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新光電気工業(株)【6967】の掲示板 2023/05/26〜2023/06/16

バフェットが次に買う株は 「日経平均5万円」の現実味

エミン・ユルマズの未来観測

2023/6/16 5:00 日経電子版


日経平均株価が勢いよく3万円台に突入しました。短期的な過熱感には注意が必要なものの、私は3万円台が割高な水準とは全く思っていません。2025年のうちに5万円到達も十分あり得ると思っています。

相場が勢いを増したきっかけは米国の著名投資家、ウォーレン・バフェット氏(以下、敬称略)の日本株買い増し方針ですが、日本株が買われる理由は以前から強まっていました。バフェットの行動がその認知度を高めたのです。

まずは新しい米中対立の中で日本の重要性が高まっているという事実です。バフェットは、半導体ファウンドリー(製造受託)の台湾積体電路製造(TSMC)に投資したものの、すぐに大半を売却しました。彼はTSMCの企業価値を評価しつつも、台湾の地政学リスクが大きく、日本の方が安全だという趣旨の発言をしています。株式市場では「台湾有事の際は、中国の手に渡るくらいなら、米軍がTSMCを空爆する」などと予想する声もあるのです。

その視点で言えば、東アジアで投資していい株式市場は日本だけです。中国も香港も台湾も危ないからです。実際に香港株は大きく下落しています。韓国やシンガポールのリスクはそれよりは低いですが、日本市場と比べて規模も厚みも圧倒的に足りません。

世界2位の株式市場の強さ

エコノミストのエミン・ユルマズ氏
理解していない人が意外と多いのですが、この「規模と厚み」は日本株市場の大きな強みです。日本市場の時価総額は約4.1兆ドル(約574兆円)で、米国に次ぐ世界2位(※)。国内総生産(GDP)で日本に勝る中国も株式市場はまだ小さく、欧州先進国にも日本に匹敵する市場は一つもありません。30年にわたって衰退していると言われ続けながら、確固たる地位を保っているのです。


「厚み」、つまり時価総額が大きいだけでなく、セクターや企業の多様性が非常に高い点も日本市場の魅力です。韓国なら半導体、シンガポールなら金融業の競争力は高いですが、多様性という意味では日本に遠く及びません。

米国市場の規模は日本のさらに10倍ですが、近年はそこにゆがみが出ています。アップルの時価総額は3兆ドル弱で、日米以外の全ての「国」の株式市場を上回ります。ごく一部の銘柄、具体的にはエヌビディアやマイクロソフトのような、人工知能(AI)ブームに乗った銘柄に、いくらなんでも資金が集中し過ぎているのです。

AIバブルの終了など、米国市場が抱えるテールリスクを考えれば、資金の一部を日本市場に移した方がダウンサイドリスクが少ない。バフェットはそう判断したのではないでしょうか。

「日経平均が上がっていても、ごく一部の値がさ株の寄与度が大き過ぎ、市場全体が強いとは言えない」という声もあります。確かに値がさ株に集中している傾向はありますが、米国の集中度合いと比べればはるかに健全です。

そして物色される銘柄の幅は、これから広がっていくでしょう。機関投資家には時価総額が一定以上でないと投資できないというルールがあり、大きな機関投資家であれば時価総額で1兆円が一つの境目。このような機関投資家が買いの主役だからこそ、ここまでのブル(強気)相場は一部の大型株がけん引したのです。

しかし日本株全体の時価総額が底上げされれば、機関投資家の基準を満たす銘柄が増えます。海外投資家が入ってくればくるほど、さらに海外投資家が参入しやすくなるという好循環が、今の日本株には起きているのです。



バフェットが次に買う日本株

今から日本株に参戦するなら、「バフェットが次に買う銘柄は何か」という視点も面白いでしょう。私はメガバンクと半導体関連だと予想しています。



バフェットが狙いそうなセクターは半導体でしょう。地政学リスクからTSMCを売却したとはいえ、これからの時代に不可欠な「資源」である半導体への見方は強気なままのはずです。

となれば、日本の半導体関連株は有望な乗り換え先です。AIバブルが起きている米国と比べて、製造装置や素材などの地味な裏方が多い日本の半導体株は、株価に余計なプレミアムが乗っておらず、競争力も高いところが多いのです。

また、新NISAで個人投資家が動くなら、割安な中小型株が最も上昇率が高くなるかもしれません。いずれにせよ日本株の今後は明るく、まずはバブル超えの史上最高値の更新、そして5万円を達成できる可能性は高いでしょう。