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中外鉱業(株)【1491】の掲示板 2020/09/09〜2020/09/14

住商も撤退、終焉を迎えそうな米国のシェールブーム

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9/11(金) 8:16配信





住商も撤退、終焉を迎えそうな米国のシェールブーム

 (藤 和彦:経済産業研究所 上席研究員)  米WTI原油先物価格は、このところ1バレル=40ドル台前半で安定的に推移してきたが、9月に入ると1バレル=40ドル割れし、一時約3カ月ぶりの安値となった。  まず供給サイドの動向を見てみたい。  ロイターによれば、8月のOPECの原油生産量は前月比95万バレル増の日量2427万バレルだった。8月以降のOPECの原油生産量は、7月の水準から日量122万バレル増加する予定だったが、イラクなどによる埋め合わせ減産が増加幅を抑えた。イラクの減産遵守率はここ数年で最高となっている。最も増産したのはサウジアラビアで、前月比60万バレル増の日量900万バレルとなり、減産目標の水準に近づいている。  次に米国だが、新型コロナウイルスのパンデミック以前に記録した日量1310万バレルの生産量に回復する兆しが見えていない。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は180基前後と2005年以来の低水準のままであり、少なくとも今年中は回復しない見通しである(8月12日付OILPRICE)。9月の主要産地のシェールオイルの生産量の見通しも、前年比15%減の日量756万バレルと5カ月連続で前年割れとなっている。 ■ 世界の原油需要は回復するのか?   大産油国の減産で足元の原油市場の需給は引き締まっているのにもかかわらず、WTI原油価格が再び軟調となっているのは、需要回復の遅れへの警戒感からである。

 国際エネルギー機関(IEA)は8月半ば、「コロナ禍の影響で今年の世界の原油需要は日量810万バレル減少する」と予想していた。OPECもその後、「今年(2020年)の世界の原油需要は日量906万バレル減少する」との見通しを示していた。ロシアのノバク・エネルギー相も9月4日、「今年の世界の原油需要は最大で日量1000万バレル減少する」との見方を示している。  世界の原油需要の伸び悩みを象徴しているのは米国である。世界最大の原油需要国である米国では、最需要期にもかかわらず石油製品の販売不振が続いている。コロナ禍の影響で外出を控える動きが広がり、ガソリン需要期のドライブシーズンが不発に終わったからである。シーズン終盤になってガソリン需要は日量916万バレルとほぼ前年並みの水準にまで持ち直していたが、シーズンの最終日に当たるレイバーデーのガソリン価格は16年ぶりの安値だった。今後、消費の柱はガソリンから暖房用に使われる軽油に移るが、暖冬の予想が出ており、先行きに不透明感が漂っている(9月8日付日本経済新聞)。  米国と対照的なのは中国である。世界第2位の原油需要国である中国では、ジェット燃料などの一部の不振を除き、コロナ禍の影響からほぼ抜け出している。今年前半に急落した原油を大量調達したことから、6月と7月の原油輸入量は過去最高水準になっていた。だが、貯蔵能力の限界から今後ペースダウンすることが予測されている(8月19日付OILPRICE)。加えて心配なのは米国との対立の深刻化である。IEAの高官は9月7日、「地政学的な緊張が中国の需要に影を落としている」と懸念を示している。  世界第3位の原油需要国であるインドの原油需要は2割減のままである。世界第4位の原油需要国である日本の原油需要も3割減のままである。  WTI原油価格は年初の水準から30%以上下落しているが、需要面からの下押し圧力からさらなるダウンサイドリスクが生じており、供給サイドへのストレスが強まることが予想される。 ■ クウェートの動向に要注意  直近の中東産油国の中で異変が生じているのはクウェートである。  日量約300万バレルを誇る世界第9位の原油生産国クウェートの財務相は8月20日、「11月以降公務員の給料が払えなくなる」と議会に対し窮状を述べた。