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カバー(株)【5253】の掲示板 2023/08/09

みずほ銀行のVTuberレポート内容(要約)

①VTuber はメディアでもコンテンツでもなくタレントである。バーチャルな外見を有し双方向のコミュニケーションができるという2点において従来のタレントと差別化され、タレントのデジタル化による産業インパクトを引き起こす可能性を秘めている。

②VTuberはアニメとアイドルを中心とする日本コンテンツ文化の延長線上にあり、その人気の源泉となっている。加えて、アイドルに類似したメディア戦略と、デジタルならではのコマースの強みを背景に、YouTuberや歌手よりも利益率が高いビジネスモデルを構築しているほか、低リスクでローカルコンテンツを制作できること等を背景に積極的に海外展開しており、日本のVTuber事務所はグローバルで高いプレゼンスを有している。

③タレントのデジタル化による産業インパクトとして、アイドル市場やコンテンツ市場の代替が考えられる。それらの市場は国内だけでも10兆円規模に及び、海外市場進出への期待も大きい。市場代替に向けては、VTuberから「国民的アイドル」に匹敵する存在が現れ、出演作がアニメ同様にマルチメディア展開されることが求められる。

④他方で海外に目を向ければ、グローバルプレゼンスを高めた韓国のリアルタレント事務所が脅威である。複数事務所のタレントを集約し競争力を高めたファンコミュニティプラットフォームを活用しながら、NAVERやカカオといった大手企業と連携し、バーチャルアイドルの開発やマルチメディア展開を手掛けはじめている。足下、日本企業は単独での取り組みが中心であり、韓国のようにプラットフォームを集約し、大手企業と連携して質の高いコンテンツを開発しなければ、海外企業の後塵を拝してしまう可能性がある。

⑤タレントの競争力が高まれば、出演するコンテンツの競争力も高まり、人気コンテンツはメディアの競争力を高めるだろう。そのためにも日本のタレント事務所・コンテンツ企業・メディア企業が一丸となって VTuberを盛り上げていくことに期待したい。それはVTuber事務所以外の企業にとっても大きな収益源となり、日本を代表する新たな産業となる可能性も秘めているだろう。