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私と経済の掲示板

>>11957

逆イールド波乱から回復、米株3日続伸の理由

米株式相場が景気後退懸念に揺れた「逆イールド・ショック」から急速に立ち直りつつある。19日にダウ工業株30種平均は3営業日連続で上昇し、7月中旬の4日続伸以来の連騰記録となった。10年債と2年債利回りの逆転現象はすでに解消され、市場では早くも「株買い推奨」が出始めている。底堅い米株相場を支えるのは、運用難に苦しむ長期投資家たちだ。

「非常に良い雰囲気だ」。米ジョーンズトレーディングの上場投資信託(ETF)取引責任者、デイブ・ルッツは19日早朝、顧客向けメモで、トレーダーの間に広がる楽観ムードを伝えていた。中国人民銀行(中央銀行)が打ち出した貸出金利引き下げ策が好感されたほか、華為技術(ファーウェイ)への米製品の禁輸措置の「例外措置」延長も米中交渉継続のサインとして、市場の強気姿勢に「ゴーサインを出した」(ルッツ氏)。

投資家心理は改善は「VIX指数」にも現れている。「恐怖指数」の異名を持つVIXは市場が予想する将来の相場変動率を示し、20を超えると、投資家の先行き警戒が強まったと判断される。14日に07年ぶりとなる「長短逆転」が発生すると、景気後退のシグナルとの受け止めから、米国株相場が急落。VIXも15日に一時24まで上昇したが、19日は16台半ばまで低下する場面があった。投資家がパニックに陥っている全く様子はない。

金融市場を揺らした長短金利差はすでに「正常化」している。19日もドイツの財政出動観測などを背景に長期債が売られ、長期債の利回りが短期債に比べて上昇し、再逆転はさらに遠のいた。「先週の株価変動は(逆イールドに売り反応した)アルゴリズム取引によるもの」(米ブッチャー・ジョセフ・アセット・マネジメントのケニー・ポルカリ氏)。長短金利差の正常化は、投機的な投資家の買い戻しを誘っている可能性がある。