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ユロ板討論会の掲示板

 本日のロンドン為替市場は、なかなか決着がつかない英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉の行方を睨みながらの取引は変わらなさそうだ。
 (何度目かの)山場とされた週末の英EU協議でも両者は落ち着きどころを見いだせず、週明けのオセアニア市場でポンドは下サイドに窓を開けて寄り付き、売りが強まった。大きな隔たりとされる「英海域での漁業権」についてだが、これまでの発言を聞く限りでは英国は譲歩するつもりは全くなさそうであり、EUの譲歩次第というところか。 
 本日以降も首席交渉官級の話し合いは継続される見通しだが、「移行期間」終了まであと10日しかなく、もし合意に至ったとしても議会批准には間に合わないとの見方も多い。確かに英・EUともに経済界に対し「合意なし」への準備を訴えていたため、物別れとなってもビッグサプライズではないのだろう。ただ、先週は「合意」への期待感を市場は抱かされた場面もあっただけに、現状のままであればポンドの上値は重いままか。

 なお新型コロナウイルスに関しては、英国で広がった変異種がイタリアやデンマークでも見つかり、感染再拡大への懸念が強まった。感染抑制のための規制強化や延長措置は回避できず、来年以降も経済活動の停滞が危惧される。ワクチン普及から高まっていた正常化への期待感も後退すると思われ、原油相場は既にアジア時間で売り戻しが進んだ。クリスマス週でもあり、もともと積極的にリスクは取りづらいなかでは悪材料に対しては敏感に反応しやすいだろう。欧州株次第では為替市場もリスク回避の動きが強まるか。

想定レンジ上限
・ポンドドルは窓埋めとなる先週引け1.3523ドルが戻りのめど。ユーロドルは17日高値1.2273ドルが上値めど。

想定レンジ下限
・ポンドドルは1.3380ドルで並ぶ日足一目均衡表・基準線や転換線を念頭に、14日安値1.3265ドル辺りが下値めどか。ユーロドルは日足一目・転換線1.2166ドルが支持水準。