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(株)バルクホールディングス【2467】の掲示板 2022/09/29〜2022/12/15

2022年10月17日、秋学期第2回目となる「リーダーとの対談」は、株式会社バルクホールディングス代表取締役社長、石原紀彦(いしはらのりひこ)氏にお越しいただいた。石原氏は慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社に入社。独立後も様々な事業に携わり、田村次朗教授も「その時代に必要なものには必ず石原さんが絡んでいる」と評価するなど、幅広い分野で活躍。そんな石原氏が学生との対話を通じて、これまでの自身の経験や考えを余すことなく話していただいた。 自分が想像できないところへ 学生時代から「自分が簡単に想像できる人生を歩みたくない。人の人生を後追いする気はなかった」という石原氏。新卒でゴールドマン・サックスに入社する。「就職活動をするなかで、米国から来たゴールドマン・サックスという存在が自分にとって新しかった。自分が想像できるなかでよく分からない、かつ努力できそうなところだった」と入社の理由を語る。アセットマネジメント部門で株や債券、為替の売買等に携わるなかで、「財務的分析に加えて、経営者の素質、各国の経済状況や世界情勢など、物事を俯瞰して考える力がついた」と当時を振り返る。競争の激しい外資系企業で、周囲の優秀な人と切磋琢磨しながら「死ぬほど働いた」という。それでも「色々な案件でアドレナリンが出ると、難しいパズルを解いているような集中力が出る。それをやっているのが楽しかった。今ではブラック企業と言われるかもしれませんが」と笑う。大学を卒業してすぐにこの厳しい環境に身を置いたことで、しっかりと働くベースができたと石原氏は言う。 失敗をしても前を向き続ける 30代になったこともあり、独立することを決断。音楽雑誌『ローリングストーンジャパン』(Rolling Stone Japan)、経済雑誌『フォーブス』(Forbes)の日本での創業、京都大学との産学連携ベンチャーキャピタルの運営など幅広い分野に携わるようになる。一方で、「資金もネットワークもあり、頭の良さにも自信があったがすぐに失敗した」と苦しい経験も多かったことを打ち明けた。買収した企業の経営者に逃げられてしまい、親友の行う事業に投資して様々なものを背負わされるなど数々の裏切りにもあった。それでも「組織には一定数の良い人と悪い人がいる。一定の苦労はどこにでもある。裏切られて立ち直るのは難しいが、仕方がないと切り替え、色々なことを学んだと思うしかない」と前を向いた。この姿勢を田村教授も「石原さんのように積極的にチャレンジする人生を歩もうとしても多くの人は失敗をすごく怖がってしまうと思う。それでも挑戦できるのが彼のすごいところ」と高く評価する。 チャレンジを続ける石原氏の心を支えたのは、『Investment Biker: Around the World with Jim Rogers』(日本語版:『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界バイク紀行』(日本経済新聞出版、2004年))にある、ジム・ロジャーズ氏の「死ななきゃいいから大丈夫だよ」という言葉。「前向きに適正な努力をしていれば結果は楽観視できる」と常にファイティングポーズをとり続けてきた。「交渉学」の履修者のなかにも、起業を目指していたり、様々な活動に熱心に取り組んでいいたりチャレンジ精神が旺盛な学生が多い。そんな学生へ石原氏は「明確なゴールさえあれば、色々な行き方がある。例えば、渋谷に行くとしても電車で行く方法もあれば、歩いていく方法もある。一歩目をどう踏み出すか、というマインドセットが大事。そういうマインドセットを持っていればたまに成功する」とエールを送った。 時代の潮流を読んでビジネスを展開 経済安全保障という概念が注目されている昨今、「戦後、経済安全保障やサイバーといったものは、一般の民間人が考えるものではなかった。しかし、今は民間人が脅威に接する場面が増えてきた」とサイバーセキュリティ事業を開始した石原氏。警視庁や防衛省、大企業のサイバー対策の強化やサポートを手がける。日本でも経済安全保障推進法が成立するなど、今や法律や政治への理解なしにビジネスを行うことは不可能だ。「契約を結ぶ、投資をする、いかなるものも最終的には法律に落とし込まれる。何かを判断するときに重要なのはルールがどうなっているのかということ。その意味で法律の理解は大事」と説く。 また、マーケティングではSDGsの推進にも力を入れる。「SDGsはビジネスの基本的なプラットフォームとして認識されつつある。ゴールドマン・サックスで働いているときはいろんな人種やLGBTの人もいて、違和感がなかった。SDGsとはビジネスがグローバル化していくなかで、そういったところへの配慮を統一化していこうよという動き。日本をはじめ、その配