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伊藤忠商事(株)【8001】の掲示板 2016/07/27

投資の失敗 伊藤忠による出資のほぼ直後から燃料炭の価格は急落し、2011 年ピーク時の 132 ド
ルから 64%下落して 2016 年には 47 ドルに達した。ストライキや運営上の問題が炭鉱における生
産を妨げ、事態をさらに悪化させた。2013~2015 年 3 月期にかけて、石炭の生産量は予想された
水準を 26%下回っていた。この投資が抱える問題の多さを受けて、ブルームバーグまでもがドラ
モンド JV の炭鉱資産の価値は 2013 年時点でわずか 30 億ドルであると発表した。これは伊藤忠
の投資時から 60%の下落を意味する。石炭価格はその後も下がり続けた。
b. 損失認識を回避する手段としての区分変更 2015 年 3 月期第 3 四半期の決算説明会で、伊藤忠の
経営陣は「石炭価格の下落や過去のストライキ等々の状況を踏まえ」「投資回収は難しい」と述
べた。しかし損失や減損を認識する代わりに、2015 年 3 月期に伊藤忠は不適切にもドラモンド JV
に対する持分を「関連会社投資」から「その他の投資」(FVTOCI 金融資産)に区分変更した。さ
らに、伊藤忠はこの区分変更に伴い連結会計上損失や減損を認識することはなかった。これは伊
藤忠がドラモンド JV を連結会計から除外することを可能にし、投資から生じた損失や減損が伊
藤忠の報告する純利益に影響することはなくなったことを意味する。弊社の見解では、伊藤忠に
よる区分変更は現行の会計ルールに照らして不適切であり、ドラモンド JV の投資の失敗にかか
る損失の認識を回避することが唯一の動機である。