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菱洋エレクトロ(株)【8068】の掲示板 2015/04/29〜2020/03/11


前述の地方営業担当者はこう説明する。「機器販売なら1案件当たり1000万円でも、システムとして販売すれば数千万円になる」。膨大な種類の中から適切な機器を選定し、ソフトと組み合わせてシステムとして構築するのは専門性の高い仕事だ。顧客の現場ニーズを的確に捉えたシステムを納入し、高い利益率を維持し続ける。
原動力は足で稼いだ顧客データだ。キーマン情報や現場の悩みを数十年かけて蓄積し、それを基に営業と製品開発の戦略を絶えず更新する。
営業面では「顧客への電話は週に何回が最も商談に結びつきやすいか」といったデータを製品分野ごとに毎週集計し、妥協せず無駄を省く。飛び込みなど非効率な営業は決してしない。
製品開発で重視するのもデータだ。開発担当者のもとには毎月、全世界の営業マンが顧客の工場に足しげく通って作成した「ニーズカード」が大量に届く。「機器サイズを今の半分に」「ペットボトルの不良を検知できるカメラが欲しい」など、営業マンがヒアリングした顧客の悩みを詳細に記載。開発担当者は膨大なデータを基に「まだ世の中にない機能」をキーワードに開発を進める。
これが顧客の心をつかむ。ある中国企業は「他社がカタログベースの説明に終始するなか、キーエンスだけはニーズを捉えた提案を自らしてくる」と評価する。
だが実は、営業担当者と開発担当者はほとんど顔を合わせない