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まだChromeとSafariを使ってるの? 広告非表示の「プライベートブラウザ」が快適すぎる

今年1月、グーグルがウェブ広告のターゲティングに使われる「サードパーティクッキー」の使用を段階的に禁止すると発表したことで、少しずつ注目を浴びているものがある。新興のブランドで、プライバシー保護を徹底していることから「プライベートブラウザ」と呼ばれるブラウザだ。

ウェブ広告が鬱陶しい、勝手に閲覧履歴を追跡されているのが不快だ──そう感じつつも主流のブラウザを利用しているなら、これを機会に別のブランドに切り替えてみてはいかがだろうか。

「なんとなくChrome」なら考え直そう
Microsoft Edge(マイクロソフトエッジ)を使ってウェブ検索するあなたは、ウィンドウズ・ユーザーかもしれない。Safari(サファリ)を使っているとすれば、おそらくアップル派だろう。もしChrome(クローム)を使っているなら、グーグルのスマートフォンやノートパソコンを持っているか、あるいは学校や職場でChromeを使った後で自分の端末にブラウザをダウンロードしたのではないだろうか。

つまり、私たちはすぐに利用可能で、なじみのあるブラウザを使っているということだ。ここであげたアプリはすべて、ウェブ閲覧という同じ目的に高速かつ優れた対応力で機能する。そのため私たちは、ブラウザ自体に対しては無関心になりがちだ。

あなたがこのコラムを読み終えるまでに、私はあなたに何とか、少なくとも他のブラウザを試してみようという気持ちになってもらいたいと考えている。それが「プライベートブラウザ」と呼ばれる新型のインターネットナビゲーターだ。

これは過去3年間に登場したブラウザで、まだあまり有名ではないが、DuckDuckGo(ダックダックゴー)やBrave(ブレイブ)などのブランドがある(註:記事の最後にそれぞれのリンクを掲載しています)。これらプライベートブラウザが際だって優れているのは、閲覧履歴を追跡する機能をブロックすることで、収集される私たちの個人情報を最小限におさえることができる点だ。

この点に関しては、一般的に主流と言われるほとんどのブラウザ──特にChromeよりも優れている。SafariやFirefox(ファイアーフォックス)などにも追跡防止機能があるが、小規模ブランドはプライバシーの保護にいっそう重点を置いているのだ。

私たちは、デジタル上の情報におけるプライバシーに関する転換期を迎えている。ブラウザに埋め込まれているコードのCookie(クッキー)は、私たちが閲覧するウェブサイトひとつひとつを追跡し、広告のターゲットにするための情報を蓄積するものだ。

しかしオンライン広告は、今まさにこのCookieの使用をやめようとしている。世界で最も人気のあるChromeブラウザを有するグーグルはCookieを使用することなく広告のターゲットを定めるために新たな方法を開発しようとしているところだ。

けれど、ただ待つのはもうやめよう。追跡されたくなければ、今すぐそうできるのだから。

「私たちは分岐点にいるんです」と語るのは、ジェニー・ゲブハートだ。彼女は非営利組織「電子フロンティア財団」のデジタル著作権の管理責任者で、プライバシー問題に取り組んでいる。

「グーグルを含め、ユーザーへの広告表示をビジネスにする企業は、次に来るものが何か見極めようと必死になっています。ユーザーもそうした状況に関する情報を受け取って、自ら選択をする時代が来ているのです」

主流のウェブブラウザとは違い、プライベートブラウザにはユーザーの目的に合わせた多様な形態がある。およそ1週間に渡って、私は主なプライベートブラウザを試してみた。DuckDuckGoとBrave、そしてFirefox Focus(ファイアーフォックス・フォーカス)の3つだ。

そして最終的に、私はiPhoneの標準ブラウザをBraveに変更した。これは自分でも驚きだった。ここからはその理由についてお話したい。

プライベートブラウザのメリット・デメリット
大切なのはプライベートブラウザができること、できないことについて知ることだ。まずはその性能を見ていこう。

プライベートブラウザは通常、以前から使用されているウェブ・テクノロジーを取り入れている。

■プライベートブラウザは、いわゆる「プライバシーモード」もしくは「匿名モード」と呼ばれるブラウジングセッションに基づいている。これはユーザーがアクセスしたウェブ履歴を記録しない機能を持つブラウザで、あなたの端末に触ることができる人々にあれこれ詮索されたくない場合に有用だ。

■プライベートブラウザは追跡防止機能も備えている。これは通常、ブラウザにダウンロードして追加できる機能だ。この追跡防止機能はユーザーの個人情報を取得しようとする既存のトラッカー(追跡者)リストに対して作動する。ユーザーがウェブサイトを閲覧するとこの機能がトラッカーを特定し、サイト移動の際にトラッカーがついて来られないように制限をかけるのだ。

ただし、この機能の大きな弱点は、追跡をブロックすることで、ショッピングカートやビデオなど、一部のサイト機能が破損され正しく表示されない可能性があることである。

プライバシー保護に重点を置くブラウザは通常、標準機能としてプライベートモードがオンになっているか、もしくはユーザーがブラウザを閉じると自動的に閲覧履歴を消去する。これらのブラウザはさらに追跡防止機能を内蔵しており、トラッカーを強力にブロックしながら、ウェブサイトの破損を最小限に抑える仕組みを備えている。

