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(株)セブン&アイ・ホールディングス【3382】の掲示板 〜2015/04/07

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ang***** 強く売りたい 2014年10月26日 11:43

販売革新2014年2月号掲載
特集「セブンイレブン1万6000店の奇跡」
『セブンイレブンは‘ラスト・ワンマイル’の切り札となるか』
(株)小島ファッションマーケティング代表取締役 小島健輔

 セブン&アイHDが仕掛けるオムニチャネル戦略の‘ラスト・ワンマイル’を担う切り札としてセブンイレブン1万6000店が注目されているが、果たして本当にそうだろうか。コンビニ受け取りサービスの現状と今後を検証してみた。

コンビニ受け取りは社会インフラにはほど遠い
 『何時でも何処でも選んで買って受け取れる』オムニチャネル戦略の‘ラスト・ワンマイル’を制すると期待されるコンビニ受け取りだが、その実態はコンビニ各社や大手流通グループの利害、物流体制や情報システムの未整備もあって未だ顧客に不便な点が多く、社会インフラにはほど遠い。それにセブン&アイHDによる戦略アドバンテージ確保を意図した排他的動きが加わるのだから、顧客にとって使い勝手の良い受け取り方法とは言えないのが実情だ。
 最大拠点数を誇るセブンイレブンで受け取れるのはセブン&アイHDグループ企業商品だけで、それもセブンネットショッピングやセブンミール、eデパートなどに限定されており、アカチャンホンポやオッシュマンズなどグループ企業総体のeコマース商品が受け取れる訳ではない。グループ全体のコンビニ受取体制が確立されるのは2018年になるという気の遠くなる話だ。グループ外企業の商品をセブンイレブンで受け取れるのは知る限りヤマト運輸の「宅急便店頭受取りサービス」だけで、クロネコメンバーズに登録すれば手数料無料(ヤマト運輸が負担)で全国のセブンイレブンを含む契約取次店で受け取れる。
 アマゾンや楽天ブックスなど通販大手数社の商品は契約しているコンビニチェーン店頭で受け取り可能だが、セブンイレブンでは受け取れない。契約コンビニで受け取る場合、事前に決済すれば手数料はかからないが、コンビニ受け取り時に支払うと260円〜525円の手数料がかかる。ちなみにアマゾンはローソンとファミリーマート、楽天ブックスはファミリーマートとサークルKサンクスで受け取れるが、コンビニ受け取りは様々な問題があって廃止する通販企業が多く、もはや例外的な受け取り方になりつつある。コンビニに支払う手数料に加え、決済済み商品の未引き取りや受け取り時支払い商品のキャンセルも多く、手続きが煩雑でコストに見合わないからだ。
 事前決済すればコンビニ受け取り手数料を無料にしたり事前決済のみにしたり、未引き取りやキャンセルを繰り返す顧客を排除したりと様々な対策を打つものの根本的な解決とはならず、コンビニ受け取りを使う通販業者は急速に減少し今や数社に限られる。キャンセルのリスクがない受け取りサービスに特化したのがヤマト運輸の「宅急便受取場所選択サービス」で、2012年9月24日から化粧品のオルビスを最初の契約先にサービスが始まったがセブンイレブンは協力せず、契約通販業者の広がりも限られているようだ。
 顧客にとってもコンビニへの商品到着と到着案内や受け取り認証コードのメールが届くまでの時間的ずれが煩わしく、必ずしも便利な受け取り方とは言えないのが実情で、不在がちで自宅での受け取りが困難だったり勤務先近隣での受け取りのほうが便利だったりするケースに限定され広がりを欠いている。