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レーザーテック(株)【6920】の掲示板 2019/12/30〜2020/01/12

 以前にも予告した通り、年末~年始休暇を利用して中国での半導体セミナー参加と数社の企業見学を兼ねての半導体企業調査から戻ってきました。ついでに最終日に中国半導体企業の人と一緒に上海近郊で楽しくゴルフもしてきました。以下、概略を述べますが、長文になりそうなので中国半導体企業に興味のない人はスルーして下さい。

 いろいろ印象に残ったことが数々あります。やはり、現地に行って初めて分かることが多いです。一言で言えば、半導体市場絶好調の2017年にシリコンバレー(米国)を訪問した時と同じぐらい目覚ましいほどの高成長を目指す中国半導体企業がファブレス半導体企業H〇〇(ファーウェイ傘下の半導体企業:2019年上期世界半導体シェアランキングベスト20内企業で対前年同期比+25%の世界NO1高成長性を示した企業)を中心にして数多く存在しているということです。特に、中国国内で半導体のファブレス企業が1年半前の調査と比較して米国同様目覚ましい進展を遂げています。H○○以外の注目関連ファブレス企業としてはD○○とZ○○でしょうか。ファーウェイ他数社の5G通信企業と協力して5G関連のチップセットを開発して。クアルコム、ザイリンクス、ブロードコムなどのファブレス半導体企業もうかうかしていると追い抜かれると思われます。S〇〇、L○○、U○○企業などに。さらに、中国での国内及び海外半導体企業の新工場増築計画も情報入手してきました。毎年10万枚/月規模の生産能力を有する新工場を次々と設立するY○○などの企業は別格としても、中国国内に存在する海外半導体企業の新工場設立を上回るハイペースで中国半導体企業が新工場を建設しています。中国半導体市場の成長性を考慮してT○○やU○○やP○○などの海外台湾企業も積極的ですけども。このリストは今後の中国半導体製造装置市場の成長性を予測するうえで重要な参考になると思われます。また、F〇〇が珠海市に1兆円規模の大型投資をして新工場設立に動き始めていることには中国の半導体企業も一様に関心を寄せています。
そのため、中国市場における株式投資を止めてから約1年半ほど経過しましたが、再度中国半導体成長企業に投資挑戦したいと同行した仲間と決意したほどでした。投資主体は米国株優先で進めることに変化はないですが。日本株もほどほどに。半年前から調査していたインド市場に今年初めて参入する計画です。昨年のベトナム市場に倣って。株式投資の格言「楽観は禁物、悲観は好機」どおり、売買したいと思っています。

 やはり、米中貿易摩擦でも取り上げられている中国の国家支援制度の後押しが凄いです。11月6日に発表された国家支援基金ファンド「国家集積回路産業投資基金(NICIIF PhaseⅡ)」(略して、「第二期国家大基金(298憶$:約3兆円)は2019年世界半導体上期市場の15%に相当する支援大基金です。民間企業が半導体産業に投資する場合、中央政府と地方政府と公共企業が最大80%の直接投資をして、IC産業の発展を後押しする制度です。これにより、中国半導体の自給率を高め国家目標(2025年:70%)に少しでも貢献するよう推進したいという戦略です。現状から判断して相当無理な国家目標だと思っていますが。5G戦略(2019~2020年:50憶$投資→5G基地局7~9万局建設、5G対応スマホ出荷シェア:18%(2020年)→63%(2023年))展開と2022年の「北京冬季オリンピック」開催を目標にして。

 更に、驚いたこととして、スマホ向けプロセッサーのIPで世界シェア首位のア○○(英国)が深圳に子会社ア○○チャイナを設立してファーウェイ(英国ア○○とは技術提携済み)の5Gスマホ回路設計アーキテクチャ面で協調貢献しているということです。中国国内にその他の半導体回路専門設計会社(H○○、C○○など)もでき、ブルートウース用半導体チップ設計と販売(生産は委託)を推進して急成長している企業L〇〇もあります。

 現状では、半導体製造装置企業は極めて遅れており、半導体生産ラインの約70~85%は海外企業からの輸入で対応しています。但し、CVD,PVD,ドライエッティング、リソグラフィ(Krf、Arfドライ、Arf液浸)、パーティクル検査、CMPなどの装置製造・販売企業などは中国国内で育って、国内の主力半導体企業S○○に装置を提供して実績を積んでおり、中国半導体設備投資急増(12月にSEMIが公表した半導体設備投資予測では中国が台湾を抜いて2021年に首位に立つ予想)で将来侮れない企業に成長すると予測されます。中国先端半導体企業は中国内の半導体製造装置企業に開発要請するだけでなく、EUV露光装置もASMLに発注しています。現在、ASMLはEUV露光装置を米国内で約20%製造していますので、「米国知権技術25%以上関与製品輸出制限」法に抵触しそうなので輸出を躊躇していましたが、最近オランダ政府に輸出許可申請を提出したようです。今後どのようになりますか注目したい事項です。しかし、回路パターン検査やマスク検査装置に関しては、米中貿易摩擦のためにKLA-Tencorがパーツメーカーと契約締結強化しており重要部品を中国装置企業が米国から入手することがむづかしく先端検査装置開発に課題がありそうです。でも、検査装置開発計画は入手リストに記載されていましたので必要パーツさえ入手すれば開発完了時期は早いようです。既に、中国国内の第4世代NANDフラッシュ開発半導体企業(サムスンやSKハイニックス同様7nmプロセス適用)や5G用第2世代(7nm)及び第3世代チップセット(5nm)半導体開発企業からは要請があるので。高出力レーザー光源や高感度センサーなどのパーツを購入するために日本の数社企業とコンタクトしているようです。企業名は明かさなかったですがH○○及びU○○ではないかと推測します。

 2020年以降も多くの中国及び海外半導体企業の新工場設立には、米中貿易摩擦の解決には時間がかかりそうなので、今が日本半導体製造装置企業の中国シェア獲得のチャンスだという認識を今回の企業訪問で新たにし、投資先として急成長しそうな中国半導体関連企業を見つけだしたことが今回の中国出張の収穫でした。