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中外製薬(株)【4519】の掲示板 2020/06/05〜2020/06/13

毎日新聞に「幻の科学技術立国」という特集記事があり、「誰が科学を殺すのか
科学技術立国崩壊の衝撃」というタイトルで書籍化されている。2011年、日本の
科学技術振興機構が開発した薄膜トランジスタを製品化する権利をサムスンに売却
したため、ネットで非難を浴びて大炎上した。しかし同機構は日本企業に売ろうと
したのだが、どこの企業の担当者も後ろ向きの話しかしない。結局、論文発表時か
らコンタクトがあったサムスンに売却が決まったのだ。

脳梗塞の治療薬を開発した日本人科学者がいた。ベンチャー企業を立ち上げて製品
化に乗り出そうとした。よくある話だが、治験の途中で資金が尽きた。大手製薬に
話を持ち込んでも、「うちは脳梗塞はやってない」とネガティヴな話しか出てこな
い。まともに話を聞いてくれたのが、米製薬企業バイオジェンの日本法人だけ。
「どうしたら製品化できるか」という前向きの質問ばかりで、 日本企業との違い
に驚く。そこのトップは薬学博士の学位を持ち、強力にプッシュしてくれて、日本
のバイオベンチャーでは過去最大規模の出資を受けたという。

サントリーや出光を始め、大企業の創業者は豪快で器の大きな人が多い。
「やってみなはれ」がサントリー創業者の口癖だったという。そうでなければ、
創業した企業が大成功を収めるはずがない。しかし後継者たちは、サラリーマン
社長ばかりで、リスクを取ることを極端に恐れて、成功した他社の後追いばかり
やりたがる。利益は微々たるものだが、リスクがないからだ。こういうやり方で
は、いずれ社員の高給を維持できなくなり、大幅なリストラは避けられなくなる。
先人が残してくれた遺産を喰いつぶしている状態だ。日本経済がジリ貧に陥って
きたのは、技術をパクる中韓のせいばかりではない。日本人が自ら選んだ結果で
あり、自業自得だといえる。