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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2017/03/10〜2017/03/14



変わるサウジ、「脱石油」目覚める大国
日本経済新聞 電子版

一部抜粋

 サウジの変化を主導するのが若き有力者、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子(31)だ。

 2016年4月、脱石油依存などの構造改革を掲げた「ビジョン2030」を公表。国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)、投資主導経済への転換などを盛り込んだ。宗教的な理由で映画館すら建設を認められていないサウジだが、副皇太子は「娯楽庁」を創設し、社会改革に切り込もうとする。

 日本の関係者はサウジとの関係強化の千載一遇の機会との思いもある。

 サウジの外交は国王を頂点とする有力王族が国ごとの担当を分けている。06年、スルタン皇太子は日本の政治、経済などの詳細な資料「日本ファイル」を握って訪日。スルタン皇太子の死去後、その資料を引き継いだのがリヤド州知事だったサルマン現国王。現在でもその資料を手元に置いているという。

 日本を重視するサウジに対し、日本企業の腰は重い。アラビア石油の権益延長交渉の失敗などでぎくしゃくした関係を現在も引きずる。首都リヤドの地下鉄事業は日本を除く主要国の企業で進む。官民の連携と調整がうまくいかず、日本勢が受注に失敗したからだ。

 ヌアイミ前石油相は昨年執筆した自伝のなかで、日本の官民とのコミュニケーションの難しさを嘆いた。サウジとクウェートにまたがるカフジ油田の権益をアラ石が失ったのは2000年のこと。ニコニコと笑ってうなずいている日本人を見てヌアイミ氏は「イエスを意味しているのかと思ったが、そうではなかった」と振り返っている。

 欧米企業はしたたかだ。1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)。アラムコとの石油化学合弁事業を進めるダウ・ケミカルのアンドリュー・リバリス最高経営責任者(CEO)は「サウジアラビアのビジネス環境の透明性は驚くべき高さだ。米国などほかのどの国と比べても問題ない」と持ち上げた。

 「サウジの政府関係者に会うたびに官僚主義の非効率や汚職、ビジネスマナーの欠如、日本人駐在員の生活の厳しさで文句を並べる日本企業とは対照的だ」と、サウジ人の投資顧問は語る。

 ソフトバンクグループは、サウジと共同で1000億ドル(10兆円強)規模の投資ファンドを設立すると発表した。だが、これに続く「二の矢」が日本企業から放たれる様子はない。