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【NZD】ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利の掲示板

第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西濵 徹氏


ニュージーランド中銀、量的緩和終了による緩和水準引き下げを決定
市場環境の改善を受けて量的緩和政策の終了を決定、NZドル相場は底堅い展開が見込まれる

 オセアニアでは、ニュージーランドと豪州でともに感染抑制により経済活動の正常化が進んだ。しかし、豪州では変異株による感染再拡大の動きがみられる一方、ニュージーランドはワクチン接種が遅れるも感染動向は落ち着いている。年明け以降の景気は底入れが進むなど拡大傾向を強める一方、昨年来の中銀による金融緩和を追い風に不動産市況は上昇傾向を強めるなど、副作用が顕在化する事態に直面している。

 中銀は不動産市況のバブル懸念に対して規制強化に動いているほか、5月会合では将来的な利上げ実施を示唆するなど「正常化」を見据える動きを強めている。こうしたなか、中銀は14日の定例会合で政策金利と資金供給プログラム(FLP)を維持する一方、大規模資産買い入れプログラム(LSAP)を今月23日までに停止するなど金融緩和の水準を引き下げる決定を行った。景気回復が進むなかで金融市場の改善がLSAPの終了を後押しした。金融市場では米FRBの政策運営への見方が米ドル高に繋がり、NZドル相場の重石となってきたが、先行きはNZドル相場の底堅さが期待されるほか、日本円に対して堅調な推移が見込まれる。