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ファイサーブ社が算出しS&P社が発表する指標で、全米主要10都市の一戸建て住宅の再販価格の変化を調査したものです。
米国内での住宅価格動向を見る上で一般的な指数と言われています。

米国の個人消費動向に大きな影響を与えると考えられ注目されています。

掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

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    hardWorker 4月13日 14:53

    短期金融市場、米政府債務上限の復活がさらなる頭痛の種に

    (ブルームバーグ): ドル建て資金調達市場は需要と供給をゆがめる多数の問題を既に抱えているが、これらの影響は米政府債務法定上限の復活が近づく中で強まるばかりとみられる。

    ドルの短期借入金利は、連邦準備制度の資産購入、財務省の政府預金残高圧縮、銀行預金からマネーマーケットファンドへのシフトの影響で、ゼロまたはマイナスになっている。 2019年に一時停止された政府債務の法定上限が7月末に再び適用されれば、財務省が法律上保有できる余剰現金額にも影響するため、こうした状況が悪化する恐れがある。

    財務省は現金残高を債務上限停止時の水準に近い約1200億-1300億ドル(約13兆2000億-14兆3000億円)へと現在の9240億ドルから減らすことを余儀なくされる。これは市場により多くの資金を流入させる。

    JPモルガン・セキュリティーズのストラテジストを務めるテレサ・ホー、 アレックス・ローバー、ライアン・レッシング3氏は現在の需給ギャップを約5850億ドルと推計しているが、これには拡大の余地がある。

    TDセキュリティーズのシニア米金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「どう計算しても、現金が多過ぎ、投資先が少な過ぎだ」と指摘。債務上限復活は「頭痛の種をさらに悪化させるだろう」と述べた。

    こうした特異な状況が長引くほど、米連邦準備制度は短期金利、特に実効フェデラルファンド(FF)金利の管理を維持するために介入することを余儀なくされる。当局は既に、翌日物リバースレポ(O/N・RRP)ファシリティーの仕組みの変更を通じて措置を講じているもようだ。

    米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月、翌日物RRPファシリティーのカウンターパーティー上限を300億ドルから800億ドルに引き上げるようニューヨーク連銀に指示した。これは短期金利がさらに下がるのを防ぐのに役立ち得る。

    同連銀のエグゼクティブバイスプレジデント、ロリー・ローガン氏は8日の講演で、マネーファンド業界からの幅広い参加を可能にするためにオペの資格要件を調整する可能性を示唆した。

    当局は超過準備の付利(IOER)か翌日物RRP金利、またはその両方を微調整することができる。ライトソンICAPのエコノミスト、ルー・クランドール氏は顧客向けリポートで、最新のFOMC議事要旨は当局が翌日物RRPを「現時点でIOERよりも重要な運用パラメーター」であると認識していることを示唆したと指摘した。ライトソンは翌日物RRPの当面の調整が2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、それはIOER調整の場合にも当てはまり、2つめの選択肢は3bpの調整と予想している。

    原題:Money Markets Brace for More Headaches Ahead of New Debt Limit(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 株式市場が耐えうる金利上昇ペースはどの程度?不安に振り回されない相場の見極め方

    新年度入りした4月の株式市場では、NYダウやS&P500が最高値を更新し、日経平均株価も再び3万円の大台をうかがう展開となっています。

    ◆優待株投資で1億6000万円、「株主優待生活」の極意

    米長期金利の上昇に対する警戒感は根強いものがありますが、新型コロナの感染の落ち着きと、ワクチン接種の広がりによる経済の正常化で、2021年以降に景気や企業業績が上向くシナリオは不変です。

    今回は、3月の日米金融当局の政策決定を振り返りながら、株式市場の見通しについて見ていきましょう。また、足元の金利と株価の関係についても解説します。

    3月のFOMCは無難に通過
    3月16、17日に開催されたFOMC(米国連邦公開市場委員会)では、政策金利の誘導目標を0~0.25%で据え置くことが決まりました。注目のFOMCメンバーによる経済見通しは、軒並み上方修正されたものの、足元の経済の回復は一様ではなく、完全回復からはほど遠いと認識されているようです。

    また、先行きの不確実性も残っていることから、金融緩和姿勢を継続することが妥当との判断が米金融当局によって示されました。それによって、早期の金融引き締め観測は後退し、株式市場でも一定の安心感が広がっています。

    FOMCメンバーによる経済見通しでは、2021年の経済成長率や物価の見通しが引き上げられるとともに、失業率の見通しも前回より改善しました。その結果、2023年の政策金利の見通しでは、メンバー18人のうち7人がゼロ金利の解除を予想しました(前回12月時点では5人)。

    さらに、2022年についてもゼロ金利解除を予想する人数は、前回の1人から、今回は4人に増えました。景気回復への期待のもとで、早期の金融正常化を見込む向きが増えつつあることは事実のようです。

    しかし、予測の中央値で見た水準では、2023年までのゼロ金利政策継続の見方に変化はありません。また、ゼロ金利解除(利上げ)の前に着手すると見られる量的緩和の縮小(テーパリング)についても、FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、まだ議論していないことを強調しています。

    金融当局による経済見通しの中では、物価上昇率が一時的にでも目標とする2%を超える予測が示されました。また、最近起きたような市場金利の急上昇に対して、有効な対処法は特に明らかにされていません。そういう意味では、今後も市場では金利上昇圧力がくすぶり続ける可能性があります。

    ただ、米金融当局としては、金融緩和政策の長期化を根気よくアピールしていくことで、雇用を含めた景気回復を支援し続けていくスタンスにあります。今回のFOMCに対する株式市場サイドからの見方としては、ひとまずポジティブと評価できるのではないでしょうか。

    目先は米長期金利の上昇がいったん落ち着くことで、ハイテク・成長株の不安定化は収まりそうです。一方で、経済正常化への期待で選好される景気敏感株への物色もしばらく続く公算があり、いずれかへの「決め打ち」は避けたいところです。

    市場参加者が大きな関心を寄せた3月のFOMCは、上述のとおり、金融緩和の長期化を確認するかたちで終わりましたが、今後一段と米国の景気回復が進むにつれて、株式市場は金利上昇バイアスと常に付き合っていくことになるでしょう。

    どの程度の金利上昇ペースなら株式市場は耐えうるのか
    株価と金利の関係を考える上で、決定的に重要なのは、予想PER(株価÷予想1株あたり利益:EPS)と実質金利の関係であると考えられます。実際、ここ数年は両者の(逆の)連動性が明白で、金利が上がるとPERが低下し(株価は下落)、金利が下がるとPERが上昇する(株価は上がる)関係にあります。

    S&P500の12ヶ月先予想PERの動きを米10年実質金利で説明した回帰分析(期間は2018年以降、直近まで)によって、予想PERの金利感応度を求めると、実質金利1%(100ベーシスポイント)の上昇で、予想PERがおよそ3倍(ポイント)下がるという結果が得られます。従って、実質金利が0.3%上昇すると、予想PERはおおむね1ポイント切り下がる計算となります。

    そもそも、米長期金利が上昇傾向にあるといっても、絶対的な水準は決して高くありません。10年国債利回りは1%台の半ば~後半ですし、10年実質金利は未だマイナス圏にあり、実体経済への影響は限定的と考えられます。

    それでも、金利上昇に対して株式市場が動揺を見せるのは、投資家が金利上昇のペース・速さに警戒感を示しているためと解釈されます。一般に、株価は、PERと利益(EPS)の掛け算によって求められます。そのため、仮に金利が急上昇してPERが急低下すると、例え業績(EPS)見通しが改善していても、その低下スピードに追いつけない(株価は下落する)ことがあります。

    では、どの程度の金利上昇ペースなら、株式市場は耐えうるのでしょうか。今の米国の業績予想の改善モメンタムは4週間で2%程度です(12ヶ月先予想EPSが4週間で2%増加しているという意味)。それと同じペースでPERが低下する分には、理屈上、株価への影響は中立に保たれることになります。

    現状、S&P500 の予想PERは22倍台の前半であり、その2%に相当するのは0.4~0.5ポイントです。予想PERを0.4~0.5ポイント低下させる実質金利の上昇幅は、先述の回帰分析に基づいて逆算すると、概算で15ベーシスポイント(0.15%)程度と求められます。

    つまり、業績(EPS)見通しが4週間で2%ほど切り上がる状況下なら、同じ期間に実質金利が0.15%程度、上昇したとしても、理屈上は株式相場へのマイナス影響を回避できることになるのです。

    日銀はETF購入方針見直しも影響は限定的か
    日銀は3月の金融政策決定会合において、ETF(上場投資信託)の購入方針を見直しました。従来、年間で原則6兆円、上限12兆円という目安を設けて、株価下落局面での購入が行われてきましたが、このたび「6兆円の原則」が削除されました。

    もともとETFの大量購入は、株式などのリスクプレミアムを引き下げることを目的に、2013年から始まった政策の一つですが、当時、12000円台にあった日経平均株価は今や3万円台に到達する状況下で、その役割は十分に果たされたとの見方が増えつつありました。

    最近では購入額も目に見えて減ってきており、市場関係者の多くも「出口」に近づきつつあることを薄々感じていたのではないでしょうか。そういう意味では、日銀と市場との間で十分な意思疎通が成り立っていたといえるのかもしれません。

    「原則」は廃止となったものの、日銀によるETF購入の枠組み自体は残っています。そのような株価急落時におけるセーフティネットを残しながらの原則の削除は、株式市場へのマイナス影響を限定的なものにすると考えられます。

    より重要な視点は、業績改善の方向性であると考えられます。景気に敏感な企業の割合が高いといわれる日本市場では、世界的な景気回復期待を背景に、12ヶ月先までの予想利益が顕著な改善傾向を見せています。

    4週前と比較した12ヶ月先予想EPSの伸びは直近(4/1)で3%を超えており、米国を上回る勢いを見せています。日本の予想EPSの伸び率が米国を上回る状況は、昨秋以降、頻繁に見られるようになってきており、日本企業の業績改善度合いの強さがうかがえます。景気敏感業種を先導役に、米国株に対する日本株の優位性が、今後、鮮明になる可能性もあります。

