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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2017/05/09〜2017/05/11

ソフトバンク投資加速 背中押す17年前の後悔
2017/5/10 16:32日本経済新聞 電子版

第1章

 ソフトバンクグループが10日に発表した2017年3月期決算は、営業利益が前年同期と比べ13%増の1兆259億円となり、3年ぶりに1兆円を更新した。稼ぎ出した富をどう利用するのか。その解のひとつが「投資会社」だ。サウジアラビアと近く発足させる10兆円規模の投資ファンドを駆使し、世界中の有力なスタートアップ企業にアプローチする。背後にあるのは孫正義社長が描く超長期の戦略、そして人知れぬ17年前の後悔だ。


■1分で10億ドル、悪くないな

 「神は20世紀に閣下に対して最高の贈り物をされました。それは石油です。では21世紀はどうでしょう。私なら未来を見通す水晶玉が欲しいと言うでしょう」

 昨年9月、サウジの若き実力者、ムハンマド副皇太子を前に孫氏は得意の大風呂敷を広げた。ムハンマド氏に自慢げに語ったのは持ち株会社移行後18年間の投資実績だ。一般に投資ファンドの運用実績を示す内部収益率(IRR)は44%に達する。

 「私はその44%を水晶玉なしに達成しました。だが今、私の手には水晶玉があるのです」

 孫氏が「水晶玉」と呼んだのが、その直前に3兆3000億円強で買収した英半導体設計のアーム・ホールディングスだった。孫氏はアームの半導体を今後20年で1兆個も地球上にばらまいてみせると豪語する。その半導体を通じて何が見えるか。膨大なデータは「未来を見通す」手掛かりになると、孫氏は語る。

 「今までは片手間で投資していましたが、これからは水晶玉を手に本気でやります」。それが孫氏の口説き文句だった。ムハンマド氏との会談は45分。450億ドル(5兆円強)の出資を引き出した孫氏は不敵にほほ笑む。「1分で10億ドルか。まあ、悪くないな」

 ここに来て孫氏が投資に執念を燃やし始めたのには理由がある。

 10日に発表した2017年3月期決算は絶好調と言っていい。今回の営業利益1兆円の大台乗せは、益出しなどに頼らない実力値だ。