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【AUD】豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表の掲示板

「QE延長がなければ、豪ドルには受け入れられない上昇圧力がかかっていただろう」
(ロウRBA総裁)

 2月2日、オーストラリア準備銀行(RBA)は、政策金利のオフィシャルキャッシュレートと3年物国債利回りの目標を0.1%に据え置いた。そして、債券買い入れプログラムを4月中旬から1000億豪ドル増額し、少なくとも2024年まで金利を据え置くと表明した。
 インフレ率が目標レンジ(2-3%)内に収まるまで利上げを見送る方針も表明された。
 ロウRBA総裁は、国内経済の回復については全般的に楽観的な見方を表明しながらも、「理事会は目標が達成されるまで、非常に支援的な金融状況を維持することに依然としてコミットしている。雇用が大幅に増加し、労働市場が引き締まった状態に戻ることが必要となる。理事会は早くても2024年までこの条件が満たされないと予想している。インフレ目標を達成にするには賃金上昇率が現在の1.4%を大幅に上回る必要がある」と述べた。
 豪準備銀行(RBA)は、2020年11月から、コロナ禍対策と豪ドル高対策として、2021年4月までの6カ月間で1000億豪ドルの債券買い入れプログラムを導入した。
 オーストラリアの2020-21年度の国債発行額は1877億豪ドルだが、約半分をRBAが買い入れることになる。
 そして、RBAは、4月以降も1000億豪ドルの債券買い入れプログラムを継続することで、2021-22年度の国債発行額1440億豪ドルの大部分をRBAが買い入れることになる。
 ロウRBA総裁は、「政策金利はかなりの期間、低水準を維持する見込み。2024年のインフレ目標時期は後ずれする可能性もある。雇用確保と賃金上昇を達成するまで金融政策支援を継続する必要がある。QE延長がなければ、豪ドルには受け入れられない上昇圧力がかかっていただろう」と豪ドル高を牽制した。
 さらに、2月5日の半期に一度の議会証言では、経済見通しが改善しているものの、物価圧力の抑制で金利は「なおかなりの長期間」低水準にとどまるだろう、と述べた。

■豪準備銀行(RBA)金融政策報告
「2024年までは、失業率・インフレ率ともに目標に到達しない見込み」
「理事会は、景気を力強く支援する金融政策の維持にコミット」
「極めて大規模な金融支援を当面維持する必要がある」
「楽観的シナリオでも、基調インフレ率は2023年半ばまで引き続き2%を下回って推移」

■オーストラリアの失業率とインフレ率
【失業率】低下傾向
・2020年11月:6.8%
・2020年12月:6.6%
【インフレ率】上昇傾向
・2020年7-9月期:前年比+0.7%
・2020年10-12月期:前年比+0.9%

■豪準備銀行(RBA)政策金利
・2021年2月:0.1%
・2020年11月:0.1%
・2020年3月:0.25%
・2020年3月:0.50%
・2019年10月:0.75%
・2019年7月:1.00%
・2019年6月:1.25%