    市場金利の上昇ペース加速や金融政策方針の急転換がない限りは、ファンダメンタルズの改善に支えられた株価上昇は継続する可能性が高いと見るべきでしょう。一時の相場不安に振り回されるのではなく、より本質的な部分に目を向けた上で、冷静な対応を心掛けたいところです。

    壁谷洋和(大和証券 チーフグローバルストラテジスト)

  • 米国では米国債金利と物価の両安定で、日本マネーによる米国債投資が重みを増している。

    米バイデン政権による相次ぐ大型経済対策と米国債の増発、財源としての増税の議会審議遅延リスク、米中の新冷戦を受けた中国による米国債保有の影響度軽減、米新政権による対日本政策での「負担の共有」方針などで、同盟国・日本による米国債購入は政治的・政策的な意味合いが大きくなってきた。米国では短期的ながらもインフレが上昇しており、米政権が重視する低所得者配慮で、適度なドル高と物価抑制は重要になってきた。

    「米国では米国債の大量増発と短期的なインフレ上昇圧力により、米国債の安定消化(金利上昇抑制)と物価安定に向けて、近くイエレン米財務長官がドル高政策を一段と明確にさせる可能性がある」。
    米金融当局とネットワークを有する米国系金融機関の幹部は、このような指摘を行う。

    すでにイエレン氏は1月の指名承認公聴会で、「通貨の価値は市場が決定すべきだ」と述べ、競争上の優位性を得るためドル安を求めることはしないと明言した。その後はイエレン氏のみならず、パウエルFRB議長などFRB幹部も、米国債金利の上昇に関して「景気回復期待の表れ」と静観している。米金利上昇という市場原理を通じた2月以降のドル高については、「米財務省とFRBともに現状は容認」という見立てが成り立つ。

    その中で米国での金利と物価の両安定に向けて、同幹部は「米国の同盟国である日本の投資家による米国債の購入持続と拡大は、米国の政治的・政策的に意味合いが大きくなっている」という見方を示す。

    背景としては、1)米国では今後の経済雇用対策に関し、財源を米国債から増税にシフトしていくが、増税は野党・共和党の抵抗が大きく、議会審議の遅延が想定される(米国債発行への依存持続)、2)米国は「同盟国との共闘による中国封じ」に着手しているが、中国による米国債保有の影響度軽減に向けて、同盟国・日本による米国債保有の肩代わり増加は重要さを増す、3)米バイデン政権の対日本政策では、安保面などで「負担の共有」方針を打ち出している、といった要因がある。

    このうち「負担の共有」については、米国での財政赤字拡大と米国債増発は米国の駐日米軍維持や、中国や北朝鮮の脅威と台湾有事などに対する米国の対アジア安保負担も含まれている。米国内での景気対策は、米国内での現地ビジネスや米国向け輸出を展開している日本企業、ひいては日本経済にもプラスの恩恵をもたらす。
    ちょうど日米同盟に関しては、菅義偉首相が15−18日に米国を訪問し、16日にバイデン米大統領と初の首脳会談を行う。直接的に米国債や為替の問題は協議されないが、「日本にとっては、間接的に円高・デフレの阻止などを一段と固める信頼関係構築の好機」(同幹部)となってきた。

    米国では金利上昇が経済や株価動向の大きな脅威となるなか、その金利を左右する存在として日本マネーの注目度が高まっている。米ウォールストリート・ジャーナル紙は4月1日、「米国債利回り急上昇、背後に日本勢の大口売り」と報じたばかりだ。

    「足元の米国債利回りの急上昇は、米経済が回復した後でもFRBが低金利を維持できるかどうかを試しているように見える。だが、アナリストや投資家によれば、水面下で他の要因も米国債売りを加速している。その一つが、年度末の投資リターン確定を急ぐ日本の投資家が巨額の米国債を売却していることだ。日本の銀行や保険会社は、2月の世界的な売りに拍車をかけたとみられる。3月31日の年度末に向けて、投資リターンを確定させる動きが活発化したからだ」(同紙)。

    もっとも米国にとって日本マネーの安定確保が重要性を増しているとはいえ、現在の米政権はイエレン財務長官が「市場重視の為替政策」を掲げている。間接的にせよ、ドル/円の安定化やドル高・円安につながるような日米間の明確な政策協調は見込み難い。

    一方で日本の菅首相(自民党総裁)は現在、9月の自民党総裁選や10月任期までの衆院総選挙に向けて、コロナ打撃からの景気回復やデフレ阻止を希求している。あくまで市場主導の結果として、日本の投資家による米国債投資の増加とドル/円の安定化、一定のドル高・円安につながる方向性は、現在の日米間で政治的・政策的に一定の利害は一致している。

    日本の菅首相は2012年に安倍前政権で官房長官に就任して以降、デフレ完全脱却と過度な円高の阻止には強いこだわりを堅持させてきた。今年2月15日には衆院予算委員会で「特に気にしている経済指標」を問われ、「米国の株価や日本の株価も見るが、基本的に為替については注視している」と明言している。

    加えて現在の米国では、短期的ながらインフレ圧力が上昇している。それでもFRBは、雇用の完全回復まで超金融緩和策を長期化せざるを得ない。その中で輸入物価などの押し下げにつながる適度なドル高は、政治的・政策的に重要度が高まってきた。
    しかも現在のバイデン政権は最優先課題として、格差配慮を掲げている。物価上昇は低所得者層への打撃が大きく、政治的に目配りが求められてくる。

    ブルームバーグによると、米国の週間ランガー消費者信頼感指数・所得階層別では、最新3月28日週に所得が低めの年間2.5万−3.99万ドルの層が37.3となった。前週の38.7から低下し、2月28日週の43.4を最高として物価上昇打撃などを受けた切り下がりが見られている。
    反対に高所得者の7.5万−9.9万ドルは60.5(前週59.5)、5万−7.4万ドルは61.9(59.6)と高水準が維持された。物価上昇による格差への悪影響が示唆されている。

    市場原理による日本からの米国債投資については、金利面で一定の魅力が付与されつつある。米国での相次ぐ経済対策とコロナワクチンの接種拡大、それに伴う米国経済の成長拡大余地は、現状段階から米長期債などのドル資産とドルの押し目買い要因となり得る。米国では一部ヘッジファンドの損失などを受けてバブル過熱が警戒されるなか、先行きバブル調整リスクに備えたヘッジ対応として、「安全資産」である米国の長期国債には一定の需要余地がある。

    もちろん、FRBによる短期ゼロ金利政策は長期化が見込まれるため、日本勢による外債投資は引き続きヘッジコストが安い為替ヘッジ付きが中心だ。それでも5月の大型連休明けにかけて本格化していく新年度明けの外債投資では、米国債の価格面とドルの再下落局面で、押し目買いによる「為替ヘッジなし」米国債投資も部分的に注視される(為替ヘッジは一定のドル高進展後に対応など)。

  • 米国債、次の動きは上昇か下落か-強気派と弱気派が論戦

    (ブルームバーグ): 数十年にわたる米国債の強気相場が終わったという主張は最近ではよく聞かれる。しかし、四半期ベースで1980年以降最悪となった相場の反発を予想する向きもある。その結果、すべての資産クラスに大きな影響を与える米国債市場の行方を巡る議論は、激しさを増すばかりだ。

    三菱UFJ国際投信やノーザン・トラスト・アセット・マネジメントのような強気派もいれば、ヤルデニ・リサーチやピクテ・アセット・マネジメントのような弱気派も存在。リットホルツ・ウェルス・マネジメントのベン・カールソン氏のようにどちらでもなく、大きなトレンドの時代は本質的に終わったと考える投資家もいる。

    強気派

    ◎三菱UFJ国際投信の加藤章夫戦略運用部長

    10年債利回り1.7%は潜在的な米景気回復を織り込んでおり、ピークかもしれない。米連邦準備制度は少なくとも2023年末までは利上げをしないと示唆しているが、市場はより早い利上げを見込んでいる。経済見通しに対する市場の認識が当局の認識に近づけば、10年債利回りは1.5%程度に下がる可能性がある

    ◎ノーザン・トラスト・アセット・マネジメントの短期債ディレクター兼クレジット調査責任者、ピーター・イ氏

    米10年債利回り1.7%前後はS&P 500種株価指数の予想配当利回り1.5%弱との比較で悪くはない。金利が高くなり過ぎるとリスク資産と経済への打撃となるため、金融当局はそれを阻止するだろう。

    ◎パインブリッジ・インベストメンツのクレジットおよび債券グローバル責任者、スティーブン・オー氏

    米国と世界の両方でインフレ低めの環境が続くと考える。成長は新型コロナウイルス禍の後に回復するが、大幅な利回り上昇を引き起こすほどの加速はないだろう。

    弱気派

    ◎QICのグローバル流動性戦略担当マネジングディレクター、スーザン・バックリー氏

    市場がワクチン接種の進展、特に米国での成功に自信を深めるにつれて、経済活動で想定外の上振れが続く。債券利回りはここからさらに上昇する。10年債利回りの年内2%突破があるとみている。

    ◎ヤルデニ・リサーチ創業者のエド・ヤルデニ氏

    10年債利回りは数カ月以内に2%に達する可能性があり、来年末までには3%かそれ以上になると予想。経済の並外れた強さとインフレ圧力の高まりを考えると、より高い利回りは理にかなっている。米国のワクチン接種進展と経済対策によって、実質国内総生産(GDP)はパンデミック前の水準を回復する可能性がある。

    ◎ピクテ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、ルカ・パオリーニ氏

    インフレ期待ばかりでなく、インフレ指標が上向き始めているリスクが懸念材料だ。米金融当局に行動を迫る可能性がある。ある時点で消費の重しになる恐れもある。インフレが想定外に上振れする本物のリスクがある。

