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フューチャーベンチャーキャピタル(株)【8462】の掲示板 2018/12/22〜2019/02/07

>>744

電力の供給や制御に使うパワー半導体の分野で、新しい材料の「酸化ガリウム」を使う研究が盛り上がってきた。先行した他の材料は安く大量に製造できない課題がある。この新顔はシリコンと同じように大きな結晶を作りやすい。情報通信研究機構未来ICTデバイス先端開発センター長の東脇正高さんは「10年以内に実用化し、日本から半導体分野のイノベーションを起こしたい」と語る。
現在主流の半導体材料のシリコンは、大きな電流と高い電圧での動作は苦手だ。回路を工夫してやむなく使っているが、装置が大型になり電力の損失も大きい。新しいパワー半導体の開発は世界共通の課題といえる。
炭化ケイ素や窒化ガリウムといった材料を使う研究が先に進められ、電車の電源装置に採用されるなど一部で実用化が始まった。期待が寄せられる一方で、課題も残る。これらの材料は良質で大きな結晶を作るのが極めて難しい。簡単にコストを下げられない。
酸化ガリウムはこの問題を解決できる有望な候補だ。シリコンと同じように溶かした材料を固める製法で大きな結晶を作れる。品質もよい。半導体として備える潜在能力は高く、うまく素子を作れば炭化ケイ素や窒化ガリウムをしのぐ性能を出せるだろう。
ただ実用的な半導体素子を作る研究がこれまでなかなかできなかった。素子の構造をしっかり作る「イオン注入」という加工技術が確立しておらず、応用はかなり先とみられていたためだ。結晶を作るメーカーもなかったが、情通機構の技術移転を受けて1社が、生産できるようになった。素子を作る実用的な方法にも、2018年に明るい見通しを得た。
パワー半導体の研究動向をみると、特に米国は酸化ガリウムに切り替えたようだ。この分野の研究はこれまで日本が世界を引っ張ってきた。この勢いを失わず、競争力のある産業に育ってほしい。