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一部企業、東証注意後も対策せず　決算公表前閲覧で
全上場企業を一斉調査へ
2013/3/14付日本経済新聞　電子版
h ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1402I_U3A310C1MM0000/

上場企業20社余りの重要情報が公表直前、インターネット上で複数の投資家に閲覧された問題で、一部の社が昨年10月に東京証券取引所から注意喚起を受けて以降も、アクセス制限などの対策を取っていなかったことが14日、関係者の話で分かった。投資家らは情報管理の甘さにつけ込む形でこれらの企業から情報を入手、今年初めまで株取引を続けていたという。
今回の問題を受け、東証は全上場企業を対象に、自社サイトの情報管理体制の一斉調査に乗り出した。３月決算企業の決算発表が本格化する前にサイトの安全性を改めて確認する。公表前に第三者が重要情報を閲覧できる可能性がある企業には、改善策の報告を求める方針だ。
複数の関係者の話によると、証券取引等監視委員会は昨秋、上場企業の決算短信や業績修正などの重要情報が、各社の管理サーバーのうち、外部から接続可能な保存先に保管されているため、閲覧可能な状態になっていたことを把握した。
監視委は東証に対し、企業側への注意喚起を要請。東証は昨年10月１日、全上場企業の情報管理責任者向けに、問題の概要を指摘したうえで「同様の状況があれば、未公表の情報を閲覧され株取引される恐れがある。情報が適切に管理されているかチェックするように」と通知した。
各社は重要情報について、東証の適時開示システム「ＴＤｎｅｔ」で公表するのと同時にＨＰにリンクを張るよう準備していたが、東証は▽開示時刻までは閲覧可能な保存先にデータを移さない▽保存する場合は閲覧できないようアクセス制限をかける――といった対応策を示していた。