    ◎ルーミス・セイレスのポートフォリオマネージャー、エレーン・ストークス氏

    10年年債利回りが向こう1、2年に約20-50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇すると予想。

    ボラティリティー上昇予想

    ◎リットホルツの機関投資家向け資産運用担当ディレクター、ベン・カールソン氏

    われわれは皆、大きな長期のサイクルがあると信じ込まされているが、今後は利回りが時々上昇すると投資家が戻ってきて利回りが元に戻るという短期のサイクルになるかもしれない。それが新しい形だ。

    原題:The Debate Over the Next Move in Bonds Has Never Been Fiercer(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 米債券市場でリフレ取引失速、実際のデータ待ちか-今週のCPI焦点

    市場のインフレ期待指標は数年ぶりの高水準付近で失速
    13日公表の3月の米CPI、前年同月比2.5%上昇が予想されている
    米債券市場で2021年初めに支配的だったリフレ取引が一服し、投資家は今週発表される重要指標に備えている。景気回復につれて物価圧力が強まるとの見通しを再確認する可能性がある。

      焦点となるのは13日に公表される3月の米消費者物価指数(CPI)で、前年同月比2.5%上昇と予想されている。3月の数値は前年同月に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で大幅に落ち込んだ反動でゆがむ公算が大きいが、9日発表の米生産者物価指数(PPI)で市場予想を上回る伸びが示された際と同様、トレンド開始の印との受け止めが強まれば、トレーダーはインフレ加速を軽視する姿勢はとらない可能性がある。

      リフレに賭ける債券相場の弱気派には重要なタイミングだ。連邦準備制度の超金融緩和策と政府による大型財政出動を追い風に上昇してきた市場のインフレ期待指標は、数年ぶりの高水準付近で失速しており、まだ実際のデータで裏付けられてはいない。最近のピークから後退している利回り曲線の指標も同じだ。問題は債券ポジションだけではない。データの裏付けがなければ、米金融当局が2022年終盤にも引き締めに動くとの観測が薄れ、驚くほど回復力を見せるドルの需要を弱める可能性もある。

      バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの市場戦略責任者ダニエル・テネンゴーザー氏は、「リフレ取引の勢いが現時点で強くないのは、より多くのデータが待たれているためだ」と指摘。「データが入ってくれば、リフレ取引の動きが(年央に向けて)再び強まる状況になるだろう」と予想した。

      テネンゴーザー氏は、インフレ率がパンデミック定着前に見られた前年比CPIである2.5%に長くとどまるほど、「保有債券の市場価格が帳簿価格を大きく下回る」ため、今後のインフレ指標は毎回重視されると指摘した。

  • 米国では米国債金利と物価の両安定で、日本マネーによる米国債投資が重みを増している。

    米バイデン政権による相次ぐ大型経済対策と米国債の増発、財源としての増税の議会審議遅延リスク、米中の新冷戦を受けた中国による米国債保有の影響度軽減、米新政権による対日本政策での「負担の共有」方針などで、同盟国・日本による米国債購入は政治的・政策的な意味合いが大きくなってきた。米国では短期的ながらもインフレが上昇しており、米政権が重視する低所得者配慮で、適度なドル高と物価抑制は重要になってきた。

    「米国では米国債の大量増発と短期的なインフレ上昇圧力により、米国債の安定消化(金利上昇抑制)と物価安定に向けて、近くイエレン米財務長官がドル高政策を一段と明確にさせる可能性がある」。
    米金融当局とネットワークを有する米国系金融機関の幹部は、このような指摘を行う。

    すでにイエレン氏は1月の指名承認公聴会で、「通貨の価値は市場が決定すべきだ」と述べ、競争上の優位性を得るためドル安を求めることはしないと明言した。その後はイエレン氏のみならず、パウエルFRB議長などFRB幹部も、米国債金利の上昇に関して「景気回復期待の表れ」と静観している。米金利上昇という市場原理を通じた2月以降のドル高については、「米財務省とFRBともに現状は容認」という見立てが成り立つ。

    その中で米国での金利と物価の両安定に向けて、同幹部は「米国の同盟国である日本の投資家による米国債の購入持続と拡大は、米国の政治的・政策的に意味合いが大きくなっている」という見方を示す。

    背景としては、1)米国では今後の経済雇用対策に関し、財源を米国債から増税にシフトしていくが、増税は野党・共和党の抵抗が大きく、議会審議の遅延が想定される(米国債発行への依存持続)、2)米国は「同盟国との共闘による中国封じ」に着手しているが、中国による米国債保有の影響度軽減に向けて、同盟国・日本による米国債保有の肩代わり増加は重要さを増す、3)米バイデン政権の対日本政策では、安保面などで「負担の共有」方針を打ち出している、といった要因がある。

    このうち「負担の共有」については、米国での財政赤字拡大と米国債増発は米国の駐日米軍維持や、中国や北朝鮮の脅威と台湾有事などに対する米国の対アジア安保負担も含まれている。米国内での景気対策は、米国内での現地ビジネスや米国向け輸出を展開している日本企業、ひいては日本経済にもプラスの恩恵をもたらす。
    ちょうど日米同盟に関しては、菅義偉首相が15−18日に米国を訪問し、16日にバイデン米大統領と初の首脳会談を行う。直接的に米国債や為替の問題は協議されないが、「日本にとっては、間接的に円高・デフレの阻止などを一段と固める信頼関係構築の好機」(同幹部)となってきた。

    米国では金利上昇が経済や株価動向の大きな脅威となるなか、その金利を左右する存在として日本マネーの注目度が高まっている。米ウォールストリート・ジャーナル紙は4月1日、「米国債利回り急上昇、背後に日本勢の大口売り」と報じたばかりだ。

    「足元の米国債利回りの急上昇は、米経済が回復した後でもFRBが低金利を維持できるかどうかを試しているように見える。だが、アナリストや投資家によれば、水面下で他の要因も米国債売りを加速している。その一つが、年度末の投資リターン確定を急ぐ日本の投資家が巨額の米国債を売却していることだ。日本の銀行や保険会社は、2月の世界的な売りに拍車をかけたとみられる。3月31日の年度末に向けて、投資リターンを確定させる動きが活発化したからだ」(同紙)。

    もっとも米国にとって日本マネーの安定確保が重要性を増しているとはいえ、現在の米政権はイエレン財務長官が「市場重視の為替政策」を掲げている。間接的にせよ、ドル/円の安定化やドル高・円安につながるような日米間の明確な政策協調は見込み難い。

    一方で日本の菅首相(自民党総裁)は現在、9月の自民党総裁選や10月任期までの衆院総選挙に向けて、コロナ打撃からの景気回復やデフレ阻止を希求している。あくまで市場主導の結果として、日本の投資家による米国債投資の増加とドル/円の安定化、一定のドル高・円安につながる方向性は、現在の日米間で政治的・政策的に一定の利害は一致している。

    日本の菅首相は2012年に安倍前政権で官房長官に就任して以降、デフレ完全脱却と過度な円高の阻止には強いこだわりを堅持させてきた。今年2月15日には衆院予算委員会で「特に気にしている経済指標」を問われ、「米国の株価や日本の株価も見るが、基本的に為替については注視している」と明言している。

    加えて現在の米国では、短期的ながらインフレ圧力が上昇している。それでもFRBは、雇用の完全回復まで超金融緩和策を長期化せざるを得ない。その中で輸入物価などの押し下げにつながる適度なドル高は、政治的・政策的に重要度が高まってきた。
    しかも現在のバイデン政権は最優先課題として、格差配慮を掲げている。物価上昇は低所得者層への打撃が大きく、政治的に目配りが求められてくる。

    ブルームバーグによると、米国の週間ランガー消費者信頼感指数・所得階層別では、最新3月28日週に所得が低めの年間2.5万−3.99万ドルの層が37.3となった。前週の38.7から低下し、2月28日週の43.4を最高として物価上昇打撃などを受けた切り下がりが見られている。
    反対に高所得者の7.5万−9.9万ドルは60.5(前週59.5)、5万−7.4万ドルは61.9(59.6)と高水準が維持された。物価上昇による格差への悪影響が示唆されている。

    市場原理による日本からの米国債投資については、金利面で一定の魅力が付与されつつある。米国での相次ぐ経済対策とコロナワクチンの接種拡大、それに伴う米国経済の成長拡大余地は、現状段階から米長期債などのドル資産とドルの押し目買い要因となり得る。米国では一部ヘッジファンドの損失などを受けてバブル過熱が警戒されるなか、先行きバブル調整リスクに備えたヘッジ対応として、「安全資産」である米国の長期国債には一定の需要余地がある。

    もちろん、FRBによる短期ゼロ金利政策は長期化が見込まれるため、日本勢による外債投資は引き続きヘッジコストが安い為替ヘッジ付きが中心だ。それでも5月の大型連休明けにかけて本格化していく新年度明けの外債投資では、米国債の価格面とドルの再下落局面で、押し目買いによる「為替ヘッジなし」米国債投資も部分的に注視される(為替ヘッジは一定のドル高進展後に対応など)。

  • アングル:米長期金利の上昇一服、ドルや株の騰勢も止まるか

    [東京 9日 ロイター] - 米国の長期金利が低下に転じている。財政政策の材料がいったん出尽くしとなったほか、過度な金融正常化の織り込みが修正されているためだ。景気回復期待がはく落したわけではないものの、米金利上昇に連動して騰勢を強めていた円金利や、ドル、株価の勢いが落ちるのか注目されている。

    米国の長期金利が低下に転じ、米金利上昇に連動して騰勢を強めていた円金利や、ドル、株価の勢いが落ちるのか注目されている。

    <米景気回復は「デフォルト」に>

    米10年国債利回りは3月30日に1.776%を付けた後、足元で1.62%台まで低下。昨年末の0.912%から上昇してきたが、いったん天井を付けたとの見方も聞かれるようになってきた。

