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欧米 金融政策の掲示板

コラム:金利上昇でも来ない米景気後退、専門家の予想「外れた」訳は
By Edward Chancellor
2024年5月13日午後 12:49 GMT+921時間前更新

オピニオン
Edward Chancellor

[ロンドン 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] -

2年前、世界中の中央銀行が利上げを開始した。当時、筆者を含む多くのコメンテーターは、長年にわたる金融緩和の終了によって資産価格と景気の崩落が引き起こされるだろう、と予想した。

ところが景気後退は訪れなかった。それどころか米国経済は2022年以降に持ち直し、米国株はこれまでで最短の弱気相場を経て過去最高値を更新するに至った。


話を始める前に、弱気派の予想が何から何まで間違っていたわけではないことを指摘しておく価値はある。債券相場は2022年に急落(利回りは急上昇)し、サンタクララ大のエドワード・マコーリー教授によると1年間の下落率は1753年以来で最悪を記録した。投機的投資の多くも多額の損失を計上。世界各地で商用不動産市場は不況に陥っている。

とはいうものの、金融政策の経済への波及メカニズムは過去よりも弱まっているようだ。米長期国債利回りは1年半前から短期債利回りを下回っている。こうした「逆イールド」は以前、最も信頼に足る景気後退の先行指標だと考えられていた。