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【AUD】四半期国内総生産の掲示板

 本日発表された豪雇用統計は、失業率が4.6%(市場予想5.0%)、新規雇用者数2200人増(予想4.62万人減)となったことで、ヘッドラインは非常に好結果だったと言えます。

 ただし、詳細を見ていくと「あれ、それほど良くないな」と分かり、もっとよく調べると「これはかなり悪い」という結果でした。

 まずは、正規(常勤)と非正規(非常勤)の雇用では、常勤が4200人減少したのに対し、非常勤が6400人増加となっていました。正規雇用の減少はマイナス要因となります。

 労働参加率も6月の66.2%から66.0%まで減少しています。オーストラリア統計局(ABS)が「能力の限界で仕事を探すことをあきらめた失業者が、労働力人口から省かれている」と発表したように、就職を諦めている失業者が増加しています。

 また、月間の労働時間が6月の17億8100万時間から17億7800億時間まで減少しています。この労働時間の減少は兼ねてから問題視されていたことで、デルタ株感染対策のロックダウンの影響によるものが大きく、6月はビクトリア州では8.4%も労働時間が減少していました。6月時点で減少していることを考えると、今月に入りビクトリア州やニューサウスウェールズ州で厳格なロックダウンが延長されていることを考えると、8月の労働時間はより減少している可能性が高いでしょう。労働時間減少は所得の減少につながるため、経済的に大きな問題となります。

 今回の雇用統計発表後にABSが「7月の失業率は労働市場の強さとみるべきではない」と発表しているように、豪州の雇用問題は表面上よりも根深い問題があると言えそうです。