    要因の1つは、米国の景気回復が、相場の大前提(デフォルト)として組み込まれてしまったことだ。株価や金利が昨年秋以降、上昇する中で、米景気回復は「当たり前」の材料となってしまった。3月の米雇用統計やISM景気指数など非常に強い経済指標が相次いでいるが、マーケットがほぼ無反応なのは、このためだ。

    財政政策の材料出尽くしもある。バイデン政権の追加経済対策は1.9兆ドルと市場の想定を超える規模となったが、3月までの金利上昇の過程でそれも織り込まれた。インフラ計画はまだ議論の最中だが、増税が財源の中心になる見通しであることから、国債増発懸念も後退している。

    米金融正常化の織り込みも低下している。FRB(米連邦準備理事会)の高官からハト派発言が続いていることに加え、原油価格の上昇が止まり、インフレ懸念が落ち着いてきている。FF金利先物市場が織り込む2022年末のFF金利は5日の0.31%から8日は0.26%に低下した。

    「現時点では打診買いの範囲内かもしれないが、金利上昇リスクが低下したとみれば、機関投資家は買いに動きやすくなる。材料出尽くしとなり、インフレ懸念が低下する中、米長期金利はいったんピークアウトした可能性が大きい」と、野村証券のチーフ金利ストラテジスト、中島武信氏は指摘する。

    <同時上昇してきたドルと株>

    米株をはじめグローバル株価は昨年秋以降、米長期金利に連動して上昇してきた。金利上昇の要因が景気回復期待であったためだ。急激な金利上昇が短期的な株価の調整材料となる場面もあったが、トレンドを損ねることなく、同時上昇が続いてきた。

    景気回復期待が後退したことが金利低下要因ではないとはいえ、景気回復や企業業績拡大が株式市場でも「デフォルト」として織り込まれたとすれば、新規の株高材料は見つけにくくなる。一方、早期の金利引き締め懸念が後退することは株価にプラスだ。金利低下はハイテクなどグロース株には追い風となる。

    ドルも最近のドライバーが米長期金利の上昇だっただけに、金利上昇一服となればドル高の勢いは低下する可能性がある。円金利も米金利に連動して上値が重くなったとしても、米金利の方が低下スピードは通常速いため、日米金利差は縮小し、対ドルで円高圧力がかかりやすくなる。

    さらに、今後は「米国一強」の構図に変化が出てくるかもしれない。米景気の回復期待が強かったのは、新型コロナワクチンの普及スピードが速かったためだ。「各国でワクチンが普及する中で、景気回復期待が米国以外で強まれば、ドル需要も相対的に減少する」と、三井住友銀行のチーフ・マーケット・エコノミスト、森谷亨氏は予想する。

    <米金利再上昇の見方も>

    一方、米長期金利の上昇期待が消えたわけではない。「いまは短期的な調整。年後半にかけて米国の実体経済が実際に回復し、インフレ懸念が強まれば、金融正常化懸念が再び強まる」(アライアンス・バーンスタインの債券運用調査部長、駱正彦氏)との見方は根強い。

    今後のポイントはインフレだとみられている。新型コロナの変異種拡大は警戒されるものの、ワクチン普及に伴う景気回復期待は崩れにくい。一方、インフレ懸念はいったん沈静化しているものの、実際の景気回復がこれから始まるとすれば、サービスを含めた需給の変化で再燃しやすい状況が続く。

    シティグループ証券のチーフエコノミスト、村嶋帰一氏によると、ホテル代や航空運賃、衣料の3品目は需要の回復で価格が今後上昇するが、自動車や家電などはすでに価格が上昇しており、今後は横ばいで推移する見通しだ。「需給ギャップからみても、インフレ率は1.8%程度で持続的に2%を上回るのは難しい」という。

    FRBは物価が2%を上回ることを一時的であれば容認する姿勢を示しており、早期の金融正常化懸念は強まらない可能性も大きい。

    ただ、米長期金利は上昇が一服しているとはいえ、水準はコロナ前に戻っている。「低水準からの上昇であれば金利の影響は小さいが、経済の実力以上のレベルになってくると株式などリスク資産を圧迫するようになる」と、バンク・オブ・アメリカのチーフFX・株式ストラテジスト、山田修輔氏は指摘する。

    今後、米長期金利が再上昇した場合、これまで以上にマーケットの警戒感が強まる可能性がありそうだ。

  • 米国債利回り、今後は実質金利上昇が押し上げか-成長期待の高まりで

    (ブルームバーグ): 長期米国債利回りの次の上昇要因は、実質金利となる可能性がある。実質金利は成長見通しに関する債券市場の見方を最も純粋に反映する指標の一つだ。

    2日発表の3月の米雇用統計では雇用者数が大幅に増加したほか、米供給管理協会(ISM)が発表した3月の非製造業総合景況指数は統計史上最高になるなど、力強い経済指標の発表が相次いだ。これを受け、米国債相場を今後支配するのはインフレではなく、成長期待になるとの見方が強まっている。

    この違いは重要だ。実質金利の上昇は、景気回復の勢いが強まっていると投資家がみていることを示唆するが、上昇が続けば株式を含む他の資産に悪影響を及ぼしかねない。成長が極めて力強いため米金融当局が政策引き締めへの第一歩として資産購入縮小を検討し始めると市場が考えていることを示唆するため、比較的リスクの高い資産が打撃を受け始める可能性がある。

    実質利回り上昇はリスク資産にとって黄信号-株式などが競争に直面も

    10年物インフレ連動債(TIPS)が示す米実質利回りは約マイナス0.67%と、2020年半ば以来の高水準近くとなっており、昨年9月に記録した過去最低水準のマイナス1.12%から上昇している。

    ウォール街のストラテジストの大半は、米金融当局が利上げする前に債券購入縮小を検討し始めるとみている。これは過去に実質金利が上昇するきっかけとなった動きだ。

    13年1月に約マイナス0.6%だった実質10年債利回りは、米金融当局が資産購入の縮小を開始する方針を示した同年12月までにプラス0.76%になった。

    パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は米金融当局が6月に債券購入縮小の議論を始める可能性があると指摘。モルガン・スタンレーは米金融当局が債券購入のテーパリング(段階的縮小)プログラム開始を来年1月に発表すると予想している。

    ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアイラ・ジャージー氏とアンジェロ・マノラトス氏は、「景気見通し改善の中で米金融当局による緩和縮小が見込まれれば、資産購入縮小の開始前に10年物TIPS利回りはプラスに転じる可能性がある」と指摘した。

    原題:U.S. Yields’ Trek Higher Seen Getting Fuel From Real Rates (1)(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 【コラム】ダイモン氏「米債の価格正当化は難しい」の真意-チャパタ

    (ブルームバーグ): 米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は株主への年次書簡に、「米債の価格を正当化するのは難しい」と記した。同氏は「ほとんどの人が10年物米国債を米債の代表格だと考える」と注釈を付けており、その10年物米国債の利回りは現在1.66%前後。

    ダイモン氏は以下のように書いている。

    もっとも、ニューヨーク連銀の研究者らは今週のブログで、今後数年の米成長に「過剰貯蓄が主要な原動力の一つになることはないだろう」との見方を示しているし、インフラ法案はまだ議論されている段階だ。ダイモン氏も「急拡大するであろうことは」や「続くことは十分可能だ」という言い回しで確言を避けている。

    プライマリーディーラーの1社を率いるダイモン氏は、誰が米国債を購入するかについても問い掛けている。2兆2000億ドル(約240兆円)の米国債が市場にあふれると見積もり、多くの機関投資家は買い続けるしかないが、リスク回避を望む投資家は買わないかもしれないと指摘。「そうした買い手は、米国債の長期的かつ持続的な価値に不安を抱けば代替の資産を探すだろうし、見つけるだろう」と記述。さらに、米国のインフレ率は既に1.7%になっていると指摘している。

    しかし、書簡は代替投資先の具体的な例を挙げていない。2月の悲惨な7年債入札は記憶に新しいが、米国債を敬遠する広範な動きの兆候はほとんどない。インフレ調整後の利回りがマイナスなのも目新しい現象ではない。10年物の実質利回りは11年後半から13年半ばまでマイナスだったし、15、26、19年にも一時的にゼロを下回った。

    ダイモン氏の書簡でもう一つ目立ったのは「ゴルディロックス」という言葉だ。同氏は、ゴルディロックス状態を「持続的な高成長、緩やかに上昇するインフレ(ただしあまり大きくは上昇しない)、上昇する金利(しかしあまり大幅ではない)」と定義している。しかしダイモン氏はここでも「ただし書き」を付ける。

    それでも、ダイモンの論調はブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏とは異なる。「債券と大半の金融資産への投資の経済学はばかげたものになった」と先月発言したダリオ氏は、米国が「資本主義と資本主義者にとって住みにくい場所になるかもしれない」と論じた。ダイモン氏は米国の政治的機能不全を指摘することを辞さないが、「より強く、より平等な国家を作り上げることが可能だ」という楽観を堅持する。

    従って、米国債の価値についてのダイモン氏の警鐘は、ドルに対してネガティブな見方をするダリオ氏とは異なる。ダイモン氏は米経済が連邦準備制度の目標に到達すると考えている。それは当局の想定より早い可能性すらある。物事が期待通りに進むことはまれだが、ダイモン氏のゴルディロックスシナリオは応援する価値がある。

    (ブライアン・チャパタ氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

    原題:Jamie Dimon’s Bond Warning Isn’t Like Dalio’s: Brian Chappatta(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 資産家ノボグラーツ氏が米国債をショート、フェイスブック株購入

    (ブルームバーグ): 資産家で投資家のマイク・ノボグラーツ氏は、暗号資産(仮想通貨)の台頭から恩恵を受けるために米フェイスブックの株を購入したほか、米当局が金融支援策を撤回するリスクに対するヘッジとして5年物米国債をショートにしていると明らかにした。

    ギャラクシー・デジタル・ホールディングスの最高経営責任者(CEO)を務めるノボグラーツ氏は、6日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで「私は多くの金利をショートにしている」と指摘。 「私にとってイールドカーブの5年部分をショートにすることは、仮想通貨であるかないかを問わず、いかなるポートフォリオにとっても大きなヘッジだ」と述べた。

