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東洋建設(株)【1890】の掲示板 2018/12/19〜2021/02/18

【ベルリン時事】風力発電の導入で世界をリードする欧州で、沖合に風車を設置する洋上風力の普及が急速に進んでいる。

 陸上風力の適地が一部で飽和状態となる中、風量が多く環境や景観などへの問題も少ない洋上にシフトしている形だ。欧州のエネルギー各社は、海に囲まれた日本も有望市場だと熱い視線を送っている。

 欧州の風力発電業界団体「ウインドヨーロッパ」(本部ブリュッセル)によると、2019年の欧州での洋上風力発電の新規導入容量は360万キロワットと、09年の60万キロワットから大幅に増加。一方で陸上風力は、ここ10年は年1000万キロワット前後でほぼ横ばいが続く。

 欧州では近年、巨大な風車を何十基も建てる陸上風力に対する住民の反発が拡大。特にドイツでは騒音や環境破壊などを理由とする訴訟が多発し、19年の陸上風力の導入容量は過去20年で最低となった。こうした事情に加え、洋上風力の課題だった発電コストの低下が進み、19年時点で1000キロワット時当たり約80ドル(約8300円)と、10年間で約半分になったことも普及に拍車を掛けている。

 欧州連合(EU)は20年11月、域内の洋上風力の総発電能力を、現在の1200万キロワットから30年までに6000万キロワット、50年までに3億キロワットに増やす計画を公表。欧州委員会のティメルマンス上級副委員長は「洋上風力は既に欧州の成功物語だが、さらに大きいチャンスをつくる」と意気込む。

 一方、洋上風力の主力電源化を目指す日本に注目する欧州企業も多い。日本を「大きな成長が期待される重要地域」と位置付けるノルウェーのエネルギー大手エクイノールは20年9月、東京電力グループと中部電力の共同出資会社JERA(ジェラ)などと、秋田県沖での洋上風力事業参入に向けた企業連合を設立すると発表。デンマークの洋上風力世界最大手オーステッドも同年3月、東電と千葉県銚子沖での洋上風力事業を推進する合弁会社設立で合意した。 
                  (1月1日 7:17 時事通信より)