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INCLUSIVE(株)【7078】の掲示板 2021/12/01〜2021/12/02

続き

目の前のゲームが手詰まりだったら、さっさと別のゲームをつくって有利に勝負する。この考え方は、僕が手掛けているビジネス投資の戦略にも大いに役だっている。
僕がゲームチェンジャーになれる確信を持って取り組んでいるのは、宇宙事業だ。なぜ僕がそのゲームに飛び込んだのか、少し長くなるが話したいと思う。

他の著書などでも触れている通り、宇宙産業は日本という国において非常に有望で、世界に勝てる数少ない産業だ。理由としては、次の4つが挙げられる。

1つ目は、射場の最適な立地条件だ。ロケットの打ち上げは地球の自転速度を利用するため、世界中どの国でも、東の空に向けて打つことが多い。比較的低緯度でアジアの東端に位置する日本は、かなり効率的にロケットの打ち上げが可能だ。

2つ目は、ロケット部品の国内製造能力の高さだ。日本では基本的に、すべての部品を国内調達できる。輸入に伴う税関手続きや移送コストを大幅に削減して、スピーディーな組み立て・打ち上げが実現可能だ。その点、移送コストなどがかさむ欧米の国々を大きくリードしている。

3つ目は、成熟した資金調達市場だ。日本は世界の中でも、スタートアップ企業への投資が盛んな国だ。
不況だと言われているが、ネット関連企業に数十億円が投資されるケースも少なくない。近年はベンチャーキャピタルが組成するファンドに、機関投資家も加わり、ファンド規模は拡大している。僕たちの会社も、さまざまなアイディアを駆使して14億円ほど集められた。資金繰りの成果としては上々だが、日本では宇宙産業への投資熱はまだまだ低いので、これからの伸びを期待したいところだ。

4つ目は、参入障壁の低さだ。
日本は早い段階で、スタートアップ企業が宇宙開発に参入できる環境を整えた。政策レベルでも後押しされたのは、非常に大きい。僕たちのような新興の会社でも、実績を見せれば、JAXAと共同実験ができるようになった。
スタートアップの最大の強みは、失敗してもいいところだ。JAXAのような国家事業の組織になると失敗は許されず、基本設計はほとんど変えられない。
だが、これがスタートアップ企業のトライアルで有れば、失敗と改善のサイクルを回して、どんどん新しい設計のロケットを試すことができる。
ロケット開発においては、むしろ大資本の会社よりも、スタートアップの方が技術で先行できると思う。