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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2019/07/01〜2019/07/02

18年度税収、ソフトバンクが4000億円「かさ上げ」

ソフトバンクグループ(SBG)の資金取引によって、2018年度の国の所得税収が事実上、約4千億円かさ上げされたことが分かった。ルール上は同社に還付される見通しで、19年度は同額の減収になる。18年度の税収は約60兆4千億円とバブル期を超えて過去最高になったようだが、これがなければ達成できなかった可能性がある。

SBGは英半導体設計大手アーム・ホールディングスの買収を巡って税務上の欠損金が発生し、17年度は法人税の負担がなかったことが分かっている。18年度と19年度の税収も同社の財務戦略の影響を大きく受ける。

税収のぶれの発端はSBGの国内通信会社であるソフトバンク(SB)が18年12月に東京証券取引所に上場したことだ。

SBGは傘下の中間持ち株会社が保有していたSB株のうち約16億株(34%)を売却した。売却で得たお金は、SBGが今年3月に約2.1兆円の配当金として受け取っている。配当は支払う段階で所得税の源泉徴収の対象となり、SBG側は約4千億円の所得税を国税当局に払った。

税法では親子会社の間の配当は特別扱いされ、非課税になる。関係者によると4千億円は18年度税収として国庫に納まったが、同額が19年度にSBGに還付される。「これほど大規模に起きることはかなり異例」(財務省幹部)という。

国が見込む18年度の所得税収は19兆4750億円。SBGの資金取引だけで2%ほど増減してしまう。税収の上振れ分は補正予算や国債償還の財源となるため、今後の予算編成にも影響が及ぶ。

SBGは財務の規模と税務戦略で他国のグローバル企業に比肩する存在となった。それに翻弄される財政当局の姿は、現実とのズレが大きくなった税制の現状を象徴している。(八十島綾平)