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ANA、路線拡張が重荷に コロナ禍が迫る構造改革
新型コロナ 日経産業新聞 コラム(ビジネス) 自動車・機械 サービス・食品
2020/10/27 2:003274文字[有料会員限定]
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞
ANAはJALの牙城であるハワイ攻略の切り札として超大型機「A380」を成田―ホノルル線に投入した
ANAはJALの牙城であるハワイ攻略の切り札として超大型機「A380」を成田―ホノルル線に投入した

新型コロナウイルスの感染拡大で航空業界で最大手のANAホールディングス(HD)が事業の構造改革を迫られている。2010年に破綻した日本航空(JAL)からナショナルフラッグキャリアの座を奪ったが、コロナ禍による需要蒸発で過去の積極投資が「翼」の重荷に一変した。身を縮めて難局をしのいだ先に、どんなエアラインの姿を描くのか。

■コロナ禍で空を飛べない超大型機「A380」
政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」などの効果もあり、明るさが戻りつつある羽田空港。対して東京と海外を結ぶ空の玄関口である成田空港はいまだ閑散とした状況が続く。「かつてない危機にある」。ANA幹部から異口同音に語られる危機の中、その成田から飛び立つ先を失ったままの巨体がある。欧州エアバスの超大型機「A380」だ。

カタログ価格は1機約500億円とも言われる。ANAのA380は席数520と国内最大で、19年5月にJALの牙城であるハワイ攻略の切り札として成田―ホノルル線に投入された。

就航当初から満席となるなど高い人気を集めたが、新型コロナで同路線が運休した後は定期路線で運航できていない。席数の多いA380は国際線はハワイのように需要の大きな路線にしか投入できない。国内線も運航には「誘導路やターミナルの改造が必要になる」(国土交通省航空局)ため難しいとされる

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    背景にあるのは新型コロナの感染者の違いだ。米国では1日当たりの感染者数が8万人を超え、過去最多を更新。ドイツなど欧州でも都市封鎖が検討されているという。一方で日本を含むアジア各国は比較的に感染者数の拡大が抑えられている。中国を中心に経済活動の再開が進む。

    本格化した決算発表でも、経済活動の好転がみられる。26日に2020年4~9月期の決算を発表した日本電産は、通期の業績見通しを上方修正した。前週末に発表した村田製作所も4~9月期の業績が想定を上回った。「日本は地理的にも中国に近く、中国需要拡大の恩恵を受ける企業に買いが集まっている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト)という。

    27日に市場の安心感を誘ったのは、大幅安が続いていた中小型株の反転だ。「アジア株の底堅さを見て日本の個人投資家が押し目買いを入れている」。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストはこう話す。前日まで4日続落していた東証マザーズ指数は朝安後に切り返し、1.8%高の1220で午前の取引を終えた。東証1部では、日銀の株価指数連動型上場投資信託(ETF)買いを背景とした好需給も相場を支える。

    岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは「コロナ禍が収まれば、次にお金の向かう先は景気敏感株だ。世界の景気敏感株である日本株が先回り的に買われている面もある」と指摘する。米国のハイテク株に資金が向かっていた反動で、日本の景気敏感株が見直されている側面もある。

    欧米株の急落とアジア株の底堅さは、世界経済が新型コロナ禍から抜け出せるのか、再び悪化してしまうのか、その狭間にあることを示している。アジア株は相対的な買いやすさから下値は固いものの、欧米景気の悪化がアジアに波及してしまうリスクも残る。アジア株だけ上値を追うには力不足との声が強い。