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4563-アンジェス記事ストック
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4月4日付のフィスコレポートから注目箇所を抜粋する。
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 2023 年11 月には米 Vertex Pharmaceuticals<VRTX> とスイスの CRISPR Therapeutics<CRSP> が同技術を用いて共同開発した遺伝性血液疾患「鎌状赤血球貧血症※」を適応症とした治療法が英国で初めて承認されたほか、12月には米国でも承認された。
 CRISPR/Cas9 技術はねらった遺伝子とは異なる箇所(標的 DNA 配列と似た配列)を切断してしまう「オフターゲット効果」があり安全性が課題とされてきたが、今回初承認となったことでハードルを 1 つクリアした格好となった。これに対して Emendo が独自開発した OMNI プラットフォーム技術は、標的の DNA 配列を高精度に切り取る独自のヌクレアーゼ(OMNI ヌクレアーゼ)を効率的に探索し、最適化することで「オフターゲット効果」を回避できる安全性の高い技術であることが特徴だ。自社開発したヌクレアーゼのうち 250 超につい
ては特許も申請している。ゲノム編集技術による医薬品の開発を進める場合には、効率性だけでなく安全性も強く求められるため、OMNI プラットフォーム技術の特徴は強みになると弊社では評価している。
 Emendo の調べによれば、遺伝性疾患の治療薬の市場規模は全体で約 2 兆円、このうち 1.1 兆円が OMNI プラットフォーム技術の対象領域になり得ると見ており、潜在的な成長ポテンシャルは大きい。今回、ゲノム編集技術を用いた治療法が海外で初めて承認されたこともあり、OMNI プラットフォーム技術に対する注目度も一段と高まることが期待される。
(続く)

  • >>22393

    (続き)
     従来は、独自の OMNI ヌクレアーゼの開発にあたり、その探索と最適化を労働集約的に行ってきたため、開発人員が 100 名を超える規模になっていたが、今後はこれまで蓄積した大量のデータをベースにコンピューティング技術を活用して開発を行う知識集約型の研究開発体制に移行する。
     開発パイプラインのうち、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)変異による重症先天性好中球減少症(SCN)を対象とした臨床試験については、FDA と IND 申請に向けた協議と並行し、ライセンス交渉も開始している。同治療技術に関心を寄せる医療機関等も多く、非独占的契約となる可能性が高いが、2024 年内の進捗が期待できそうだ。
     一方、OMNI プラットフォーム技術のライセンス供与についても、複数のバイオベンチャーやメガファーマ等から引き合いがきており、同社主導で交渉を進めている段階にある。2024 年 3 月には、がん免疫療法の一種である TCR-T 細胞治療薬の開発で業界をリードするスウェーデンの Anocca と、OMNI-A4 ヌクレアーゼの使用
    権についての非独占的ライセンス契約を締結したことを発表した。
     今回の契約締結によって Emendo は、契約一時金 50 万米ドルと開発マイルストーンを合わせた総額で最大約100 百万米ドルを受領する可能性があるほか、製品が販売された場合にはロイヤリティを受領することになる。そのほかの企業との契約交渉では、特定の開発プロジェクトで同技術を利用したい企業と、複数の開発プロジェクトで包括的に同技術を利用したい企業等があるようだ。
    (続く)