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ユロ板討論会の掲示板

 本日のロンドン為替市場でポンドは、なかなか決着がつかない英国と欧州連合(EU)交渉の行方や、新型コロナウイルス変異種に対する警戒感がどの程度まで高まるかなどを見極めながら神経質な展開が続きそうだ。アジア市場でも既に、ポンドドルは1.34ドル後半から1.34ドル付近まで下押しし、ポンド円も139円台を維持できず138円半ばまで弱含む場面があった。

 ジョンソン英政権は離脱移行期間の終了を間近に控えてやっと、欧州連合(EU)との争点だった漁業権問題で譲歩する姿勢を見せた。複数のメディアによれば、英からの新提案では、21年以降の同国海域におけるEU漁獲量を現状の35%減に留めるとされた。一時は最大80%削減を訴えていたことから考えると大きな歩み寄りと言えるだろう。またEU漁船には、今後5年の間は英海域で現状に近い形での操業を認めるとしたもよう。
 土壇場になり(週末に消えかけた)「英EU自由貿易協定(FTA)締結への期待」は持ち直しているが、英国から投げられたボールをEUが素直に受け取るかはまだ分からない。また、合意となっても議会批准には間に合わないとされ、既に混乱の様相が見せている英EU間の物流が正常化するにはかなり時間がかかりそうだ。

 英国で感染が拡大し他地域でも発見された新型コロナウイルス変異種は、感染力は確かに強いとされているが重症度に関する報告はまだされておらず、今後も関連報道に注目したい。ただ、世界保健機関(WHO)はこれまでに開発されたコロナワクチンが有効だとの認識を示しており、未知なるものへの心理的な不安要素は高いものの、過度なリスク回避の動きは抑えられるか。
 いずれにしても、クリスマス週間で流動性悪化が予想され、ニュースやフローでいつも以上の値幅がでてもおかしくはない。ポジション管理には十分な注意が必要と思われる。
 なお本日の欧州序盤には、1月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲9.0)や7−9月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比15.5%/前年比▲9.6%)が発表される。

想定レンジ上限
・ポンドドルの上値めどは先週引け値1.3523ドル付近とし、上回ると17日高値1.3624ドルが再び意識される。ユーロドルは17日につけた年初来高値1.2273ドルを超えるようであれば、上昇に勢いが増しそうだ。

想定レンジ下限
・ポンドドルは昨日ロンドンフィキシング前の下押し水準1.3290ドル付近が下値めど。ユーロドルは1.2175ドルまで上昇してきた日足一目均衡表・転換線が目先の下値めど。割り込むと21日移動平均線1.2101ドル付近まで下押すか。