ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリング【7774】の掲示板 2016/06/24〜2016/09/20

>>620

続き
できる事から着実にやって欲しい。

Dendreon とJ-TEC の製品はいずれも自家細胞治療であった。自家細胞治療
は患者から細胞を採取し、医療機関もしくは培養・加工専門企業のもとで培養
し、再度医療機関にて患者に投与される、所謂医療サービス業のモデルであ
る。自分の細胞を使用するため免疫拒絶反応がなく究極の個別化医療と言え
るが、製造コストが高く緊急時の対応が難しいという点で商業的には難しい領
域である。また、患者にとっては複数の施術が必要となるため負担が大きい。
一方、他家細胞治療はドナーからの細胞採取後、細胞バンク等での作り置き
が可能であり、患者への投与が必要な際に迅速に対応できる、所謂製造業の
モデルである。従って、製造コストの圧縮に加えて一定品質の製品を作ること
ができるが、免疫拒絶反応への対応が必要になる。以上を踏まえると、今後は
免疫拒絶反応が強い領域では自家細胞治療、免疫拒絶反応が弱い領域で
は他家細胞治療といったように、対象領域によって棲み分けが進んでいくもの
と考えられる(【図表31】)。従って、製薬企業はどちらの治療法でアプローチ
していくのか検討することになるが、特に自家細胞治療の場合は製造コストの
低減が難しいため、高価な製品でも受け入れられるアンメット・メディカル・ニ
ーズの高い領域かどうかに加えて、今後競合となる治療法が生まれる可能性
がどの程度あるか等、慎重な判断が求められよう。

(株)ジャパン・ティッシュエンジニアリング【7774】 続き できる事から着実にやって欲しい。  Dendreon とJ-TEC の製品はいずれも自家細胞治療であった。自家細胞治療 は患者から細胞を採取し、医療機関もしくは培養・加工専門企業のもとで培養 し、再度医療機関にて患者に投与される、所謂医療サービス業のモデルであ る。自分の細胞を使用するため免疫拒絶反応がなく究極の個別化医療と言え るが、製造コストが高く緊急時の対応が難しいという点で商業的には難しい領 域である。また、患者にとっては複数の施術が必要となるため負担が大きい。 一方、他家細胞治療はドナーからの細胞採取後、細胞バンク等での作り置き が可能であり、患者への投与が必要な際に迅速に対応できる、所謂製造業の モデルである。従って、製造コストの圧縮に加えて一定品質の製品を作ること ができるが、免疫拒絶反応への対応が必要になる。以上を踏まえると、今後は 免疫拒絶反応が強い領域では自家細胞治療、免疫拒絶反応が弱い領域で は他家細胞治療といったように、対象領域によって棲み分けが進んでいくもの と考えられる(【図表31】)。従って、製薬企業はどちらの治療法でアプローチ していくのか検討することになるが、特に自家細胞治療の場合は製造コストの 低減が難しいため、高価な製品でも受け入れられるアンメット・メディカル・ニ ーズの高い領域かどうかに加えて、今後競合となる治療法が生まれる可能性 がどの程度あるか等、慎重な判断が求められよう。

  • >>621

    まとめ

    本稿で見たように、薬事法改正や再生医療等安全性確保法の施行、再生医療分野への重点的な研究開発予算の配分、企業の積極的な取組み等により、わが国は再生医療分野において順調に走りだしている。
    しかしながら、再生医療は未だ萌芽期にあり、徹底した安全性の確保や倫理面での検討、ビジネスモデルの確立やバリューチェーンの構築など乗り越えるべき課題は多い。ともすれば、安全性や有効性への懸念から産業化に疑問が抱かれることがあるかもしれない。従って、再生医療を一つの産業として育てていくには、企業や医療関係者、政府のみならず、患者も含めた社会全体で再生医療を育成していくという長期的なコンセンサスが不可欠である。
    再生医療は、注目される次世代医療技術の中でも我が国が競争優位に立ち得る数少ない分野である。まずは確実に再生医療分野で確固たる地位を確立し、劣勢となっているほかの医療分野での巻き返しのための橋頭保にすべきではないだろうか。本稿が我が国における再生医療産業育成の一助となれば幸いである。