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任天堂(株)【7974】の掲示板 2019/12/12〜2019/12/15

スイッチに関するいろいろな記事や書き込みなどを見ても、スイッチについての技術的な背景について、表層的なことしか書かれていません。Tegra X1についてのことや、NVIDIAが持つ基本ソフト環境の開発スキルのことや、その開発資源をスイッチに提供してくれていること、その中にはCG関連のNVIDIAのソフト資源、Free BSD UNIX OSの移植とサポート、さらに自動車関連で蓄積されたNVIDIAの知見なども含まれていること、さらにその背景にあるTSMCの半導体製造技術の進歩と、そのなかでのTegra X1のポジショニングと技術支援などがあります。

この3年間で多くの文章を読みましたが、これらのキーワードを目にすることはほぼ皆無でしたし、極めてまれに目にすることはあっても、それはなんとなく言葉として使っている程度であり、その背景や関係性に対して深く洞察している様子ではありませんでした。

これらのことから考えて、スイッチの技術基盤に関しては、世界はほぼ完全に理解していないと思います。理解できているのは本当に少数の人達だと思いますし、その人達はというと、今度はゲーム娯楽産業に対する興味は浅く、積極的な発言は期待できません。

そもそも、M+GAFA+Cに所属するゲーム関連の技術者ですら、どのていどまで理解できているか、かなり怪しいところがあります。さらに任天堂の社員さん達ですら、全員となるとちょとどうかわかりません。また任天堂で証券会社などの調査員に対応している広報などの方がどうかわかりませんし、さらに彼らが理解していたとしても、それを証券会社などの調査員に言ったところで、こんどは調査員の理解力の範疇を超えていますから、そこで情報の伝達は途切れます。

もし冒頭に書いたようなことが理解されていないなら、スイッチというハードは、従来の任天堂のハード製品と同等の盛衰を辿ると見なされても仕方がありません。逆に冒頭のことを知らないで、スイッチというハードの寿命について長期だという分析が出るとしたら、それこそ異常な分析です。

要するに、市場のスイッチに対する理解は、約5年くらいのサイクルで、全てをほぼゼロから作り直す、賽の河原の石積み方式の開発が今も踏襲されているということになります。

その仮定に立つと、来年くらいがピークであり、そこから衰退が始まり、ソフトの売り上げも減り始め、5年目くらいとなる2022年ころに業績の谷があり、それからまた復活劇があるというシナリオが全体で共有されることになり、そのシナリオにそって株価が価格形成されることになります。これが証券業界の任天堂の株価に対するメインシナリオでしょう。

そんなばかなと思っても、無知な人たちにそんなことを言っても、それは馬耳東風、馬の耳に念仏などということであり、仕方のないことです。

近視眼的なフレミングの集団行動のように、機関投資家も個人投資家も、自分たちの浅薄な理解を妄信し株価の谷底に猛進し、その底であたりで、実はスイッチというのはハードのことではなく、ソフト的な規格のことであることが判明し、しかも任天堂の利益はそのソフト的なスイッチという規格に賛同している任天堂アカウントのアクティブユーザ数に比例しているということに気がつき、そこから上昇に転じます。

ここでのチェックポイントは、スイッチの開発の方向です。スイッチが性能を据え置きにして小型化、軽量化、低価格化の方向を維持してくれていれば、任天堂は正しい判断ができていると評価できます。

その反対にスイッチの性能を優先し、サイズや消費電力や価格を据え置きにするなら、任天堂は正しい判断ができなくなったと解釈でき、その段階ではなれればいいだけのことです。

じつは自分はこのことを一番心配していたのですが、ライトを製品化してくれたことで、任天堂は正しい判断ができているということに確証を持てました。

ということで、別のチェックポイントは、証券業界がどの段階で、スイッチの本質に気が付くかです。その意味でR証券のIさんは、非常に使いやすい目印になります。

なお、自分が心配していたもうひとつのことは、テンセントがスイッチと同じような製品化を開発し中国で成功させ、それを欧米に輸出しスイッチと競争することでした。しかしテンセントがスイッチの販売をすることで、テンセントが敵になる心配が無くなりました。このことの意味はとても大きいのです。これについても誰も何も言っていません。しかし戦略的に大きなポイントです。