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【JPY】日銀短観・四半期大企業製造業業況判断の掲示板

【経済フォーカス】低インフレ、日本がうらやましくない理由
1/18(火) 10:20配信
THE Korea Economic Daily Global Edition

新年を迎えた世界経済をめぐって、インフレ議論が依然として熱い。特に、米国の昨年12月の消費者物価の上昇率は、40年ぶりの最高値である前年同月比7.0%を記録し、インフレに対応するための通貨政策を巡る議論も、米国の量的緩和の中止を超え、政策金利の早期引き上げなど、緊縮基調への変更へと焦点が移っている。

物価展望など通貨政策に対する金融市場の認識にもここ数か月間、多くの変化があった。 昨年半ばまでは、グローバル経済の回復にあわせ、主要国での財政政策や通貨政策の拡大度合いを次第に減らし、物価高騰を起こした供給網の支障が解消されれば、今年から物価が安定を取り戻すことになり、インフレは一時的なものになるだろうという予測が大勢を占めていた。しかし、昨年秋以降は、グローバル供給網の支障が、気候変動対策や保護主義的通商政策などと連携し、直ちに解消することは難しいだろうという見方が強まっている。

冬に入って、コロナウイルスのオミクロン変異株が拡散したのも、インフレの展望をさらに悲観的にさせる要因だった。各国が防疫措置を再び強化し、延長すれば、供給網に支障が生じかねないからだ。変異ウイルスが、それほど脅威的でないというニュースは嬉しいが、マクロ経済政策の担当者らにとっては、それ自体が相当な不確実性だ。特に、インフレのかなりの部分が供給側の要因によって発生する中で、緊縮的通貨政策が景気後退の可能性を高めることを知りながらも、物価不安に対応するため政策金利を引き上げなければならないジレンマのような状況は中央銀行に大きな負担となるだろう。

このように、世界各国の中央銀行が、インフレジレンマに陥る中、日本は断然注目を集める。日本は、月間消費者物価上昇率が2020年10月から1年間で平均-0.6%に下落しており、昨年10月から基底効果とエネルギー価格上昇でわずか0%台のプラスを示した。民間消費の回復傾向が弱い理由もあるが、インフレ問題であまりにも例外的な姿を見せている。当然、日本も世界的供給網の支障問題から例外ではなかったが、生産者物価の上昇率は昨年5月以降毎月5%を超え、第4四半期は平均8.7%を記録したことからも確認できる。日本の企業も、世界的なインフレによるコスト上昇の負担をかなり大きく感じているが、これを消費者物価上昇に転嫁せず、営業利益の縮小などで耐えているという意味だ。

だからといって、日本がうらやましいわけではない。中央銀行である日本銀行の心も決して安らかではないだろう。現在、日本の物価状況は「失われた20年」と呼ばれるデフレ期間に続いた財政政策と通貨政策の失敗が残した傷跡だからだ。長期間、物価安を経験した日本経済では、家計が消費を増やすのに非常に慎重であり、企業も価格を引き上げにくい雰囲気が定着しているが、コロナ危機で萎縮した消費者らに原材料価格の上昇を転嫁するため、最終財の価格を引き上げるのはさらに難しいだろう。このような環境では、企業の投資が萎縮し、結局、経済全般の革新力量と生産性が低くなる。労働者も賃金上昇はもちろん、雇用安定を期待しにくくなり、消費がさらに萎縮する「低成長とデフレの悪循環」が現れる可能性が高くなる。

このような日本の事情を考えると、米国と日本の中間程度にインフレが現れている韓国は、政策的余裕がある方だ。もちろん、通貨政策の目標が住宅価格や為替レートの安定まで含めるとしたら焦ることになるが、住宅供給や外国為替の健全性など他の要因を考慮すると、通貨政策の本質的な役割はやはりインフレーション対応にあるからだ。

先週、韓国銀行(韓銀)が、コロナ以後、3度目の基準金利引き上げを決定した。期待インフレがあまり下がらないように管理しなければならないという点で、焦りすぎではないかという気もする。しかし、この時期に日本の過去を振り返り、今後、韓国経済にデフレの影が再び落ちる時も、今のように十分先制的に対応することを誓ってほしい。私たちが後ろを一度ずつ振り返るのは未練のためだけでなく、何かがついてきている時、それに対応する準備をする意味もあるからだ。