ここから本文です

毎日新聞1月19日20:40配信
◇有力スポンサー候補2陣営

 エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題に揺れるタカタを巡り、同社に出資を検討している有力スポンサー候補2陣営がタカタの国内本社に法的整理を提案した。裁判所を介した透明性の高い手続きで総額1兆円規模とされるリコール費用のタカタ負担分を明確化し、再建手続きを加速させる狙いと見られる。タカタは私的整理での再建を目指しており、調整は難航する可能性がある。

 関係者によると、法的整理を提案したのは、スウェーデンのエアバッグ世界最大手オートリブと、中国系の米自動車部品会社キー・セーフティー・システムズ(KSS)。

 タカタは米国法人に日本の民事再生法に相当する米連邦破産法第11条の適用を検討中とされる一方、国内本社は私的整理による再建を主張してきた。リコール費用を肩代わりしている国内外の自動車メーカーにも、部品の安定供給を最優先する立場から、一時は私的整理に理解を示す声があった。

 しかし、リコール費用の負担割合など具体的な協議に入ると、タカタや自動車メーカーごとの思惑が入り乱れて難航。業を煮やした自動車メーカー側からは「株主への説明責任を果たすためにも透明性の高い法的整理の方が望ましい」(国内自動車関係者)との声が出始めた。タカタはエアバッグ事故の被害者らによる集団訴訟リスクを抱え、全体の負債額が把握しづらいことも、法的整理案を後押ししている模様だ。

 もっとも、法的整理が適用されれば多くの取引先の中小企業にまで支払い遅延などの影響が及びかねない。タカタ株が無価値になる可能性から金融市場の混乱も予想される。

 タカタは2月にもスポンサー企業を固めたい考えだが、「この時期に法的整理案が表面化すること自体、タカタに譲歩を迫るための策ではないか」(部品メーカー幹部)との見方もあり、事態は神経戦の様相を呈している。【宮島寛】

 ◇法的整理

 経営難に陥り、借金返済や取引先への支払いができなくなった企業が、法律に基づき、裁判所の管理下で債務を大幅に削減してもらう倒産手続き。手続きを定めた具体的な法律としては、借金を減らした上で再建を目指す会社更生法や民事再生法、保有する財産を銀行などの債権者に分配して会社をたたむ破産法がある。裁判所が手続きを管理するため、公平性や透明性が高い半面、「倒産」のイメージが強く、顧客離れが進むリスクもある。

 一方、裁判所を介さず銀行などと企業が話し合いで借金減額や再建計画を決める手法を「私的整理」と呼ぶ。法的整理より倒産色は薄まるが債務削減が徹底されなかったり、経営責任があいまいになったりする恐れもある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170119-00000101-mai-bus_all