ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

三菱HCキャピタル(株)【8593】の掲示板 2020/08/28〜2020/11/13

>>1019

既に過去の投稿でどなたかがコメントしているかもしれませんが、機関投資家が足元で一番懸念しているのは航空機リース(オペレーティングリース)です。

航空機リースのリスクは①債権回収リスク、②残価リスクの2つです。
①エアラインからリース料が回収できるか
②契約当初に設定した残価額を満了時の市場価格が下回らないか(残価10億円に設定した機体が満了時に市場価格が7億円の場合、3億円の減損発生)

これまでは航空需要が順調に推移していたため債権回収リスクはなく、機体需要の高まりから残価リスクもありませんでした。しかし、既知の通り、債権回収リスクが顕在化し、未収リース料に対して貸倒引当金を積み、満了を迎えた機体を減損する事態になっています(各社IRご参照)。

「エアラインやボーイングの株価が戻っている」等のコメントが散見されますが、従業員の解雇・希望退職や減給などの対応が一定の評価を得ている、もしくはワクチン開発後の株価回復を見込んで投資家が株を買っているだけで、航空需要が元に戻っているわけではないはずです(需要があるのであれば、各エアラインが従業員・保有機材を削減する説明がつきません)。

三菱UFJリースの株価が他リース会社に比べて冴えない理由は以下2点が考えられます(他要因も複数あると想定されますが、ここでは航空機リースのみ論じます)。

(1)航空機セグメントの実績がよくない
航空機セグメントの2Qのみの純利益は1億円でした。IR資料を見る限り、2Qに満了を迎えた機体はなく減損はゼロでした。航空需要が回復するまでの間にリース契約の満了を迎える機体があれば残価と市場価格の乖離による減損が生じるため、3Q以降に更に悪化する可能性が高い(2Qは減損がなく、まだマシだった可能性がある)。

(2)ボーイングに発注した30機の減損・オフリースリスク
2018年にボーイングに737MAX8を30機発注しており、2023年より納入が開始される予定です。IATAによると世界の航空需要の回復は2024年ですので、航空需要回復前に機材が納入された場合に減損が発生すること、需要がないために貸し先が見つからず費用だけが発生するオフリース状態になることが懸念されます(仮に1機50億円で購入し市場価格が30%低下したとすると450億円の減損発生)。