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(株)ジャパンディスプレイ【6740】の掲示板 2020/10/22〜2020/11/01

ジャパンディスプレイ、ソニーの本気!今度こそ3Dを“ブーム”で終わらせない
あえて3Dという言葉を使わないジャパンディスプレイ
ジャパンディスプレイ(JDI)はあえて3D(3次元)という言葉を使わなかった。9月下旬に発売した、裸眼で3D映像を見られるディスプレーの名称は「ライトフィールドディスプレイ(LFディスプレイ)」。10年前に起こった3Dブームの悪いイメージを嫌ったからだ。しかし、コンテンツ作成などの技術革新により、現在3Dディスプレーへの関心が再び高まりつつある。ブームで終わらない3D市場の本格形成に挑む。1950年代、1980年代に次ぐ第3次3Dブームは2009年に公開された3D映画「アバター」のメガヒットがきっかけであり、ユーザー不在の狂騒曲の始まりだった。JDI・R&D本部の林宗治研究主査は「ハードウエア優先でブームをつくろうとして失敗した」と当時を振り返る。アバターのブルーレイディスク(BD)版などの発売に合わせて、2010年にテレビメーカー各社が専用メガネ付きの3Dテレビを相次ぎ投入した。家電量販店での値下げ競争で疲弊していた各社にとって、消費者の目先を変える新型テレビとして3Dに飛びついた。ただ、当初から3D映像視聴に際して子どもの目への影響を懸念する専門家の声があった。加えて、3Dテレビを買っても優良な3Dコンテンツが不足していたため、やがてどこの家庭でも従来通りの2Dテレビに成り下がった。「アバター以外の3D映画は技術を分かっていない人たちが3D化したので強い違和感を覚える作品ばかりだ」(林研究主査)とハード主導の悲劇となった。消費者の頭の片隅に3Dの嫌な記憶だけを残した。ブームの最後の花火だったのが東芝の2010年末に発売した専用メガネ不要の3Dテレビだった。東芝のディスプレー事業を源流の一つとするJDIが10年後に再び、裸眼3Dディスプレーを発売したのは不思議な巡り合わせだ。JDIが国内企業・団体向けにオンライン販売を始めた5.5型LFディスプレイはあくまで開発キットの位置づけだ。専用コンテンツを作成するためのソフトウエア開発キットも同梱する。新事業開発本部の堀洋平主査は「キットを開発者に使ってもらい、LFを活用した市場や用途をいっしょにつくっていきたい」とメーカーの都合を押しつけず開発者の創造力に期待する。