    ノボグラーツ氏はゴールドマン・サックス・グループの元パートナーで、フォートレス・インベストメント・グループにマクロヘッジファンドのトレーダーとして勤務した後、現在は仮想通貨マーチャントバンクを運営している。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、ビットコインやイーサなどデジタル通貨の上昇を受け、同氏の資産は50億ドル(約5500億円)を超えている。

    ブルームバーグに対しノボグラーツ氏は、世界各国・地域の中央銀行がシステムに巨額の資金を投入しているという同一の中心的テーマのため、資産価格が上昇していると指摘。新型コロナウイルスワクチン接種の成功や雇用の急回復で成長が爆発的に上昇した場合、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、夏のカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)までに「尻込み」し、資産購入のテーパリング(段階的縮小)を選ぶ可能性があると述べた。

    ノボグラーツ氏のもう一つの賭けはフェイスブックだ。同氏はフェイスブックが今四半期にデジタルウォレット「Novi(ノビ)」を導入すると期待して同社株を購入したと述べた。

    原題:Billionaire Novogratz Is Shorting Rates, Bought Facebook (1)(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 米国債利回りの落ち着きは短命か、長期債ETFの空売り残高が急増

    (ブルームバーグ): 米国債利回りが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の高水準付近にとどまって失速する中、市場の静けさは短命に終わるとの見方が浮上している。

    IHSマークイットのデータによると、米国債上場投資信託(ETF)の「iシェアーズ米国債20年超ETF」(ティッカー TLT)は、空売り残高が発行済み口数の約2割に増加し、2017年早々以来の高水準に達した。21年初め時点では7%だったが、同ファンドが年初以降に13%値下がりする中で、空売りが増加した。

    TLTに打撃を与えた債券売りは小休止したもようで30年債利回りはここ1カ月の大部分2.4%前後で推移しているものの、空売り残高の急増は、市場の落ち着きが長続きしないとの見方を示唆している。プリンシパル・グローバル・インベスターズによると、市場が明るさを増す経済成長見通しを積極的に織り込んだことから、債券利回りは既に「大幅に」動いているが、今後数カ月の経済指標の発表を受けて市場に混乱が戻る可能性は高い。

    プリンシパルのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は「この穏やかな期間は短命に終わる公算が大きい」と述べ、 「投資家は今年いっぱい、インフレ率と成長率が高まる環境に繰り返し向き合うだろう。強い経済指標やインフレ指標が投資家を再び不安にさせ、ボラティリティーを高める」と予想した。

    TLTからは今年これまでに約26億ドル(約2800億円)が引き揚げられており、このペースが続けば今年は02年の運用開始以来最大の資金流出となる。経済成長見通しの上方修正やインフレ期待の高まりがTLTのようなデュレーション(平均回収期間)長めのファンドの足を引っ張っている。

    米国債市場のボラティリティーを示すICE・BofA・MOVE指数は2月下旬に11カ月ぶりの高水準の76を付けた後、62前後に低下している。債券市場は「持ち合い」の状態にあると指摘するリチャード・バーンスタイン・アドバイザーズ(RBA)のマイケル・コントプロス氏は、「次の動きは、単なる改善見通しを超えた実際のインフレ率上昇という確かなデータで決まる。今年と来年はボラティリティーの上昇と金利上昇傾向を見込むべきだろう」と述べた。

    原題:Short Bets in $14 Billion Treasury ETF Say Yield Calm Will Break(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 米国債利回り、米増税巡る議論が再上昇の引き金に-方向は変わらず

    (ブルームバーグ): 米国債利回りの今月に入っての低下は一時的なもので、米議会での税制議論が次の利回り上昇の引き金となるかもしれない。TDセキュリティーズの金利戦略グローバル責任者、プリヤ・ミスラ氏はこのような見方を示し、10年物利回りが「一本調子の上昇」ではないものの、年末までに2%に向かうと予想している。

    バイデン政権の財政支出計画は経済成長と債券利回りを押し上げると期待されているが、税制問題はかなりの重しになるとみられている。このため、トレーダーらは税を巡る民主党内のを注視する必要があるとミスラ氏は指摘。

    「財政を巡る議論に全ての視線が集まっている。提案には大規模な増税が含まれているが、それが骨抜きにされれば金利は上昇するだろう」と述べた。

    10年物米国債利回りは1-3月(第1四半期)の80ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)超の上昇後、最近は10bpほど低下した。ミスラ氏はこれについて、変化のスピードに関する「リアリティーチェック(実態確認)」であって、根本的なシフトではないとの見方を示した。

    長期の米国債に投資する上場投資信託(ETF)のショートポジションが積み上がっているのを見ると、米国債利回り上昇の新たなきっかけを待っているのはミスラ氏だけではないようだ。

    JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルマーケットストラテジスト、デービッド・ケリー氏はリポートで、景気が当局の想定以上に強いことを経済指標が示せば、「市場は2022年序盤の債券購入縮小開始と23年序盤の初回利上げ、あるいは22年終盤の利上げすら織り込み始める公算が大きい」と指摘。10年債利回りが数カ月内に2%超に押し上げられる可能性は十分にあるとの見方を示した。

    原題:Treasury Bears Eye Tax Talks as Trigger for Yields to Rise Again(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • バークレイズ、5年物米国債のロング勧める-市場の利上げ予想は誤り

    (ブルームバーグ): 英銀バークレイズは5年物米国債のロングポジション構築を勧めた。市場が織り込む米利上げサイクルは連邦準備制度の新しい政策枠組みに照らして積極的過ぎると指摘した。

    ストラテジストのアンシュル・プラダン氏はリポートで、2日の雇用統計結果の力強さにもかかわらず、「完全雇用への道はまだ遠く、インフレ率が現在織り込まれている水準に長くとどまる公算は小さい」と分析した。

    市場は2022年10-12月(第4四半期)までに1回の利上げ、23年末までに約4回の利上げを織り込んでいるが、この予想は金融当局が示している引き締め開始の条件と利上げまでの行動の順序に照らして行き過ぎていると同氏は指摘した。

    同氏は「幅広い指標が相当改善しない限り」、当局が政策正常化への第一歩である資産購入縮小を示唆する可能性は低いとの見方を示した。

    同氏の見方は以下の通り

    原題:Barclays Recommends Long U.S. 5-Year, Says Market Is Mispriced(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • >>98

    ■ QE2以来、FRBもファンダメンタルズ悪化

     QE2開始以来、米国債を大量に購入して、米財政の資金調達を支えてきたのが、米国の中央銀行FRBである。

     リーマンショック、さらに、コロナ対策で膨らむ財政赤字を賄うために、大量の国債やモーゲージ担保証券を購入してきた。

     今では、FRBの保有する国債とモーゲージ担保証券は日本のGDPの1.4倍に相当する700兆円にも達している。

     そのおかげで、FRBのファンダメンタルズであるバランスシートの健全性、その中核である資産の健全性が大きく損なわれていることは前回の21世紀型大恐慌シリーズ(3)で説明した。

     自己資本が14兆円ほどしかないFRBの資産のほとんどは、700兆円を超える米国債とモーゲージ担保証券である。

     いずれも、大きな「金利リスク」を持つ。米国債全体で見た時に、金利が3%程度上昇しただけで、30%値下がりする。

     ところが、FRBの負債のほとんどは、民間銀行や米国政府がFRBに持つ「預金」である。こちらの方は、金利が上がっても、返済すべき金額は不変である。

     つまり、民間銀行には厳しく制限している「長短ミスマッチ」の「金利リスク」を、FRBは日本のGDPの1.4倍の規模で取っているのだ。

    ■ FRBは金利を上げられない

     リーマンショック以降のゼロ金利の時代に、QE2によって大量の米国債を保有したFRBでは、金利を上げたら保有する米国債が値下がりして、FRBのバランスシートは決定的に悪化する。

     だから、FRBには金利を上げられない理由が存在する。

     その結果、米国債の「ゼロ金利」状態が続く。つまり、最悪のファンダメンタルズにもかかわらず、金利の「逆数」である、米国債の「価格」は最高値にある。

    ■ 蓄積する歪みと暴発

     まるで、地殻のプレートの毎年の歪みが蓄積していくように、米国債には、過去最悪のファンダメンタルズと過去最高の価格という歪みが蓄積されている。

     米国債の歪みもまた、表に現れた時に多様な経路を辿り、巨大な津波のような衝撃を与えるだろう。

     改めて断っておくが、私は悲観論者ではない。また、常に「大恐慌が来る」と脅かしてきたわけではない。

     2009年1月に執筆した「太陽経済」(「日本経済復活のシナリオ―太陽経済を主導せよ」)の中では、2008年9月に起きたリーマンショックから「戦前型大恐慌が起きない理由」を説明した。

     事実、大恐慌が起きるどころか今年までに米国株式は市場最高値を更新してきた。

     しかし、アフターコロナが見えてきた米株式市場は大暴落すると想定せざるを得ない。しかも、リーマンショックとは違って、米国の債券とドルも大暴落するリスクが高い。

     しかも、リーマンショックに際しては瞬時に形成された国際協調体制は、今は機能不全だ。

     そうなると、第2次世界大戦後初めての事態であり、マーケットの大暴落から「21世紀型大恐慌」に至るリスクが高い。

     どうしても警告しなくてはいけないと思い、2020年11月に「21世紀型大恐慌」(PHP出版) を書いた。詳しくはこちらを参照してほしい。

  • >>90

    まもなく米国債の大暴落が始まる仕組みを詳解

    前回のシリーズは相当に歯応えがあったようだ(「まもなく米株式市場に続き米国債も大暴落する」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64667)。

    【本記事の図】今の米国債が過去最悪であることを説明する図

     米国株式市場と国債、そしてドルはお互いに深く影響し合う。大事なことなので、別の角度から解説しよう。

     前回説明したように、3月16~17日に「2023年まで金利を引き上げない」と発表した米国の中央銀行FRB(準備制度理事会)は「もう株式市場はコントロールしない」と宣言したのに等しい。

