゆうちょ銀行は低金利に苦しみ、維持費のかさむ郵便局網の合理化は見通せない。独り立ちへの正念場だ。

19日、広島市で開いた全国郵便局長会(全特)の総会は8000人近くが詰めかけ熱気に包まれた。この総会まで会長を務めた青木進氏が「郵便局は撤退する行政などの機能を担う。地方創生を阻害する規制の緩和に取り組みたい」と郵便局の業務拡大に意欲を示すと、自民党の森山裕国会対策委員長は「法律をつくる必要があれば努力しなければならない。地方創生を具体的に進めることが大事だ」と応じた。

公明党の山口那津男代表も「法制度が必要なら自民党と力を合わせ基礎を整えたい」と述べた。参院選を控え、集票力のある全特に配慮した発言が目立った。郵便局網の維持コストが話題になることはなかった。

郵便局に貯金の窓口業務や保険の販売をしてもらうため、ゆうちょ銀は年に6千億円、かんぽ生命保険は4千億円ほどの手数料を払っている。これが2万4000局の郵便局網を支える。

2019年3月期の郵政グループの連結純利益が4794億円と前の期から4%増えるなか、ゆうちょ銀は2661億円と25%減った。低金利で運用収益が減るゆうちょ銀に手数料は重くのしかかる。ゆうちょ銀では「手数料を下げたい」との声も漏れるが表立った検討に至っていない。

自民党の主導で昨夏に成立した議員立法に基づき、4月からは手数料の一部が郵便局網の維持費と明確に位置づけられて独立行政法人を経由して払う形になった。「合理化がますます遠のいた」との見方もある。

19年3月期に郵政グループの業績を支えた宅配便「ゆうパック」の好調が永続する保証はない。郵便局による自治体業務の受託は地方創生には役立つがもうけは少ない。