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リケンテクノス(株)【4220】の掲示板 2024/02/08〜

5/10の「人とくるまのテクノロジー展 2024」に出展というIRには、リケンテクノスが次世代太陽電池の研究に参加するという驚きの内容が含まれてましたね。
「ペロブスカイトと同様に注目される次世代太陽光発電有機薄膜太陽電池(Organic Photovoltaics : OPV)の産学共同研究に着手しましたので、合わせて展示いたします。」https://www.rikentechnos.co.jp/information/2024/05/10/20240510-02/

次世代太陽光発電テーマで銘柄を物色したことがある人はご存じと思いますが、現在の太陽光発電で主流となっているシリコン製の太陽電池は、製造に多くのエネルギーを使うため環境負荷が高いという問題があり、コストも高く重量もかなりあるため設置場所に制約があります。これに対して次世代の太陽光発電として現在盛んに開発されているペロブスカイト太陽電池や有機薄膜太陽電池は、製造のエネルギーが少なく材料が安価、軽量でフレキシブルなため曲面や壁面にも取り付け容易と多くのメリットがあり、実用化されればシリコン系太陽電池に代わって太陽電池の主流になると考えられます。

現在のところ有機薄膜太陽電池よりもペロブスカイト太陽電池の方が実用化に向けて先行していますが、有機薄膜太陽電池にはペロブスカイト太陽電池にない「光を通す」という大きな特徴があり、建物の壁どころか窓まで太陽光発電に使えるのが嬉しいところ。たとえばオフィスビルの窓で適度に採光しつつ発電したり、農業用ハウスの屋根に使って農作物が光合成に使う波長の光だけ透過させ、作物が使わない波長の光を使って発電するなども可能になるわけです。

有機薄膜太陽電池の課題としてはエネルギー変換効率がシリコン系に及ばないことが挙げられますが、最近では研究が進んだことで次第に変換効率の差を縮めつつあります。もうひとつ克服すべき課題が耐久性で、太陽光に含まれる紫外線に長期間晒されると性能が落ちること。おそらくここで、不要な波長の光をカットする住宅用・自動車用透明フィルムで高い経験値を持つリケンテクノスの出番となったのだろうと想像します。リケンテクノスの透明フィルム技術が有機薄膜太陽電池の保護フィルムとして広く使われる未来がくるか、この件でも長期視点で続報を楽しみにしたいと思います。