しかしプライベートブラウザは、ユーザーの閲覧したウェブサイトの情報をインターネット・プロバイダーから守ることはできない。つまり、たとえばあなたが休暇などでホテルのWi-Fi接続を利用してウェブ閲覧した場合、ホテルのインターネット・プロバイダーはあなたのウェブ閲覧情報を知ることができるということだ。

こうした場合にも情報の保護をしたい場合には、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)に接続する必要がある。これはインターネット上に仮想の専用ネットワークのトンネルを構築して、ユーザーの閲覧情報を保護するテクノロジーだ。

Firefox Focus、DuckDuckGoおよびBraveはおおむね似通った機能を持つが、いくつか重要な相違点もある。

Firefox Focusは、iPhoneやAndroidのスマートフォンなど携帯電話端末でのみ利用できるブラウザで、機能は必要最低限のものだ。ユーザーはウェブにアクセスし閲覧が終わったら、ゴミ箱アイコンをタップしてセッションを消去する。アプリを終了すると自動的に閲覧履歴も削除される。ウェブサイトにアクセスすると、ブラウザがトラッカーリストに基づいてどのトラッカーをブロックするかを特定する。

DuckDuckGoのブラウザもまた、携帯電話端末でのみ利用できるものだ。従来のブラウザにより近い機能を持ち、ユーザーは自分のお気に入りのサイトをブックマークしたり、同時に複数のブラウザタブを開くことができる。検索をかけると、ブラウザはDuckDuckGoの検索エンジン内を検索して情報を表示する。

同社によると、検索エンジン上の広告はユーザーのオンライン行動を追跡しないため、プライバシー保護により重点をおけるのだという。さらにDuckDuckGoは、トラッカーの情報の読みこみも防止している。ウェブ閲覧を終了する際は、下部にある炎のアイコンをタップしてセッションを消去する。

Braveも追跡防止機能と同時に、ブックマーク機能やタブを複数使用できるなど、従来のウェブブラウザにより近い仕組みだ。プライベートモードが内蔵されており、ユーザーは他の人にウェブ履歴を詳しく見られたくない場合にはこのプライベートモードをオンにする必要がある。Braveはさらに、ウェブ閲覧中のトラッカーを徹底的にブロックするため、広告をほぼ完全に非表示にする。広告のブロックに関して言えば、他のブライベートブラウザは頻度が下がる。

ほとんどの人にとって、広告を見なくてすむのはメリットだろう。しかし、サイト運営者に利益を提供したいユーザーのために、Braveは自らの選択で広告を見ることができる独自のネットワークを展開している。

オンライン行動を追跡しない広告を表示させる見返りとして、ユーザーは広告収入の一部をトークンとして受け取り、その後、自分の好きなウェブサイトでトークンを利用できるのである(Braveと提携しているウェブサイト運営企業のみがトークンを受け取れる)。

それぞれ実際に使ってみたら…
私はこの3つのプライベートブラウザすべてを、それぞれ数日ずつiPhoneの標準ブラウザに設定して試してみた。

3つのブラウザすべてに、ウェブサイトを読みこむ際にブロックしたトラッカーの数を表示するボタンがあった。私は試しに「ニューヨーク・ポスト」のウェブサイトである「nypost.com」にアクセスしてみた。追跡防止機能を使わない場合、このサイトは83のトラッカーを読みこむ。それぞれのプライベートブラウザがブロックしたトラッカーの数は、DuckDuckGoが15、Braveが22,そしてFirefox Focusは47という結果になった。

  • >>11

    しかしここで重要なのは、ブロックした数がすべてではないということだ。

    Firefox Focusはウェブサイトの見出しや、箇条書きされた文章の構成などを破損してしまうことがあった。いくつかのウェブサイトで、動画を読みこめなかったり、広告ウィンドウを閉じられなかったりすることもあった。

    Firefoxを開発したMozilla(モジラ・コーポレーション)の幹部であるセリーナ・デッケルマンによれば、Firefox Focusはプライバシー保護を徹底しているため、ウェブサイトを破損してしまう場合があるのだという。同社はウェブサイト運営者と協働して、当該のサイトが適切に読みこまれ、表示されるようにしている。

    BraveとDuckDuckGoを使用している際は大きな問題は起きなかったが、時には障害が発生した。たとえばDuckDuckGoのブラウザで、製品を試してレビュー情報を発信するウェブサイトWirecutter(ワイヤーカッター)のページをスクロールしている時、製品名のいくつかが完全に読みこまれないことがあった。ウェブサイト自体は機能していたため、これは奇妙な感覚だった。

    しかし最終的には、あなたもこうしたプライベートブラウザを利用することにメリットを感じると思うのだ。プライベートブラウザを標準ブラウザに設定しないとしても、たとえば健康状態など慎重に扱うべき情報をウェブ検索する際には役に立つだろう。

    私には、ごくわずかな差ながらBraveが一番合っていた。私が愛用するウェブサイトを何の問題もなく読みこむことができたし、広告が表示されないすっきりとした画面を楽しむことができた。それに加え、広告を見たい気分の時には自分で選んで見ることができるという柔軟性がある。

    Brave Softwareの最高経営責任者であるブレンダン・アイクは、同社のブラウザはCookieの追跡を「容赦なく」ブロックしたと語る。

    「もし誰もがBraveを利用したら、閲覧履歴の追跡を基にする広告経済活動を一掃することになるでしょう」とのこと。

    私はぜひこの動きに参加したい。

    Brave(アップル / グーグル)
    DuckDuckGo(アップル / グーグル)
    Firefox Focus(アップル / グーグル)