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4563-アンジェス記事ストック
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4563-アンジェス記事ストックの掲示板

>>22393

(続き)
 従来は、独自の OMNI ヌクレアーゼの開発にあたり、その探索と最適化を労働集約的に行ってきたため、開発人員が 100 名を超える規模になっていたが、今後はこれまで蓄積した大量のデータをベースにコンピューティング技術を活用して開発を行う知識集約型の研究開発体制に移行する。
 開発パイプラインのうち、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)変異による重症先天性好中球減少症(SCN)を対象とした臨床試験については、FDA と IND 申請に向けた協議と並行し、ライセンス交渉も開始している。同治療技術に関心を寄せる医療機関等も多く、非独占的契約となる可能性が高いが、2024 年内の進捗が期待できそうだ。
 一方、OMNI プラットフォーム技術のライセンス供与についても、複数のバイオベンチャーやメガファーマ等から引き合いがきており、同社主導で交渉を進めている段階にある。2024 年 3 月には、がん免疫療法の一種である TCR-T 細胞治療薬の開発で業界をリードするスウェーデンの Anocca と、OMNI-A4 ヌクレアーゼの使用
権についての非独占的ライセンス契約を締結したことを発表した。
 今回の契約締結によって Emendo は、契約一時金 50 万米ドルと開発マイルストーンを合わせた総額で最大約100 百万米ドルを受領する可能性があるほか、製品が販売された場合にはロイヤリティを受領することになる。そのほかの企業との契約交渉では、特定の開発プロジェクトで同技術を利用したい企業と、複数の開発プロジェクトで包括的に同技術を利用したい企業等があるようだ。
(続く)

  • >>22394

    (続き)
     米国ではゲノム編集技術を用いた臨床開発段階のバイオベンチャーが複数社上場しており、時価総額は収益化前段階でも数億米ドル(数百億円)から数十億米ドル(数千億円)規模になっている。
     特に、初の製造販売承認を取得した CRISPR Therapeutics については株価が 2023 年の年初から 60% 上昇し、8 千億円を超える水準まで評価されている。国内でゲノム編集技術のバイオベンチャーとしてはモダリス <4883> が上場しているが、時価総額は 30 億円程度に過ぎない。
     開発の進捗状況やパイプラインの潜在価値、ライセンス契約の有無等によって異なるものの、総じて米国のほうがゲノム編集技術に対する投資家の期待値は高いことがうかがえ、Emendoも米国で IPO を実施し独自で資金調達を行うほうが効率的と考えられる。
     米国では、ゲノム編集技術を持つベンチャーと大手製薬企業が共同開発契約を締結する事例も増えている。Emendo においても Anocca とライセンス契約を締結したことを皮切りに新たな企業と共同開発契約を締結する可能性は十分にあり、今後のライセンス交渉の進展に注目したい。
    (続く)