ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)みずほフィナンシャルグループ【8411】の掲示板 2024/02/28〜2024/03/02

>>803

みずほを悩ませてきた資本の制約からも解放されつつある。資本不足を理由に、3メガバンクが公募増資による資本増強に走った00年代後半。三井住友フィナンシャルグループが約1兆8500億円を調達したのに対し、みずほは株価低迷のあおりで1兆3000億円弱にとどまった。

その結果として、普通株など狭義の自己資本で測る財務の健全性でライバルに劣後。三菱UFJフィナンシャル・グループが08年10月に米モルガン・スタンレーへ総額90億ドル(当時の為替レートで約9000億円)の出資を実行した一方、みずほは大胆な戦略投資へ打って出る余力に乏しかった。

そうした状況は改善されつつある。普通株式等Tier1(CET1)比率は目標の9%台前半を21年3月に達成し、23年12月末には9.7%を確保した。三井住友(10.0%)と遜色ない水準になり、利益の蓄積による財務の改善から「資本の有効活用を模索する局面へのモードチェンジ」(幹部)を果たしている。

昨年12月にはM&A(合併・買収)助言会社の米グリーンヒルを5億5000万ドル(発表した当時の為替レートで約760億円)で買収。楽天証券に累計で約1700億円を投じ、出資比率を49%に高めるなど攻勢を強めている。今後は株主還元の強化と並び、戦略的なM&Aを駆使しながら成長への期待を示し続けられるかが重要となる。

株価が2829円を上回っただけで、1兆円増資に応じた全取引先への責任を果たせるわけではない。282円90銭より高い価格で普通株に転換した企業も少なくないからだ。PBR(株価純資産倍率)は0.72倍にとどまり、目標とする自己資本利益率(ROE)8%に届かない状況が続く。節目の株価を超えても社内の高揚感は乏しい。経営陣が見据えるのは「2829円」より先の成長だ。