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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2023/02/09〜2023/02/10

歴代最長となった黒田東彦総裁の後任選びは難航した。政府が本命視していた雨宮正佳副総裁が、今後の金融政策には新しい視点が必要だと就任を固辞したためだ。政府が最終的に頼ったのが植田氏だった。経済学者でありながら実務経験もあり、現在の金融政策に精通していると判断した。

日銀の異次元緩和は前例のない実験だった。国債の大量購入で、日銀の国債保有額は13年3月の125兆円から23年1月の583兆円へと4倍超に拡大。発行済み長期国債の5割以上を買い占めた。上場投資信託(ETF)の保有額(簿価ベース)も1.5兆円から36.9兆円に増え、多くの上場企業の主要株主になる異常事態となった。

日銀が13年に政府と結んだ共同声明の見直しも焦点だ。物価2%目標を「できるだけ早期に実現する」という文言が、緩和一辺倒の硬直的な政策運営につながったとの指摘がある。岸田文雄首相は「見直すかどうかも含めて新しい日銀総裁と話をしなければならない」との立場だ。植田氏の判断に注目が集まる。

政策修正を探るにしても、経済・物価への影響を見極めながら慎重に進めざるを得ない。金利上昇は家計や企業の負担増に直結するためだ。国債残高が1000兆円規模に膨らむ財政への影響も大きい。金融政策の正常化は「狭い道」で、一歩踏み外せば金利上昇や円下落を招きかねない危うさもある。(日経新聞)