    ■ マエストロの指揮棒がFF金利だった

     1987年から2006年まで、19年間もFRB議長に君臨し、マエストロと称えられたアラン・グリーンスパン時代のFRBは、政策金利であるFF金利を思い切って上下させることで、株も金融も経済もコントロールした。

     グリースパン議長は、就任直後に株価が20%以上暴落したブラックマンデーの株式暴落を切り抜け、前回の2000年のITバブルを抑制するためにFF金利を思い切って引き上げた。

     ITバブルが崩壊すると瞬時にFF金利をゼロ付近まで引き下げて、その後の成長を導いた。

     退任の2006年までは、不動産から始まった株のバブルを押さえ込むために、FF金利を思い切って引き上げ続けて、2008年9月に、リーマンショックで株が暴落した時に、後任のベン・バーナンキ議長がFF金利を思い切ってゼロにまで引き下げる余地を作っておいた(下の図)。

     (* 配信先のサイトで本記事の図表が表示されていない場合はこちらでご覧ください。
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64749

    ■ 株暴落を債券暴騰が緩和した「予定調和」

     だから、リーマンショックまでは、米国の株が大暴落したら、国債が暴騰して、両方を大量に持つ年金などの巨大機関投資家は安泰でいられた。

     世界最大の債権国日本の年金もその恩恵を受けた。まるで、「予定調和」あるいは「地震体験室」の中の地震のようだった。

     そのため、私は安心していられ、2009年2月に出版した『太陽経済』の中で「リーマンショックが戦前型の大恐慌にならない理由」が書けた。

     しかし、これからは米国株が大暴落したら米国債は大暴落する。さらに怖いのは、米国株が暴落する前でも、米国債はどこかで大暴落しうる。

     「予定調和」はもうない。

    ■ 米国債のファンダメンタルズは過去最悪

     株を評価するときにファンダメンタルズ(基礎的経済条件、複数あるから複数形であることに注意)があるように、国債にもファンダメンタルズがある。

     国債のファンダメンタルズの中心は、財政収支である。

     黒字が健全、赤字が不健全となる。特に、財政赤字の累積である「国債残高」を、その国の経済規模と比較した「国債残高の対GDP比率」が最重要とされる。

     国債を返済する原資は、究極的には税収であるから、税を負担する経済全体の規模と比較するわけだ。

     この比率において、今の米国債は、過去最悪である。このことを下の図を使って説明しよう。

    ■ リーマンからファンダメンタルズ悪化の一途

     2008年のリーマンショックで発生した「金融システム危機」を救済するために、米国は巨額の財政資金を投入した。その財政資金を調達するために大量の国債を発行した。

     そして、第2次世界大戦直後以来52年ぶりに、米国の中央銀行であるFRBがその国債を大量に買い付けた。

     このFRBによる国債大量購入のことを「量的緩和(quantitative easing、略してQE)」と呼んだ。戦後2回目だから、QE2と呼ばれる。

     注目してもらいたいのは、QE2が始まって一貫して米国債残高の対GDP(国内総生産)比率、つまり、ファンダメンタルズは悪化を続けてきた。

     そして、新型コロナウイルス感染症の発生以降、米国債の対GDP比率はさらに跳ね上がり、ファンダメンタルズは急速に悪化している。

     QE2によって、これからの米国債とFRBの危機の種がまかれた。QE1とは逆である。

    ■ QE1ではファンダメンタルズ大きく改善

     FRBによる国債の大量購入、すなわちQE1は、第2次大戦直後の1946年から1951年に行われた。

     日本と同様に、米国でも第2次世界大戦の戦費の調達のため、大量の国債が発行されて民間経済がそれを引き受けた。そして、終戦時には、米国債残高の対GDP比率は、史上初めて100%を超えていた。

     戦後になると、米国の中央銀行であるFRBと財務省は平和になった戦勝国米国の民間経済が高度成長して、資金需要が高まり、金利の上昇が予想された。

     金利が上がれば、国債は暴落し、国債を大量に保有する民間銀行が破綻して、金融危機を招くことが予想された。

    ■ QE1は一石二鳥だった

     そこで、当時の米国政府は一石二鳥の政策を考え出した。それがQE1、つまり、FRBによる国債の大量購入だった。

     QE1によって、米国の中央銀行であるFRBが、民間銀行からその保有する米国の戦時国債を「簿価で」、つまり、民間銀行の損なしに買い上げた。

     FRBから米国債の売却代金を受け取った民間銀行は、旺盛な戦後の米国経済の資金需要に応えて、積極的に貸し出しを行って、ゴールデン50sといわれた米国の戦後の高度成長を支えた。

     こうして達成された高度経済成長によって、税収も増加して、米国の「国債残高の対GDP比率」は大きく低下し続けて、1970年代末には20%近くまで低下した。

     つまり、米国債のファンダメンタルズは大きく改善した。図2を見れば、QE1の直後から、米国債のファンダメンタルズの改善が急速に進んだことが分かる。

    ■ コロナでファンダメンタルズ悪化が加速

     ところが、同じQEでも、リーマンショック以来のQE2では、米国債のファンダメンタルズである「国債残高の対GDP比率」の悪化は止まらない。

     しかも、2020年に発生したコロナ対策として巨額の財政支出が必要になり、それを賄うために史上最大規模の国債発行を行なったから、米国の国債残高の対GDP比率は悪化した。

    ■ 「大きな政府」に転換したバイデン政権

     そして、今年誕生したジョー・バイデン政権は、コロナ対策以外に、「格差是正」「景気刺激」「福祉向上」などを掲げて、200兆円規模の新たな財政支出を行うことを発表した。

     ジョン・F・ケネディ亡き後を継ぎ、「公民権運動」「人種差別撤廃」という切実な国民の声に応え、「偉大な社会(Great Society)」の建設を目指した1963年のリンドン・ジョンソン大統領によく似ている。

     ジョンソン大統領は、ケネディ前大統領以上に人種格差の是正に努めた功績は大きいが、野放図な福祉政策が(偉大な社会実験であったとも言える)その後の米国の財政を圧迫し、1980年代に「小さな政府」「市場原理」を掲げたロナルド・レーガン大統領を誕生させる素地を作った。

     しかし、ジョンソン大統領時代に比べても、バイデン政権が引き継いだ時には、米国債残高の対GDP比率ははるかに高かった。

     そして、バイデン政権の「大きな政府」は、米国史上最悪の国債のファンダメンタルズをさらに悪化させることは確実である。

     なぜなら、「国内製造業の消滅」「高所得雇用の消滅」による「格差問題」を引き起こしているのが、1990年代以降のグローバリゼーション、2000年代以降のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化の進展という「米国の強さ」「米国の生産性向上」である。

     つまり、格差問題の解消は、バイデン政権のような単純な財政支出では解決不能だからだ(「太陽経済」という真の解決策については別の機会に説明しよう)。

     ということは、バイデン政権の米国は経済を再建できず、財政赤字を拡大させてしまう。

    ■ ファンダメンタルズ悪化で何が起きるのか

     米国政府は、現時点では世界最強の軍事力をもち、その通貨ドルは世界の準備通貨の6割を占めている。

     その意味では世界中で圧倒的な政府であり、民間企業とは違い狭義の「倒産」はあり得ない。ドルを印刷すれば、世界で受け入れられるからである。

     現にそうしている。

     米国財務省が発行する国債をドルを発行するFRBが買うのは、ドルを印刷していることにほかならない。

     しかし、その弱点は、国債の返済に必要なのが究極的には米国民からの税収であることだ。

     第2次世界大戦直後のQE1では、戦後の高度成長によって、税収の急増により、財政収支が好転して、国債残高の対GDP比率は急低下し、米国債のファンダメンタルズは大きく向上した。

     しかし、バイデン政権の「大きな政府」路線は、米国の財政をさらに悪化させるだろう。それが、米国債残高の対GDP比率が悪化する時に起きる確率が高いのだ。

     ということは、米国債が「元の価値を維持したまま返済される可能性」が低下するということだ。

  • 週明け株式市場に影響か?米国雇用増加、債券利回り上昇の衝撃

    コロナ不況回復の兆しといえるだろうか。4月2日、米国労働省が発表した雇用統計(3月)では多くの産業で雇用が増加し、失業率も2月の6.2%から6.0%に低下していることが発表された。市場予測を上回る改善に米国債利回りは軒並み上昇、バイデン政権の大型インフラ投資計画への期待も高まっているが、FRBは慎重姿勢を崩さない。米国の新たなる局面を、Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(NWB/日本ウェルス)CIOの長谷川建一氏はどう見たか。

    雇用市場の回復に反応、米国債券利回りは上昇
    (画像はイメージです/PIXTA)

    3月、米国債券相場は行ったり来たりを繰り返し、10年米国債利回りで1.6から1.7%台での動きだった。しかし4月2日の朝方、米国労働省が発表した雇用統計(3月)の内容が市場予想を上回る改善を示したことから反落し、10年米国債利回りは1.73%まで上昇した。

    非農業部門雇用者数は、前月比91.6万人増加で、2月の46.8万人増加から大幅に上回ったことに加え、家計調査に基づく失業率は2月の6.2%から6.0%に低下した。

    産業別でみると、石油価格の高騰に伴い油田掘削活動が増加したことで鉱業での雇用が2万人増、建設業の主要なカテゴリーでも11万人の雇用増、製造業で5.3万人増、卸売は2.4万人増加、小売業も2.2万人増、輸送と倉庫業は4.8万人増、金融1.6万人増、専門職6.6万人増、教育とヘルスケアは10万人増、レジャーとホスピタリティは28万人と大規模な増加、政府部門も州政府と地方政府合わせて13.6万人の雇用が純増と、大半の産業で雇用の改善が確認できる内容で、雇用市場の回復を印象づけるものである。例外は、自動車メーカーがICチップの不足により減産を余儀なくされたために3千人の雇用減少だった。

