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【CAD】カナダ銀行 政策金利の掲示板

米国のITハイテク株は、名目金利と実質金利の両上昇が一旦の高値警戒売りを後押しさせている。

その中でナスダック版の恐怖指数(不安心理指数)として知られるVXN(CBOE・ナスダック100ボラティリティー指数)では、日足の一目均衡表チャートで「変化日」を示す雲のネジレが、3月4日前後と19日前後に複数観測されている。23日の終値が30.62に対し、先行き雲のネジレは4日に32.53から32.73前後、19日は32.06から32.93前後に位置している(VXN上昇はリスク回避の株安要因)。

雲ネジレは現状水準から上方向に位置しており、現在の「雲からの下方乖離状態」を埋めるVXN上昇のリスクは無視できない。4日や17日にかけては、雲のネジレ方向のトライや上抜けトライによるVXNの急上昇と、ナスダックの短期的な調整急落に注意を要しよう。

なお、米ITハイテク株を圧迫しつつある米10年債金利の上昇についてパウエルFRB議長は、23日の議会証言で「力強い経済見通しに対する確信の表れ」、「経済再開や経済成長への市場の期待の表れ」といった見解を示し、当面は静観する考えを強調した。

実際に米国経済の重要先行指標である米ISMの製造業景況では、景気循環面で底入れ改善のサイクル入りを固めつつある。ISMの総合指数に先行する内訳の「新規受注−顧客在庫」バランスは、1月に+28.0となった。直近最高である昨年10月の+30.2や前月の+29.6からはやや上げ渋りとなっているが、4月の−21.7をボトムに大幅な上振れとなり、2009年12月の+31.3以来、約11年ぶりの高水準を維持したままだ。

過去に+30を超える大幅なバランス改善は、高確率でその後に米国の景気回復と株高持続が追随観測されてきた。裏表の関係により、米10年債金利は高確率で遅行上昇のモメンタムが形成されている。