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(株)グローバルダイニング【7625】の掲示板 2021/12/08〜2022/05/29

グローバルダイニン グローバルダイニング、飲食店への時短命令、「違法判決」が与える影響度(3)
2022/05/25 13:15

 地裁は上記の基準を持ち出したうえで、今回は緊急事態宣言解除3日前の命令だったこ
と、グローバルダイニングは換気や消毒など一定の感染症対策を講じていてクラスター発
生リスクが高いと確認できなかったこと、都はこうしたクラスター発生リスクの有無を個
別に判断せず命令を課したこと、などを理由に、今回の命令は特措法が定める要件を満た
さず違法と結論づけた。

 東京都の担当者はこの地裁判断について、「緊急事態宣言解除の何日前までに命令を発
出しろとは特措法に明記されておらず、(解除まで)数日しかなければ命令は必要ないな
らば、(宣言期間の)終盤には時短要請に応じなくてもいいとなってしまう」などと反論
。そのうえで、命令は「適正かつ必要に行っていた」(同)と語る。

 一方で原告代理人弁護士の倉持麟太郎氏は「命令を出す際には、要請に従っていないこ
とに加えて(感染対策の状況など)個別の事情をしっかりと精査しなさい、という内容だ
。いい意味で、行政側にコストを課すこととなった」と、判決の意義を強調する。

 外食業界では、命令を違法と断じた判決を支持する声も上がる。上場居酒屋チェーンの
社員は「感染症対策という目的だけでなく、時短命令や過料という罰則が怖くて1年近く
も営業時間の短縮措置を講じてきた」と振り返る。「時短に踏み切るたびに客は離れ、現
場のメンタルは疲弊した。司法の場で時短命令の是非などが検証された意味は大きい」(
同)。

 今回の判決により、この先感染が再拡大する局面でも、行政サイドは時短命令というカ
ードを切りにくくなる可能性がある。地裁が言う「個別の事情」を判断するため、おびた
だしい数の飲食店に対して感染対策の状況などを逐一確認するには、時間と労力を要する
からだ。

 前出の都の担当者も「命令発出までには、飲食店に個別の要請や弁明の機会の付与など
の手続きも行う必要がある。加えてそこまで(個店別の感染症対策の状況をチェックする
ことを)行っていると、命令すること自体が時間的に難しくなる」と指摘する。

(中尾 謙介)

(株)東洋経済新報社
 
© Thomson Reuters
データ:フィスコ社提供