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【USD】ケース・シラー米住宅価格指数の掲示板

米債券市場でリフレ取引失速、実際のデータ待ちか-今週のCPI焦点

市場のインフレ期待指標は数年ぶりの高水準付近で失速
13日公表の3月の米CPI、前年同月比2.5%上昇が予想されている
米債券市場で2021年初めに支配的だったリフレ取引が一服し、投資家は今週発表される重要指標に備えている。景気回復につれて物価圧力が強まるとの見通しを再確認する可能性がある。

  焦点となるのは13日に公表される3月の米消費者物価指数(CPI)で、前年同月比2.5%上昇と予想されている。3月の数値は前年同月に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で大幅に落ち込んだ反動でゆがむ公算が大きいが、9日発表の米生産者物価指数(PPI)で市場予想を上回る伸びが示された際と同様、トレンド開始の印との受け止めが強まれば、トレーダーはインフレ加速を軽視する姿勢はとらない可能性がある。

  リフレに賭ける債券相場の弱気派には重要なタイミングだ。連邦準備制度の超金融緩和策と政府による大型財政出動を追い風に上昇してきた市場のインフレ期待指標は、数年ぶりの高水準付近で失速しており、まだ実際のデータで裏付けられてはいない。最近のピークから後退している利回り曲線の指標も同じだ。問題は債券ポジションだけではない。データの裏付けがなければ、米金融当局が2022年終盤にも引き締めに動くとの観測が薄れ、驚くほど回復力を見せるドルの需要を弱める可能性もある。

  バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの市場戦略責任者ダニエル・テネンゴーザー氏は、「リフレ取引の勢いが現時点で強くないのは、より多くのデータが待たれているためだ」と指摘。「データが入ってくれば、リフレ取引の動きが(年央に向けて)再び強まる状況になるだろう」と予想した。

  テネンゴーザー氏は、インフレ率がパンデミック定着前に見られた前年比CPIである2.5%に長くとどまるほど、「保有債券の市場価格が帳簿価格を大きく下回る」ため、今後のインフレ指標は毎回重視されると指摘した。