    不完全雇用率U6*は10.7%に低下、就労者に積極的に職を探している者を加えた労働参加率も61.5%と2月の61.4%から微増した。大幅な雇用増により、4月も失業率が改善することが予想され、経済対策も合わせて考慮すれば、今後数ヵ月は雇用市場改善の流れが継続するだろう。

    *(注):U6には就労者に加えて、フルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者、仕事に就きたいと考えているものの積極的に職探しをしていない人などが含まれ、その雇用率の上昇は、雇用市場全体の改善を示すものと理解されている

    バイデン政権のインフラ投資計画、共和党にも支持者が
    バイデン政権は3月に1.9兆ドルという空前の規模の追加経済対策を成立させた。さらに31日には、次に成立を目指す大型インフラ投資計画を発表している。

    バイデン大統領は、この大型インフラ投資計画が実現すれば、1,900万人もの雇用が創出されると述べ、経済回復へのコミットメントを強めている。上院民主党の重鎮であるカーバー環境・公共事業委員長は、5月末までにインフラ投資計画案を、そして、より幅広い景気回復計画も9月末までに法制化される可能性を示唆している。

    民主党は「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」プログラムと称して、経済刺激に重点を置いた政策をより推進するだろう。共和党議員のなかには、上述のインフラ法案を支持する意向を示している議員が10人程度いるとも言われており、そうなると上院は財政調整プロセスの利用や財政支出に関するより厳格な可決方法を定めた上院ルールの改正なしでも可決が可能となる。

    慎重姿勢貫くFRB…市場ではインフレへの警戒感強まる
    米FRBは足元の経済状況は引き続き厳しいとの見方を維持しており、2023年までの利上げ見送りが妥当と繰り返し強調してきた。経済回復を確実にするには、引き続き、アクセルを踏み込むべきという判断を崩していないということである。

    しかし、財政刺激策、超緩和的な金融政策、州政府の再開、ワクチン接種の急速な進展による経済活動の再開と、米国経済は、あらゆる材料がすべて前向きに作用するという過去に例を見ない状況にあり、市場は、アクセルを踏み過ぎて、経済過熱、インフレ率の過度の上昇という結果に結びつくことを恐れている。

    FRBは長期金利の上昇に対し、インフレ懸念ではなく、経済回復の過程で期待感が強まる自然な動きと静観の構えを崩していないが、金利の上昇に対して鷹揚(おうよう)な当局と神経質な市場の間には微妙な空気感が漂っているというのが現実であろう。(関連記事 『バイデン政権の成長戦略に市場警戒…「米国景気回復」にも蘇る悪夢』 )

    ちなみに、財政支出の拡大に批判的なサマーズ元米財務長官は、米国の政権は、過去40年間で「最も責任感に乏しい」経済政策を行っていると批判し、「甚大な」インフレのリスクがあると再度警告している。その責任は政権与党である民主党のみならず共和党にもあると、財政支出になかば歯止めの効かなくなっている政治の現状を糾弾した。

    インフレ率は、FRBが目標とする期間平均2.0%の物価上昇率には程遠いという現状がある。しかし、在庫水準が低いことや、生産のボトルネック、エネルギー価格の上昇、貯蓄率がコロナ禍で上昇など、将来急速な上昇に転じることを危惧させる材料は、揃ってきている。そこに、雇用市場の改善が本格化してくるとなれば、市場の警戒心は強まるだろう。

    加えて、すでにしてきたことだが、米国の財政ファイナンスの総量は急激に増加している(世界的な傾向ではあるが)。

    米国財務省は、昨年のコロナ禍以来、急増する連邦負債を基本的には国債発行で賄っている。そのため、財務省は四半期入札のみならず、平準化のために毎月大量の新発債を発行しなければならず、大忙しである。財政にとっても、債券利回りは低ければ利払い費用が少なくて済むが、利回りが上昇すれば、利払い費用が増え、それがまた発行量の増加につながるという事態も懸念される。

    さらに、債券需給の悪化要因は増えている。FRBは、補完的レバレッジ比率(SLR)の条件緩和を許容している措置を予定通り3月31日に終了させた。これは、レバレッジ比率の算定にあたり、一定の条件を満たした債券の残高をリスク算定から除外または軽減する措置で、金融機関にとってはリスク量を増やさず、債券保有ができるため、債券買い入れ残高を増やすことができる措置だった。しかし、この措置が終了したことで、金融機関の債券購入余力は減ることになる。

    米国債利回り上昇、週明け株式市場への影響に注目
    2日の市場は、イースター休暇中でグッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため、株式市場や商品の立ち会い取引は休場とだったが、債券相場では取引が続き、雇用市場の改善を織り込む展開となった。

    米国債は大幅安となり、長期金利の指標である10年米国債利回りは前日比0.05%上昇して1.72%を付けた。さらに、目を引いたのは、金融政策の見通しに敏感な短中期国債の動きで、5年米国債利回りは前日比0.08%上げて0.979%と、節目とみられている1.00%に近付いた。これは昨年2月以来の高水準である。2年米国債利回りもこのところ0.15%近辺で長らく取引が続いていたが、0.19%に上昇した。

    米国経済の成長路線への回帰が明らかとなり、雇用市場の改善が本格化すれば、金利の上昇は避けられない。FRBも過度な動きとならない限り、それを容認するだろう。FRBが2023年までは利上げをしないと言い続けても、市場では、利上げ開始の時期が早まるとの見方が出てきやすいし、すでにそれに備えつつあるといってよい。

    2日の市場の動きにもそれは表れており、5年債と7年債は、最も売られやすいゾーンということになろう。それを起点として考えれば10年米国債利回りも2.00%へ向けて一段と上昇することは、避けられないだろう。週明けの株価の動きは気になるところである。引き続き要警戒のスタンスを維持したい。

  • 米ウォール街の不良債権投資家が「今はバブルではない」と語る理由

    強い消費の戻りが景気を底上げする──。不良債権やバリュー投資で15兆7000億円を運用する世界最大級の資産運用会社オークツリー・キャピタル・マネジメント共同会長のハワード・マークス氏に話を聞いた。

    (聞き手・構成=岩田太郎・在米ジャーナリスト)

     ◇消費急拡大を待ち受ける米国

    ── 米国経済と金融市場をどう予想するか。

    ■今年7~9月期に消費が大きく伸びる可能性があると予想する。①新型コロナウイルスの追加対策としての財政出動の規模、②物価・金利の動向を基にした強めの景気予想、③順調なワクチン接種による集団免疫の獲得──が理由だ。

     株式市場では、新規上場(IPO)銘柄は株価が上昇している。ほとんどの資産で、価値が高めだが、過剰評価でもないだろう。低金利によって資産価値が底上げされているので、高すぎることはないし、バブルでもないと思う。

     ◇米国人6割が正常生活へ

    ── 米経済は2021年にどの程度成長するか。コロナ禍での落ち込みの反動から6%成長を見込む向きもある。

    ■足元は失業給付申請が増え、新規雇用も弱い。米国人口のわずか5・5%しかワクチン接種を受けていない。1~3月期はプラス成長ながら低調だろう。

     だが、年末にかけて成長は加速すると予想する。小売り、生産者価格などで、ポジティブな兆しがすでに出ている。20年は連邦政府からの給付金によって、実質個人所得が20年ぶりに増えた。しかし、コロナ禍による外出制限でお金を使えない人が多かった。こうした反動で1兆5000億~2兆㌦の消費が見込める。その結果、今年10~12月期の経済成長は非常に強いものとなろう。

    ── 雇用もそれに合わせて改善するか。

    ■そう思う。米労働者のほとんどは外出制限解除後の職場復帰を果たしたが、外食やホテルなど非常に多くの人を雇用する産業の回復が遅れている。だが、10~12月期までには、おそらく60%の人々の生活が正常に戻り、ビジネスもほとんどが再開できるだろう。現在正常な生活に戻っている人の割合は25%程度と見ている。

     ◇景気後退は数年起こらない

    ── 金融市場の楽観はどれくらい続くと思うか。

    ■現在の市場の楽観は高いレベルだと思う。経済がまだ低調なのに、なぜ資産価格が高いかといえば、市場が回復を予想しているからで、理論的には市場はまだ上げ続けられる。しかし、資産価格はすでに経済回復を織り込み済みでもあり、今後の上昇は緩やかかもしれない。経済が上向く局面で、市場が暴落するとは思えない。従って、景気後退はあと数年起こらないかもしれない。

     ◇生活が戻れば物価は上がる

    ── 銅、小麦など商品市況が一斉に上昇中だ。ビットコインにも資金が流入している。

    ■世界経済は改善傾向にある。中国は特に鮮明だ。ファンダメンタルズ(経済の基礎的要因)では、経済活動がより活発になれば需給が逼迫(ひっぱく)し、銅などの価格上昇が起こる。投機目的で上がることもある。人々が「もうすぐインフレが来る」と思ったらどうするか。通貨の価値が下がる前に、商品を買い付けるだろう。

     ただし、ビットコインは予想し難い。株式や債券、実物不動産は現金を生み出し、何が適正価格かを決められる。しかし、キャッシュフローのないビットコインは本質的価値、公正かつ適正な価格が判断できないという問題がある。

     ◇古典経済学の常識

    ── 連邦政府が経済刺激策として大規模な財政支出を行う中、インフレが起こる可能性が高いと指摘する識者が増えてきた。

    ■古典経済学によれば、政府が数兆㌦の流動性を供給するとインフレにつながる。米国の財政赤字はかつてなかったレベルに達しており、さらに、これまでなかった速度で増大を続けている。経済学の知見ではインフレ予想が高まる。米連邦準備制度理事会(FRB)は、特にインフレを心配していないようだが私は合点がいかない。

