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話題! 仮想通貨 ドージコインの掲示板

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ピンギーノ氏、GoodShibe、ラチャンス氏は皆、昔のように与えて幸せという雰囲気ではないことは認めながらも、新たなドージコイン保有者に対してもっと明るい展望を持っている。

「今ドージと出会っている人たちにとってはもちろん、金銭的な側面が魅力的なのだろうが、楽しさの側面もある」と、GoodShibeは指摘する。彼のコメントは確かに的を射ている。

雰囲気はおおむね、「月まで高騰させよう!わー!すごい!」という感じだが、レディットやツイッター上のドージコミュニティには、間違いなく楽しさがあふれている。

新しいミームが毎秒のように生まれる。宇宙服を着たり、ランボルギーニに乗ったり、美容院でくつろぐドージの笑顔が、あらゆるところにあふれている。そして私は、ドージの穏やかな顔を見れば見るほど、何か新しいものが見えてくるというラチャンス氏の言葉を理解し始めている自分に驚いている。現代のモナ・リザになれないはずがないだろう?

投機心丸出しの投稿にさえも、ユーモアがあふれている。「ドージコインを少し買って、4分ごとにその価格をチェックすることを3カ月続けたら、経済的に自立できる。それだけが望みだ」と、あるドージコインファンはつぶやく。

そして今でも、昔の寛容な分け与えの精神の名残りを見ることはできる。あるユーザーは、「私の友達に祈りを。(中略)彼は鼻の腫瘍の治療中で、放射線治療の準備のための検査を受けることになっている。みんなの優しいエネルギーを彼に送って」と頼んだ。「小綺麗になって里親が見つかるように、保護施設の犬に蝶ネクタイを作ってあげる子供」についての投稿など、希望にあふれた話も見られる。

ドージ・パラドックス
多くのドージコイン保有者は、ミームと投機にとどまらないもっと壮大な希望をコインに託している。マスク氏だけではなく、このプロジェクトをもっと真剣に捉えている人たちもいる。

例えば、米プロバスケチーム、ダラス・マーベリックスのグッズやチケットを買うのに、ドージコインが使える。これには、一見するよりも意義があるかもしれない。

マーベリックスのオーナーで著名投資家のマーク・キューバン(Mark Cuban)氏は2019年、ファンがビットコイン(BTC)でチケットを買えるように実験を始めたが、大失敗に終わった。「どれくらいの人が、通貨として使いたがっているか見てみたかった。ほとんどゼロだった」と、キューバン氏は今年1月に語った。

ではなぜ今、ドージコインで同じことを試しているのか?「その人気とPR的な価値のためだ」とキューバン氏は述べる。「コミュニティは素晴らしいし、とても力強く、ドージに献身的だ。始める場所としては、明らかなチョイスだった」

キューバン氏の見方では、「ビットコインの長期保有者はグッズやチケットに手持ちのビットコインを使うことは決してないだろう。価格が10倍になると思っているのに、支払いに使ってしまうのは彼らにとって愚かなことなんだ」

対照的にドージ保有者は、「支払いに使うことはコミュニティを支えることになる」と考えており、「ドージがより有用性を持てば、より多くの業者が受け付けるようになり、ドージはより拡大するということを、彼らは認識している」と、キューバン氏は考えているようだ。

それは本当かも知れない。しかし、尽きることのないチップや分け与え、ふざけたばらまきが初期の頃より少ないのも本当だろう。ペーパーウォレットを配っている人は誰もいない。チップボットも昔のものだ。ドージコインを長期保有して、1ドルを超えることを願っているなら、使ってしまうのは理にかなわないからだ。

例えばGoodShibeは、ドージコインで買える電子書籍を売り始めていた。初期には少し売れた。人々はドージで支払っていたのだ。しかし、販売開始からひと月後に、ドージ価格が高騰。「それ以来、一冊も売れていない」と彼は語る。

皮肉なことに、ドージは現在、ビットコインを長く悩ませたパラドックスに苦しんでいる。ドージの価値が高まれば高まるほど、人々は使いたがらなくなる。チップ、分け与え、ばらまきなど、ドージの使いやすさと楽しさが、多くのドージコインファンを惹きつけたそもそもの要因なのだ。しかしドージは、自らの成功の犠牲になるかもしれない。

「パーティーしよう」(ゲリー・ラチャン氏提供)
私はこれを、「ワン・ダイレクションのパラドックス」と呼んでいる。バンド「ワン・ダイレクション」の楽曲『You don’t know you’re beautiful(あなたは自分の美しさを知らない)』を題材にした、コメディアンのスティーヴン・コルベアのジョークがもとになっている。

一度もこの曲を聴いたことのない幸運な人のために、歌詞を紹介しよう。「あなたは自分の美しさを知らない。だからあなたは美しい」

コルベアが指摘した通り、「この歌詞は驚くほど複雑だ。バンドは『あなたは自分の美しさを知らない。だからあなたは美しい』と言っているが、たった今彼女に、あなたは美しいと告げたんだ。つまり彼女はそのことを知っているのだから、彼女はもう美しくはない」

ドージのパラドックスだ。ドージを使うことの喜びが、その魅力の1つだったのに、いまや価値が出て、使うことはあまり喜ばしくなくなってしまった。

ドージ精神の強み
しかし、それでもいいのかもしれない。ラチャンス氏は、ドージコインに対する批判を認識している。ドージが何らかの理由で失敗に終わったら、暗号資産業界全体を傷つけ、他のブロックチェーンプロジェクト、特にビットコインを脅かす可能性もあることを。

「それは理解できる」とラチャンス氏。「ビットコイナーの多くは善意を持っている」。しかし、ラチャンス氏によれば、ドージコミュニティの精神とエネルギーは、どんなテクノロジーよりも力強い。ネットワーク効果は本物だ。ブランドは大切だ。そして雰囲気さえも、重要なのだ。

「暗号資産はすべて、オープンソースだ」とラチャンス氏は続ける。ドージよりも魅力的な技術的特徴を持つコインがあったら?心配無用。

「そんな要素を全部、ドージに注ぎ込めば良いんだ。ドージのブランドは最も愛されている。ライトコインとドージコインのどっちを持ちたい?どっちがより楽しい?」

たいていの人は、ノードにハッシュレート、ブロックサイズより、ミーム、犬、ジョークについて語り合うことを楽しむ。それくらい単純なことなのかもしれない。

「ジョークとして誕生した。それが魅力なんだ」とラチャンス氏。「しかし、600億ドル(ドージコインの最近の時価総額)は冗談ではない。それだけ多くの人が、ドージコインに関わりたいと投資しているんだ」

結局のところ、ラチャンス氏にとっては、「ドージの教え」の方がお金より大切だ。遊び心、皆を受け入れる懐の深さ、善意、受容、そしてバカらしさを尊重すること。

ラチャンス氏に、ドージの教えを1文で要約してくれるよう頼んだ。彼は一呼吸置き、考え、言葉を丁寧に選んだ。

「バカらしさは敬虔さに次ぐ」

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock
|原文:‘Silliness Is Next to Godliness’: Why Doge Still Thrives

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