     ◇不況は防止できない

    ── ローレンス・サマーズ元財務長官は、FRBが市場の予測よりも早い時期に、量的緩和を縮小させる「テーパリング」を開始するだろうと予想している。

    ■自由主義経済、資本主義を信奉する我々にとっては、自由市場は資源分配に最適な仕組みだ。だが、マネーに関してはFRBが政策金利を設定するため自由市場がない。米国は自由主義経済の国だから、市場の操作から手を引くのがよいと思う。だから、FRBは早期にテーパリングを行うべきなのだ。政府の市場介入を縮小させるということだ。

     13年と18年にFRBがテーパリングを行おうとした際、株式市場は暴落した。FRBは不況の防止が役割であるかのように振る舞っているが、不況を永遠に防ぐことは不可能だ。さらに相場安定化も役割であるかのように振る舞うが、政府が株価を設定するのは適切ではない。

     ◇個人も相場動かす時代

    ── 個人投資家たちがネット上で結託して、米ゲーム販売店ゲームストップの株価をつり上げ、機関投資家に大損をさせた、いわゆる「ロビンフッダーの乱」をどう見るか。

    ■米ゲーム販売店ゲームストップという一つの弱小銘柄で起きたことに過ぎない。1929年の暗黒の木曜日や、87年に株価が23%近くも下落したブラックマンデーのような出来事ではない。17世紀オランダのチューリップバブルのような一時的な急騰の例として語られるようになるかもしれない。

     ただし、チューリップバブルは何年もかけて形成されたが、ゲームストップ株の急騰は数日という短い期間に起こった。その違いは、コミュニケーションの発達に起因するものだと思う。ソーシャルメディアなどで過剰なコミュニケーションが行われる現代は、組織運動が起こりやすい。インターネットの掲示板で数千人が瞬時に打ち合わせができる。それが相場の乱高下を引き起こす。

    ── ロビンフッダーの乱を、「株式市場の民主化」と捉える向きもあった。

    ■民主化は、コミュニケーションの変化と関連している。情報はより早く拡散し、結託した動きも、より早くなる。コロナ禍により、より多くの個人投資家が市場参加者となり、急騰を支えたことも大きい。従来はめったに見られなかった現象だ。

     ◇全員が勝つことはない

    ―― 資本主義の未来について。

    ■資本主義とは生産手段の私有制や自由市場の制度、自由主義経済、利潤を動機とする儲けの追求等のことだ。米国やほとんどの資本主義国で、継続するだろう。イデオロギー的な事柄であり、多くの国において左派は経済を統制したがる傾向がある。左派はすべての人が勝者になるか、同等に勝つべきだと考える。誰も負けるべきではない、と。また彼らは、「アマゾン創業者で世界一の富豪であったジェフ・ベゾス氏のような勝ちすぎはよくない」と言う。

     ◇元継母との論争「ラスベガスの勝者」

     私の元継母とよく論争になったのだが、彼女は「資本主義は規制されなければならない」と言った。それに対して私は、「それは、『ラスベガスでばくちを打つ人すべてが勝つようにしなければならない』と言っているのと同じですよ」と返したものだ。そうしたシステムは適正ではない。

     私がシカゴ大学で学んだ時代には、「企業の唯一の目的は利潤を出すことだ」と教えられたものだが、現在では社会が「企業は環境問題や人種的正義等において善良な市民としての義務を果たすべきだ」との考えに変わってきている。制約を受けない自由主義経済の考えは変遷するし、規制も変わる。

     右派は適者生存が正しいと考えるし、左派は誰も負けるべきではないと考える。だから、資本主義はイデオロギーのせめぎ合いだと思う。翻って米国人は、「中国は資本主義国ではないのに、あんなに成功している」と不思議がっている。物事をややこしくする民主主義がない。そのため、経済やコロナ制圧で成功しているのではないか、と羨ましがっている。しかし中国の体制は、私に言わせれば大きく改変された資本主義だ。資本主義のよいところは、統制を取り去ると、より効率的な生産になることだ。

     ◇生活水準向上しかない

    ―― グローバル化はどうなるか。

    ■グローバル化は、勝者と敗者を生み出してしまう。一方で、生活水準を引き上げることで全世界を救う。最適地生産はとても役に立つものだ。(インタビューは2月23日)

  • 米国債、利回りの行方占う材料あれこれ-米経済パッケージや雇用統計

    (ブルームバーグ): 米国債は2016年の予想外の結果となった米大統領選挙以降で最悪の四半期を終えようとしているが、今後の動向を占う材料には事欠かない。

    第一に、米政府は最大3兆ドル(約330兆円)規模のインフラ関連景気刺激パッケージを打ち出す可能性が高い。パッケージには増税が含まれると見込まれ、トレーダーらはそれが景気刺激効果を打ち消す可能性と米国債市場への影響を議論し始めている。

    米国債利回りは新型コロナ流行前の水準まで上昇した後、26日までの週にはやや低下した。オプション市場では利回り上昇に対するヘッジのコストが低下した。今後数日は四半期末の持ち高調整で年金基金からの買いが利回り上昇を抑える可能性があるものの、注目はバイデン米大統領が29日からの週に発表するとしている経済プログラムに集中している。

    MCAPのマネジングパートナー、マイケル・フランゼーズ氏は、「第2の景気対策案で市場が分からないのは税の部分だ」として、「増税はインフラ支出から得られる可能性のあるいかなるプラスよりも害が大きい」と話した。

    目先は月次および週次の雇用データに基づいて現在の1兆9000億ドルの刺激策の効果浸透度合いを判断し残存7年以上の米国債の売りを再開するかどうかを決めると同氏は述べた。

    4月2日はグッドフライデーの祝日で米株式市場は休場、債券は半日の短縮取引となるが、政府は同日に3月の雇用統計を発表する予定。同月の雇用者数は急増が見込まれている。

    3月27日終了週の米新規失業保険申請件数は4月1日、ADPリサーチ・インスティチュートによる3月の米民間雇用者数統計は3月31日に発表される。

    【来週の予定】日銀意見、短観、中国PMI、OPECプラス、米雇用

    原題:Treasuries’ Worst Quarter Since 2016 Ends With Questions Aplenty(抜粋)

    (c)2021 Bloomberg L.P.

  • 米国債トレーダーは一段の痛み覚悟、ボルカー以降で最悪の四半期後

    米国で新型コロナウイルスワクチンの接種が進むにつれ、急速な景気回復への期待が膨らんでいる。しかし米国債の保有者にとって、これは懸念材料だ。米国債は1980年以降で最悪の四半期を終えたが、当時のボルカー米連邦準備制度理事会(FRB)議長は積極的な利上げでインフレに対応していた。投資家は今、経済正常化に伴う一段の利回り上昇や損失拡大の可能性を覚悟し身構えている。

      ブルームバーグ・バークレイズ米国債指数は1-3月(第1四半期)に約4.25%下落。米民主党が1月、上院過半数をぎりぎり得たことで1兆9000億ドル(約210兆円)規模の経済対策に道が開かれ、米国債に圧力がかかった。ワクチン接種進展のほか、上昇する利回りの押し返しに消極的な米金融当局の姿勢も加わり、10年物米国債利回りは2020年1月以来の高水準に達した。

      この流れは4-6月(第2四半期)も続くとトレーダーと投資家はみている。バイデン政権はさらに数兆ドル規模の財政支出を計画しているほか、ワクチン接種も一段と加速させようとしているからだ。こうした中でボラティリティーが高まる可能性も指摘される。

      ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者スバドラ・ラジャッパ氏は、第1四半期の市場は「利回り上昇に向けてエンジン全開だった」とした上で、「ここからは着実な上昇が間違いないと思う」と話した。

      10年物の利回りは1月から約80ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、3月30日に1.77%に達した。20年3月には0.31%と過去最低を記録していた。30年債も同様の展開。いずれも、四半期ベースの上昇幅は16年の方が大きかったが、出発点の利回りが低いため今回の方が損失が大きい。

      インフレ連動債が示す向こう10年のインフレ期待(ブレークイーブン・レート)は第1四半期に39bp上昇し一時は13年以来の高水準の2.37%に達した。

      ボルカー元議長が格闘した約40年前とは比べ物にならない程度のインフレだが、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標はゼロ付近、量的緩和(QE)が続く今、短期金利と金融環境を巡る状況は当時と大きく異なる。

      景気に関する明るいニュースの大半は既に市場に織り込まれているため、「極めて無秩序な」米国債売りは第2四半期には落ち着くだろうと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、ラルフ・アクセル氏は予想。しかし、景気回復の高い期待はまだ完全に実現したわけではないため、今後の展開が衝撃をもたらすリスクはあると指摘した。

      「起こり得る展開の幅は広い。不況のどん底もあり得るし、数十年で最高の成長時期が訪れるかもしれない。われわれはある意味、この2つの可能性の間で揺れている」と話した。

  • 米国債売りが再び加速、米インフラ支出計画待ち-大口のロング解消も

    (ブルームバーグ): 四半期末の米国債市場の安定と穏やかな4月を期待していたトレーダーらにとって残念なことに、米国債の下落が再び勢い付いた。

    バイデン米大統領のインフラ支出計画の詳細発表を31日に控え、売りが加速。ロングポジションの解消と見られる大口の売りも出た。

    5年物米国債の利回りが0.90%を上回ると、ブロック取引の売りが出た。同利回りは一時0.95%まで上昇した。ロンドン時間の取引開始ごろに先物が売られ、10年物利回りは1.75%を突破し一時1.77%。

    5年物米国債利回りが1年ぶり高水準-ブロック取引引き起こす

    四半期末の調整で株式から債券に資金が流入し、短期的に債券需要が押し上げられると期待されていた。4月1日の日本の新会計年度入りもあり、4月は債券市場のボラティリティーが低下する傾向がある。

    30日は米国以外の債券市場でも動揺が見られている。オーストラリアの10年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、ドイツ国債は欧州時間の取引開始時に3bp上昇した。

    原題:Treasury Selloff Gets New Lease of Life on Infrastructure Plan(抜粋)

    *TREASURY 5-YEAR YIELD +6BPS TO 0.95%, HIGHEST SINCE FEB. 2020

    (c)2021 Bloomberg L.P.

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